2016年1月26日火曜日

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】吉永小百合さんの朗読とパストラル・ハープ

映画『母と暮らせば』の公開を記念して、長崎市のブリックホール大ホールで「吉永小百合 長崎朗読会~語り継ぐ祈り」が121日に行われました。吉永さんの原爆詩朗読の伴奏をつとめたのはリラ・プレカリアのキャロル・サック宣教師。パストラル・ハープの音色が吉永さんの声ととけあい、文字通り、祈りのひとときになりました。

朗読会出演依頼の話を耳にして以降、リハーサルと本番の過程でキャロルさんが何を考えたか綴ってくださいました。全文は長いので4月発行のジェラニュースに掲載することにして、ここでは、そのエッセンスのみを以下にご紹介いたします。

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リハーサルで吉永さんがお読みになった最初の詩に、私はグレゴリオ聖歌「神の子羊」を使いました。悔い改めの祈りの歌です。演奏後に吉永さんとスタッフの方々に、「この曲がいいと思いました。それは、自分はアメリカ人なので、自分の国が日本に原爆を落としたことを心から申し訳なく感じているからです」と申しました。それを聞いたスタッフのある方は、私と同じように目に涙を浮かべていらっしゃいました。

私たち誰もが戦争とその暴力の犠牲者です。簡単に破壊に走ろうとする人間の邪悪な本性について、神の前で私たちみんなが互いにゆるしを請うべきなのです。原爆を落とした国、アメリカ出身の私を、日本人の方々が今回の朗読会の伴奏者に指名してくださったという事実に、改めて驚きを覚えました。私は吉永さんが朗読なさる被爆者の詩に込められた祈りの重みを感じ、ハープの音色とともにそれが少しでも聴衆の皆さんに伝えられればと願いました。

会場でのリハーサル風景
朗読会当日、舞台の袖では緊張が激しく落ち着かなかったのですが、不思議にも、舞台に向かう直前に大きな平安が与えられました。心臓の高鳴りはやみ、呼吸も普段どおりになり、舞台では喜びのうちに伴奏をこなしていました。演奏しながら心の中で、これは真に祈りのとき、平和への祈り、人間のやさしさへの祈り、寛大さと親切への祈り、という思いを感じていました。

朗読会を終えて舞台を後にするとき、吉永さんは私の手をとり、一緒に袖まで歩いてくださいました。そして、観客に見えないところで、吉永さんと私は強く抱き合いました。私は彼女に言いました。「きょうの会は、祈りそのものでしたね。始めから終わりまで」。そして二人はもう一度、互いに抱きしめあったのでした。

(キャロル・サック)
※原文は英語。日本語訳=森川博己

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