2018/08/14

【米国ワークキャンプ2018】参加者レポート6(玉置 千紘)

JELAは毎年夏、アメリカの青少年向けキャンプ「グループ・ワークキャンプ」に、日本から若者を派遣しています。



参加者の感想文を掲載します。


◇◆◇

玉置 千紘・16歳(東京都) 
 
このワークキャンプで私は、高い言語の壁を知ると同時に、神様についてもっと深く考え、もっと身近に感じることができました。

私は今回、今までの人生で初めて、周りに誰も日本語を少しでもわかる人がいない状況に置かれました。他のクルー(*家屋修繕作業を一緒にする仲間)はgoogle翻訳を使ってくれたところもあったと聞きましたが、私のクルーは、ワーク中は携帯を見ずに同じクルーの人と親交を深めよう、というルールをきちんと守っていて、翻訳は使えませんでした。

ワーク初日は、何かを取ってほしいと頼まれてもその何かがわからず、わざわざ作業を止めて説明してもらったことが何度もありました。これやる? と聞かれたときにその機械を使うのが初めてで怖かったのと、嬉しかったけれどみんなの作業の邪魔になっているようで申し訳なさや不甲斐なさを感じ、やらないと言ってしまって、そこから仕事を手伝いづらくなって、みんなとのコミュニケーションもあまりできないまま終わってしまいました。

夜、プログラムのためにジムに行ったら、スクリーンにその日のテーマが大きく書いてありました。“COURAGE”(*勇気)。今の自分の状況にぴったりでした。どうにかしてみんなに、私がもっと働きたいしもっとみんなとコミュニケーションをとりたいということを伝えたいと思ったけれど、手段がわかりませんでした。そうしたら、プログラム中に、同じクルーのみんなにケアカードを書いて手渡すことになりました。これだ! と思い、みんなのケアカードの最後にその内容を書いて渡しました。

次の日からはだんだんとコミュニケーションもできるようになって、みんなのジョークにも一緒になって笑えるようになりました。不思議なことに、毎日のテーマが、その日の私の反省点にぴったりでした。神様がこれらすべてを導いてくださっているのだと感じて、辛い時があっても不思議と心の奥底に安心感がありました。

夜のプログラムでは毎日毎日テーマについてゆっくり考えました。私はたまに神様に対してお祈りをするときに、こんな感情をもっていてはいけないと思って自分の心を偽りたくなる時があるけれど、特殊な環境にいたからこそ、驚くほど素直になれました。

私にとって印象に残った出来事がもう一つあります。ワーク二日目のお昼のデボーション(*聖書を介した分かち合い)でのことです。その日は私が初めにお祈りをしなければいけませんでした。英語で準備すれば、私が何を言っているのかクルーがわかっていいのかもしれないとも思いましたが、私は自分がその時にお祈りしたいと思ったことが一番神様に伝わるためには日本語でやるべきだと思い、日本語でやることにしました。クルーのみんなはとても喜んでくれました。ありがとうと言って笑いかけてくれた時は、泣きそうになるほど心が温まりました。


その日の夜のプログラムで、その日印象に残った出来事を全員の前で話す時間に私のクルーの男の子は、私の日本語でのお祈りが嬉しかったと話してくれました。それを聞いて嬉しかったし、私のお祈りが神様にきちんと届いた気がして、神様を今までにないくらい身近に感じることができました。

キャンプでは辛いことも多かったけれど、その分多くの幸せも感じることができました。最後の日、一番お世話になったクルーリーダーが言ってくれた「言葉の通じない外国に来て自分も大変なのに、自分を後回しにして困っている他の人を助けられるあなたを尊敬しているし、あなたに会えたことで私はたくさん勇気をもらった」という言葉が忘れられません。このGRIT(*困難を乗り越える勇気。今回のキャンプのテーマ)をどんなときも忘れずに過ごし、またワークキャンプに参加したいです。

◆◇◆