2016年8月5日金曜日

【リラ・プレカリア活動報告】本物の祈りが湧き出てくる体験

リラ・プレカリア(祈りのたて琴)第5期修了生の中島望さんが、7月から病院で奉仕活動を開始しました。活動報告を寄せていただきましたのでご紹介します。

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7月末、ホスピスでは四人の患者さんに奉仕ができました。その日の最後に神様が私に与えてくださった方は、私が病室に入ると、もがき苦しむような呼吸をしていて、意識が朦朧としてお話しできない状態で、何もしてあげられないその状況を、ご家族もただただ見守っていました。

患者さんのもがき苦しむような呼吸から、私は苦しみと痛みを強烈に感じて、実習も含めて初めて、叫んで神様に懇願するような「本物の祈り」が自分の中から湧き出てくるのを体験しました。そして自然に曲が降りてきました。最初の数本の弦を弾いただけで、患者さんがハープの音に反応しているのがわかりました。
リラ・プレカリア第5期生、中島望さん(前列右から2人目)

弾き続けていると、あまりに強い苦しみからか全身に力の入っていた患者さんから、徐々に力が抜けていき、苦しいながらも呼吸が規則的に、そして穏やかになっていったのを、私だけでなく病室にいたご家族三人も目の当たりにしました。

この呼吸の大きな変化と、私がハープの弦も見ず患者さんである母親の体の一点を見つめていることに関係があるのか不思議に思われた息子さんは、しばらく私を観察されていました。

30分間の奉仕を終えると、患者さんの呼吸は規則的で安定し、苦しさを感じさせない穏やかなものに変化していました。ここまで劇的な変化を見たのは初めてでした。奉仕を終えて静かにハープを置くと、息子さんのお嫁さんが「呼吸……最初と変わりましたね……」とおっしゃいました。息子さんの一人も「ホントだな……」と言い、もう一人の息子さんは、「俺、寝ちゃったよ」と言われました。

「○○さん、聞いてくださって本当にありがとうございます」と声をかけると患者さんは瞬きをされて、私がその場にいることをはっきり認識されていました。私はお辞儀をして部屋を出ました。

廊下でカルテにその日の奉仕中の患者さんの変化の記録を書き始めて数分後です。看護師さんが私のそばに近より、「今、奉仕していただいた患者さん、亡くなられました」と言われました。そんなに臨終が近かったと聞かされていなかったので驚いた半面、だから、本物の「祈りの音楽」を自分も体験したのかもしれない、と私は感じました。

その5分後に、ご家族が見えて、「今、亡くなりました。最後に素晴らしい音楽を本当にありがとう」と声をかけてくださいました。この時に初めて、マザーテレサの次の言葉の意味が理解できました。

大切なことは、
どれだけたくさんのことや偉大なことをしたかではなく、
どれだけ心をこめてしたかです。

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