2016年5月10日火曜日

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】私の実習体験<その二>

中島望さんの実習体験の2回目です。他の回は以下からご覧になれます。
<その一> →「与えるよりも与えられる奉仕」
<その三> →「音楽による祈り」

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元暴力団員の患者さん
中島 望

実習日の最終日、私は、あるホスピスで奉仕しました。何度も訪問して、他の実習生の奉仕を見てきました。私が最後に奉仕させていただいた方は、私たち生徒全員が最低1回は奉仕させていだいた方で、昔、暴力団に入っていて悪いことをたくさんしていた方でした。

中島さん(前列右から2人目)と5期生ら
他の実習生を見学していた時も、私たちが部屋に入ると「はい、ど―ぞ」と気のない感じで、電気を自分で消されて、足や手を組んで聞く方でした。奉仕している間も目をあけたり、足や手を組み直したり、あくびをされたり、落ち着かない方でした。

私は、今まで学んだことを思い出して、とにかく神様を信頼して、自分がどうだったかなどの評価を気にせず、神様にすべてを委ねてみました。ただただ神様と、患者さんであるその方の呼吸に集中しました。そうすると、2曲目の途中から、目を閉じられて、しばらくしたら寝息が聞こえてきたのです。そのまま20分ほど演奏して、静かに奉仕を終えました。

すると、目をパッと開けられて、「アンコール!」と言われたのです。私は、びっくりして、キャロル先生に「どうしましょう?」といった顔をしたら、先生はうなずかれたので、私は、「もう、1曲ぐらい弾かせていただいてもいいですか?」と聞くと、また目を閉じられました。

奉仕が終わって挨拶すると、目を開かれてこう言われました。「中島さん。大丈夫だよ。奉仕できるよ」。この方が他の実習生の名前を呼んだことを聞いたことがなかったですし、先生や受講生は、私を下の名前で呼ぶので、まさか奉仕前に挨拶したときの苗字を覚えていてくれたなんてと驚きました。

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