2019/03/08

【インド・ワークキャンプ2019】参加者のレポート   (その3)

2月9日からインド・ワークキャンプに参加したメンバー13名が2月19日に無事帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

今回は三人目、家入大介(えいり・だいすけ)さんのレポートをご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。


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家入 大介

私がこのインドワークキャンプに参加したいと思ったのは去年の夏ごろでした。高校生まではサッカー一筋で生きてきた自分は、大学に入って以来、のめり込めるようなことを見つけ出すことができていませんでした。卒業後についても不透明で今のままでいいのかと悩んでいました。そんな時に出会ったのが今回のインドワークキャンプでした。何か一つでも、それが具体的には何なのか、将来と直結するのか自分でもわかりませんがこれからの人生において一つの糧となればいいなと思い参加を決意しました。
義足を整形する家入さん

インドでの生活を通して感じたことが二つあります。一つ目は人の温かさです。スラム街に行った際、自分はどこか不安な気持ちがありました。スリに会うのではないか、お金をせがまれたらどうしようかと考えていました。日本人なんて相手にされないと少し偏見を持っていました。しかし、実際に行ってみるとそんな考えが自分の大きな間違いということにすぐ気づかされました。確かに、スラム街は自分が暮らしているような環境とはかけ離れています。

しかしそこに住んでいる方達は自分と何ら変わりませんでした。むしろ、見ず知らずの私達に生活の一部を見せてくれたり、写真を撮ろうと話しかけてくれたりと、とても温かい人ばかりでした。自分だったら知らない人に家の中や生活の一部を見せるなんてしたくないし断るかもしれません。街に出てもチャイをサービスしてくれたり、結婚式に参加させてもらった時、自分たちを歓迎してくれたりと多くの方達が受け入れてくれました。そんな彼らに感謝の気持ちと、偏見の目を持っていたことに対しての反省の気持ちでいっぱいです。もちろん毎日私達のサポート、食事の準備から片付けまでしてくださったCRHP(※1)の方達にも感謝の気持ちでいます。
※1:CRHPComprehensive Rural Health Project/キャンプ地インドのマハラシュトラ州ジャムケッドにあるNGO団体施設
スラム街の子どもと一緒に幼稚園へ向かう家入さん
二つ目は自分の無力さを痛感しました。義足の贈呈式の時に初めて足をなくした方達と接しました。彼らは多くが事故で足をなくしています。インドについてから交通量と交通の整備が伴っていないと感じていました。確かに私たちは義足を作ることで足をなくした方達の役に立ったのかもしれません。それでも今もなお義足が必要な方達はいるわけであの手作業では到底需要には追い付くことができないのではないかと感じました。また、スラムに行った際、どうやったら彼らの生活水準は向上するのか、なぜ彼らはスラム街というところに住んでいるのかなど考えました。しかし考えた末、結論はどれも自分では解決することができないばかりで悔しい思いです。
贈呈式で新しい義足のフィッティングを行う家入さん(右手前)
今回のインドワークキャンプで多くの経験をすることができました。日本では考えないようなことも考え悩みました。当初の目的である「人生の糧にする」が達成できたのか、「何か」をつかむことができたのかわかりませんが、ただ一つ言えることはこのワークキャンプに参加して良かったということです。これから就活も始まるので今回で学んだことが少しでも生かすことができたら行った意味が分かりそうです。貴重な体験ありがとうございました。


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