2015/12/24

【世界の子ども支援チャリティコンサート2016】演奏者の    ご紹介 その2 (前田勝則さん)

2016年57日から612日まで全国七つの日本福音ルーテル教会を会場に開催予定のJELA世界の子ども支援チャリティコンサート演奏者お二人のうち、ピアノの前田勝則さんを、ご本人からのメッセージとともにご紹介いたします。

◇◆◇

皆さま、初めまして。ピアニストの前田勝則です。生まれは山口県の柳井市余田(よた)、文字通り山と余るほどの田んぼに囲まれた見事な田舎で育ちました。この度、同郷のヴァイオリニスト真野謡子さん(真野さんの育ったところはもう少し市街地ですが)と、日本各地で演奏できることを今からとても楽しみにしています。

山口での恩師がよくこんな事をおっしゃっていました。山口の子の演奏はコンクールなどで都会の子の演奏に比べるとパンチに欠ける。真面目でよく弾けているんだけど、瀬戸内気候の穏やかでのんびりした感じが出てしまうのかしら、と。当時はピンときませんでしたが、高校卒業後上京して、はや二十数年、先生の言葉の意味が少しわかるような気もします。気付けば故郷で過ごした時間より都会暮らしの方が長くなってしまいましたが、年を経るにつれ、自分の育った田舎の生活、風景をより誇らしく、懐かしく思えます。

今回のプログラムのテーマの「踊りと歌」、そこには民俗的な背景を持つものも多く含まれています。クラシック音楽には、作曲家の育った環境、民俗的なルーツや望郷の思いが作品に反映されている事も多いのですが、演奏家の発する音、音楽にも実は出ているのではないか、と考えています。真野さんと奏でる「踊りと歌」、そこから浮かび上がる風景をどうぞお楽しみください。


プロフィール

前田勝則 (まえだ かつのり)

東京学芸大学教育学部芸術課程音楽専攻卒業。東京芸術大学大学院音楽研究科首席修了、修了時にNTTドコモ奨学金を授与される。
ピティナ・ピアノコンペティションデュオ部門特級最優秀賞受賞をはじめとして、多摩フレッシュ音楽コンクール、日本室内楽コンクール、吹田音楽コンクール、大曲新人音楽祭コンクール、かずさアカデミア音楽コンクールなどに上位入賞。また、NHK-FM「土曜リサイタル」、東京文化会館新進音楽家デビューコンサート、ABC新人コンサート、日演連推薦/新人演奏会などのオーディションに合格、演奏会に出演。
これまでに、大阪フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉と共演。
2000年よりほぼ毎年ソロリサイタルを開催。またお話を交えた親しみやすいプログラムによるコンサートは各地で好評を博している。
アンサンブルピアニストとしての活動も幅広く、特に合唱分野では定評があり、日本を代表するプロフェッショナル合唱団である東京混声合唱団を始めとして多くの合唱団と共演、フォンテックやオクタヴィア・レコードよりCDがリリースされている。

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【参加者募集中】
2016年夏 アメリカ・ワークキャンプ(締切2016年4月末日)

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日本福音ルーテル社団(JELA)

【募集を締め切りました】2016年度 リラ・プレカリア研修講座 生徒の募集を開始しました

【募集を締め切りました】2016年度 リラ・プレカリア研修講座 生徒の募集を開始しました


ご応募ありがとうございました。 第6期生の募集を締め切りました。 

2016年度 リラ・プレカリア研修講座 募集要項

一般社団法人日本福音ルーテル社団は、リラ・プレカリア(祈りのたて琴)2016年度研修講座を開講します。本研修講座の受講を希望される方は以下の募集要項を参照し、「リラ・プレカリア研修講座受講申込書(Word版) (PDF版はこちらをご使用ください)」に推薦状(封をしたもの)を添えて、期日までにJELA事務局までご提出ください。

I 開講期間 20164月~20183(2年間)

II 募集人数 最大 十数名まで
※合格者が五名に満たない場合は、開講しない可能性があります。

III 応募資格 
全期間の研修に専心できる方
自宅でのハープ練習が可能な方
*年齢・性別・宗教による制限はありません。

IV 研修費用
  • 入学金  10万円(開講時に申し受けます)
  • 受講料  18万円×5学期(合計90万円)
  • 合計   100万円(2年間)
 自宅練習用のハープ(34弦以上のレバーハープ)をお持ちでない方は、ハープ購入費(40 万円~)が別途必要となります。
研修期間中、講師が補習の必要を認めた場合には、プログラム日程外で追加レッスン(自己負担)を受けていただきます。
研修中の交通費、教材費(3万円ほど)等につきましては自己負担になります。

V 必要書類
 2016年度リラ・プレカリア研修講座 受講申込書(6ヶ月以内に撮影された顔写真付)
 第三者(友人や同僚、教会メンバー等)による推薦状1通(※自分の家族、JELA役員、JELAリラ・プレカリア委員会メンバー以外の者による推薦であること)

VI 研修生選考日程

  • 20151024日(土) 講座説明会(会場:JELA 時間:午後13時)
  • 20151121日(土講座説明会(会場:JELA 時間:午後13時)
     *可能な限りどちらかにご参加ください。

  • 20151219日(土)   受講申込書受付締め切り(当日消印有効)
  • 20161月中旬        面接と審査、約一週間後に選考結果通知

VII 問合せ・申込み先
150-0013  東京都渋谷区恵比寿12026
                   日本福音ルーテル社団(JELA)
                    リラ・プレカリア 第6期募集 係(担当者:奈良部)
電話 (03) 3447-1521 FAX (03) 3447-1523 Eメール jela@jela.or.jp


※ご記入いただきます個人情報は、申込み・問合せのために利用いたします。ご本人の同意を得ることなく、第三者に開示することはありません。

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2016年度 リラ・プレカリア(祈りのたて琴) 研修講座概要


リラ・プレカリア(祈りのたて琴)とは
ラテン語でリラは「たて琴」を、プレカリアは「祈り」を意味するリラ・プレカリア(祈りのたて琴)は、病床にある方や、さまざまな問題で悩み苦しむ方に、ハープと歌による祈りをお届けするボランティア養成プログラムです。
リラ・プレカリアの本質
 リラ・プレカリアの働きの基礎には、神様の恵みと無条件の愛があります。宗教、国籍、年齢、社会的地位などに関係なく、すべての人は神様に等しく愛されています。リラ・プレカリアの目的は一つです。一人ひとりの尊厳を認め、一人ひとりが神様にとってどれだけすばらしい存在であるかを伝えることです。
リラ・プレカリアの奉仕者は、病院、ホスピス、高齢者施設、あるいは患者さんのご自宅へ伺い、ベッドサイドで病床にある方を中心として、ハープと歌を用いて「生きた祈り」をお届けします。「あなたは大切な人です。あなたの人生には無限の価値があります」と、ハープと歌で祈ることの中に、癒しを生み出すことを願っています。そして、神様の神秘的な愛の業の中に、私たちの奉仕の結果をゆだねます。
 このようにリラ・プレカリアは、いわゆる音楽療法ではなく、ハープ・セラピーとも異なっています。リラ・プレカリアは、一つの祈りの方法です。

リラ・プレカリアの基礎
リラ・プレカリア研修講座の基礎はキリスト教にあり、特に旧約聖書の詩編を基盤とした人理解、祈り、音楽の要素から成り立っています。
当講座はキリスト教の考えのもとで行われますが、キリスト教になじみがなく、またキリスト教以外の信仰をお持ちでも、リラ・プレカリアの働きに関心があればこの研修講座に申し込むことができます。多様な宗教から、お互いに多くを学びあうことができると考えています。

受講申し込み資格
リラ・プレカリア研修講座の受講を希望される方は、ハープや声楽の経験者である必要はありません。すでに音楽の技術や知識があることは役に立ちますが、リラ・プレカリア研修講座では、これまでとは違う、音楽の新しいあり方を学びます。
この研修講座は、講師が研修生一人ひとりを充分に指導できるように、受講生を最大十数名に限定します。受講を希望される方は、2年間の研修に専心する決意と、毎日3時間以上の自習(ハープ・歌・自分の心と向き合う学び)を最優先させる努力が要求されます。それが不可能な場合は、残念ながらこの研修講座へのお申し込みはお受けできません。

受講料
 2年間の受講料は入学金10万円と18万円×5学期(合計100万円)です。入学金は開講時に申し受けます。受講料は学期ごとに前払いしていただきます。入学金は中途解約による返金はいたしませんが、受講料につきましては、特別な場合につきましてはご相談に応じます。
JELAミッション・センターに、受講のためのハープ(レバーハープ)を用意していますが、受講生は、自宅での練習と研修修了後の奉仕のためにご自分のハープ(34弦以上のレバーハープ)をご準備して頂く必要があります。価格はおよそ40万円からです。
研修中、講師が補修の必要を認めた場合の追加レッスン料は、別途自己負担となります。その他、教材費、研修地あるいは実習地への交通費は、受講生の負担となります。


リラ・プレカリア研修講座スケジュール
1学期(20164月-7月)
月曜日(午前)
木曜日(午後)
月曜日土曜日(毎日3時間以上)
カウンセリング講座受講
(ルーテル学院大学@三鷹)
ハープ+歌のレッスン
(JELA@恵比寿)
自宅での自己訓練

2学期(20169月-12月)
月曜日(終日)
木曜日(終日)
月曜日~土曜日(毎日3時間以上)
カウンセリング講座受講
シェアリング
(ルーテル学院大学@三鷹)
講義
ハープ+歌のレッスン
(JELA@恵比寿)
自宅での自己訓練
3学期(20171月-3)
月曜日(終日)
木曜日(終日)
月曜日~土曜日(毎日3時間以上)
カウンセリング講座受講
シェアリング
(ルーテル学院大学@三鷹)
講義
ハープ+歌のレッスン
(JELA@恵比寿)
自宅での自己訓練
4学期(20174月-7)
月曜日(終日)
木曜日(終日)
月曜日~土曜日(毎日3時間以上)
詩編講座
シェアリング
(ルーテル学院大学@三鷹)
講義
ハープ+歌のレッスン
(JELA@恵比寿)
自宅での自己訓練
5学期(20179月-20183)
月曜日
(午後)
水曜日
(終日)
木曜日
(午後)
月曜日~土曜日
(毎日3時間以上)
実習

講義
シェアリング
(ルーテル学院大学@三鷹)
ハープ+歌のレッスン
(JELA@恵比寿)
自宅での自己訓練
上記のスケジュールにつきましては、変更になる可能性があります。
上記の他に、「聖グレゴリオの家」での特別講習やエニヤグラム初級コース、サダナ入門等があります。
2学期から始まる「シェアリング」とは、詩編や祈り、また課題本について分かち合う授業のことです。
英語の授業の場合は、日本語通訳がつきます。


【応募書類】

【関連リンク】

2015/12/22

【ブラジル子ども支援】AMILUだより


サンパウロ教会の徳弘浩隆牧師より、現地の音楽ミニストリー(AMILU)について以下のメッセージが届きました。

                    ◇◆◇

Feliz Natal! (Merry Christmas!

ブラジル・サンパウロでは35度を超える暑さの夏のクリスマスをお祝いしました。

クリスマスは、Melo先生の指導するAMILUや教会聖歌隊の活躍の場でもあります。1122日のアドベントフェスタでは聖歌隊の賛美とAMILUのアンドレイアちゃんに演奏をしてもらいました。初期のころからの教会員がしみじみとうれしそうにつぶやきました。「50年の教会の歴史で、初めて聖歌隊が賛美するアドベントを迎えることができました。うれしいですねぇ」と。
聖歌隊を指揮するMelo牧師
クリスマスの礼拝はバイオリンとピアノの前奏で始まり、アンドレイアのリコーダー、そして聖歌隊の賛美もあり、みんなで楽しいクリスマスを祝いました。礼拝後の祝会では、Melo牧師と私(徳弘牧師)のリコーダーアンサンブルの披露にみんな大喜び。私は少し間違えましたけれどね。というのも、毎週水曜日に聞こえるAMILUの子どもたちのリコーダーの練習を聞きながら、「自分も小学生のころやったなぁ」となつかしくなり、45年ぶりにリコーダーを買って、吹いてみたのです。すると、イメージした讃美歌の曲を、自動的に指が動いてふけるではありませんか! 子供のころ、教えられたことは、指が覚えているものなんですね。我ながら驚きました。そして、子どものころの教育やしつけの大切さを、わが身をもって実感させられました。「三つ子の魂百まで」といいますが、「9歳のたましい54まで」というところですね。クリスマスのメッセージでそんな話もしながら、祝会の時に牧師二人で合奏をして、間違えもしましたが、拍手喝采をいただいたのです。
子どものバイオリン演奏
徳弘牧師とMelo牧師によるレコーダーアンサンブル
今、練習しているAMILUの子どもたちも、大人になって、「ああ、子どものころルーテル教会で教えてもらったリコーダーや音楽、合唱に、聖書の言葉が、とても大切だったんだなぁ。いまでも覚えているし、役に立ってるんだなぁ」と感じる日が来てほしいと思います。
AMILUプロジェクトに参加した子どもたち
AMILUを応援してくださる皆さま、ありがとうございます。地道ですが、ブラジルの貧しい地区の子供たちの将来を、一緒に創っていきましょう。(徳弘浩隆)

サンパウロ教会の皆さん
    

キリスト教メディアで取り上げられたJELAの「川柳ひろば」

2014年の春(「JELA NEWS33号P8」)から募集を開始したJELAの「川柳ひろば」が、この冬、複数のキリスト教メディアに取り上げられました。

「キリスト新聞」(2015年12月25日クリスマス号P13)
「クリスチャントゥディ」(2015年12月3日19時30分配信)
「カトリック新聞」(2016年1月3日P5)

掲載のきっかけは、キリスト教福音宣教団体ハーベスト・タイム・ミニストリーズの中川健一代表が、「川柳ひろば」へ投句し、入選したことで「ハーベスト・聖書かるた」が誕生したことによります。掲載の経緯の詳細は、上記の記事をご覧いただければと思います。

年末年始、ご家族で五・七・五の川柳を考えてみませんか?


◆「川柳ひろば」の投稿先:
   日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
   住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26 
   FAX:03-3447-1523
   E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。

【関連リンク】

2015/12/21

クリスマスを前にして(本のはなし)

JELA事務局長の森川博己です。この一年、支援者の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございます。以下に何冊かの本について個人的な思いを記します。お読みいただければ幸いです。


ここ数年、12月が近づくと、その年に読んだ本の中で印象深くて読みやすいと思われる一冊を選んでまとめ買い(最近の流行語では「爆買い」)し、知人・友人にプレゼントしています。

2014年では『赤毛のアンの幸せになる言葉~人生が輝く生き方~』(松本侑子著、主婦と生活社)が心に響きました。アンの世界に私の心を啓いてくれた一冊です。著者が訳した『赤毛のアン』(集英社文庫)にも目を通したところ、そこには市井の人々の滋味深い日常と型破りな少女アンの心の成長が瑞々しい筆致でつづられていました。

宮本輝さんは私の大好きな作家の一人です。彼は毎年、同じ三冊の本を読み返すらしいのですが、その中の一冊がなんと『赤毛のアン』全10巻(村岡花子訳、新潮文庫)だそうで、嬉しくもあり納得させられる事実です。

さて、今年爆買いした本は、『祈るように生きる~マザー・テレサと共に~』(片柳弘史著、ドン・ボスコ社)です。170頁足らずと薄いのに中身の濃いこと。「聞く・話す・見る・ほほ笑む・泣く・呼吸する・食べる・歩く・着る・持つ・掃除する・育てる・働く・休む」という十四の所作を祈りとの関連でとらえ、わかりやすい例を示しつつやさしい表現で書かれています。ラジオで放送された内容を下敷きにしてあるのが読みやすい理由かもしれません、

著者は四十代のカトリック司祭。1994~95年にコルカタのマザー・テレサのもとで奉仕活動をしています。祈りを日常生活にどのように活かすか悩んでおられる方には最適の一冊のような気がします。

たとえば「聞く」という章では、「ドアを閉める音、あなたを必要としている誰か、鳥たちのさえずり、美しい花々、野山の動物たちを通してさえ、神は私たちに語りかけています。」というマザーの言葉を引用した後、著書は次のように筆を進めます。

― 夜、部屋で静かに読書しているときに、どこかから「バタン」とドアを荒々しく閉
める音が聞こえたとき、わたしたちはどう思うでしょうか。もしかすると、「うるさいな」
と思って腹が立つかもしれません。そう感じるとき、ドアの音はわたしたちにとって、
静かな憩いのひとときを破る邪魔な音でしかないでしょう。
しかし、そのドアの音からわたしたちは別の響きを感じ取ることもできます。もしかす
ると、くたくたに疲れて帰ってきたお父さんが、うっかり大きな音を立てたのかもしれ
ません。何か嫌な思いをした子どもが、腹立ちまぎれにドアを閉めたのかもしれません。
そうだとすれば、そのドアの音は確かなイメージです。誰かが、わたしたちに助けを求
めているのです。その音がわたしたちの耳に届いたのは、神がわたしたちを呼んでいる
しるしなのです。すぐその場に駆けつけることはできなかったとしても、そのドアを閉
めた誰かのために祈ることはできるでしょう。(後略)


長々と書いてしまいました。お読みくださりありがとうございます。

お一人お一人のクリスマスが、神様の祝福に満ちた豊かなときでありますように!

JELA事務局長
森川博己




2015/12/18

【宣教師支援】キリストとの交わり~言葉を超えるもの

クリスマスを間近にひかえ、短期宣教師として九州学院で教えておられるディーン・ホルツさんからメッセージが届きました。ディーンさんは2014年の秋に来日しました。九州学院での英語教師としての任務は20173月までです。

◇◆◇

昔から言葉に強い関心を持っているものの、私の今の日本語力は限られています。熊本での2年間の任務を終える時までに、ちょっとした日本語が使えるレベルになりたいものです。決まった表現を口にしたり簡単な質問をしたりするのは大丈夫なのですが、日本人の言うことが100%わかると言うにはほど遠いです。

ディーン・ホルツさん(中央)と大江教会の信徒の方たち
日本語で話しかけられてわからないとき私は、車の前に飛び出だして驚いた鹿のような目をしてしまいます。相手の言っていることがわかったりわからなかったりの毎日が過ぎていきます。レジの店員に「袋にいれますか?」と聞かれたら、「フクロ イチマイ オネガイシマース」としっかり答えるものの、確信があって言っているわけではありません。

 こんな私ですが、一週間に一日だけ日本語がよくわかる日があります。その日には私の言葉を目の前の日本人がわかるし、私も相手の言葉が理解できるのです。それは日曜日です。ルーテル大江教会で、裂いたパンを手に持ち、信徒一人ひとりに「これはキリストのからだです」と私が語る瞬間です。信徒のかたが手を差し出して、キリストのからだであるパンをつつしんで受け取ります。そして「アーメン」と言います。たいした会話に見えないかもしれませんが、私には何にもまして心地よく、充実したひとときです。

聖餐式の様子
 「バベルの塔」のような世界に生きている私たちにとって、このイエス・キリストとの交わりの時間は、イエス様を中心に置いた人々との一体感を味わい、互いを理解し受け入れる瞬間です。この特別の機会のなかで、私は人々に理解され、私も目の前の人を理解できるのです。私の迷い、不安、あるいは自分で作りあげた恐怖感がどこかに行ってしまい、キリストが私と日本の人々との間の素晴らしい翻訳者、仲介者となってくださいます。主が語られる言葉、裂かれて受け取られるそのからだは、私たち人間が互いに理解し、確かさを味わい、認め合い、そして何よりも大切な、赦しそのものを与えてくださるのです。
 週の最初の日を、このようにキリストと共に始めることができるのは、なんという祝福でしょう。人々の間の翻訳と仲介をキリストがしてくださる限り、問題は存在しないのです。
◆◇◆





【関連リンク】

2015/12/17

各国のコイン・切手のご寄付いただきました

宮城県のI様から日本切手に加えてブラジルその他の世界の国のコイン・切手のご寄付いただきました。 ありがとうございます。

皆様からお送りいただいた未使用の切手・ハガキ(ハガキは書き損じも可)は、有効利用させていただきます。

少量でも古いものでも結構です。ご協力をお願いいたします。

送り先:日本福音ルーテル社団(JELA)ハガキ・切手係
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-20-26
TEL:03-3447-1521

【関連リンク】
日本福音ルーテル社団(JELA)

2015/12/15

【世界の子ども支援チャリティコンサート2016】演奏者のご紹介(真野謡子さん)

来年の57日から612日まで全国七つの日本福音ルーテル教会を会場に開催予定のJELA世界の子ども支援チャリティコンサートの演奏者お二人(どちらも初登場)のうち、ヴァイオリンの真野謡子さんを、ご本人からのメッセージとともにご紹介いたします。

◇◆◇

〜チャリティコンサートに寄せて〜

初めまして。ヴァイオリンの真野謡子です。
このたびは、「世界の子ども支援チャリティコンサート」にて演奏できますこと、大変うれしく思います。音楽の力で何か社会に貢献できないか、と考えていたとき、この活動を知りました。世界の子どもたちに平和と笑顔が増えたら、と微力ながらも、この活動を通じ協力できたらと願っています。故郷山口の宇部教会を含む、国内7カ所の教会にて多くの皆様と、音楽を通じて心あたたまる素敵な時間を共有できたら幸いです。
今回のプログラムは、ヴァイオリンとピアノで奏でる、「歌」と「踊り」をテーマにした、珠玉の名曲をお届けします。ピアニストの前田さんとは、同郷ということもあり、幼い頃から、お名前だけは聞いたことがあったのですが、今回、こうしてご一緒できることになり、ご縁を感じます。皆様と会場にてお目にかかれることを、楽しみにしております。

プロフィール
真野謡子(まの ようこ)
山口県出身。
オランダ・デンハーグ王立音楽院卒業。Netherlands String Quartet Academy, ロッテルダム音楽院にて、さらに研鑽を積む。
オーケストラメンバーとして、ヴェルビエ音楽祭ルツェルン音楽祭アカデミー、 オードバラ音楽祭、パシフィック・ミュージック・フェスティバル小澤征爾音楽塾に参加。
2010年春には、パレスチナ・ラマッラにて、バレンボイムサイード財団の教育プロジェクトに携わり、オーケストラワークショップ等にて指導。
スペイン・バレンシア州立歌劇場オーケストラ、新日本フィルハーモニー交響楽団、Malaysian Philharmonic Orchestraのフリーランス奏者として、演奏。
現在、欧州、アジア、日本において、ソロ・室内楽・オーケストラで幅広く活動中。
これまでに、光永俊彦、佐久間礼子、Theodora Geraets, Ilona Sie Dhian Ho, Gordan Nikolicの各氏に師事。室内楽を安永徹、市野あゆみの両氏に師事、研鑽を続けている。
また、Mauricio Fuks, Zakhar Bron, Ana Chumachencoの各氏のマスタークラスを受ける。

2015/12/14

【宣教師支援】 英語教授法講座 聴講レポート

先日のブログ記事で、中高生や成人に英語を教えながら日本福音ルーテル教会のために奉仕する短期宣教師(J3)のためのESL(英語教授法)講座をJELAが今年から強化したことをお伝えしました。

いったいどんなことを習っているのか、JELA職員の下川正人が129日の授業を体験しましたので、以下にそのエッセンスをご紹介します。

◇◆◇

この日のテーマは「リスニング&スピーキング」。英語で話すとなると口が重くなり、人前で話すことは特に苦手、という日本人が多いです。講師のジャン・プレゲンズ先生(ルーテル学院大学教授)は、そういう人たちに対して英語の口頭コミュニケーションスキルをいかに効果的に教えるか、ということに焦点を置いた授業を行いました。

<一般的注意点>
はじめに、日本人にとって英語での「聞く・話す」を難しくしている要因など、教授上の注意点が概説されました。例えば、単語や文の中で強勢(ストレス)を置く場所や、日本語には少ない子音の連結、「going to」→「gonna」のような発音上の省略などについてです。これらは、英語のネイティブスピーカーであれば普段はまったく意識しないことですが、日本人対象のクラスでは教師自身が意識して教える必要があります。

<楽しく学ばせる工夫>
続いて行われたのが、英語の授業で有用なアクティビティ(活動)の紹介。語学は、ともすると単調でつまらないものになりがちですが、ゲームなどのアクティビティを取り入れることで一気に生徒の関心を惹きつけることができます。

私たちが実際に試したのは「Catch my finger」(指つかみ)というゲームです。シンプルな遊びですが、ちょっとしたスリルがあって、大人どうしでも盛り上がってしまいました。キーワードがいつ登場するかと緊張しながら文章を聞くため、自然と集中力の高まった状態で英語に耳を傾けることになり、効果的にしかも楽しみながらリスニングの練習をすることができます。このような、自然に英語を身に着けさせるテクニックは、教室で大いに役立つことでしょう。
授業風景
<英語で上手に発表するためのコツ>
後半では、口頭プレゼンテーションを教える際のコツや、話の組み立て方について学びました。母語であっても人前で何かを発表するのは緊張することですが、ツボを抑えて正しく準備すれば、落ち着いて効果的なプレゼンができるのです。

例えばプレゼンの冒頭には「つかみ」を入れます。興味深い物語や驚きを誘うような統計を紹介したり、何らかの問いを投げかけたりして、聴衆をプレゼンに引き込むのです。話題が変わるときには、つなぎ目を明確にして、聞き手が発表の論理的な流れを追いやすいようにすることも重要です。

発表者としての心の持ち方にもポイントがあるとおっしゃっていました。緊張しすぎると、聴衆がまるで敵のように思えて心細く感じがちですが、「自分に失敗してほしいと思っている人はいない、みんなこの発表が成功するようにと思っている」と考えることで、のびのびと話をすることができるのです。聴衆を味方につけることを意識することが大事だということです。

以上の知識は、日本語で何かを発表した経験も少ないであろう中学生・高校生にとってはもちろん有益ですし、大人になってからも活かし続けることができるものですから、それをESLの先生から英語の時間に学べるのはとても有意義なことに思えます。

JELAがJ3に提供する、英語の教え方についてのこのようなサポートが、お二人がこれから赴く教育現場で十二分に発揮されるように期待しています。(下川正人)


◆◇◆

【関連リンク】

2015/12/10

【宗教改革500年】全国統一の「ルター・バナー」を掲示しました

JELAミッションセンターの外壁に、「宗教改革500年ルター・バナー」を本日掲示しました。前の歩道は人通りが多く、設置作業のあいだ、人々は足を止めて見入っていました。

大きさはタテ3m以上、ヨコ1m50㎝の大型サイズです。恵比寿の新名所になるのではないかと期待しています。
写真:バナーの横に立つのはJELAの森川博己事務局長。
バナー中のルターの顔は、ルターの故郷ドイツの宗教改革500年キャンペーンで使用されているものです。日本版のバナー作成者は日本福音ルーテル教会(JELC)。宗教改革500周年にあたる2017年までに、ルター(ルーテル)関係の全国の教会や学校、社会福祉施設などに順次掲示されていきます。

「希望は強い勇気であり、新たな意志である」
(JR電車内のモニター画面に流れたルターの言葉)

【関連リンク】