最近ご本人からいただいたレポートを、「刑務所でのパストラル・ハープ」と題して三回に分けて掲載します。以下は、その第一回です。
◇◆◇
私と夫のジムは、ある刑務所を毎月一回訪れ、受刑者の方々の話に耳を傾ける仕事をしています。普通は一対一でお話を伺うのですが、今までに二回、性犯罪者の社会復帰のために行われている集まりでハープを演奏するよう頼まれたことがあります。
刑務所の中はどこもかしこも殺伐としていますが、この社会復帰プログラムそのものには感心します。メンバーは四、五人の同じ男性で構成されていて、90分のミーティングを70回行うというものです。
彼らのような社会的反逆者に、祈りをこめて歌とハープ演奏を届けることに批判的な方もいました。しかし私はこう考えています。こういった罪を犯す人々は、自分の存在そのものに大きな精神的な傷を受け、自己の尊厳を無残に破壊された経験があるために、社会に害を及ぼすに至ったのだ、と。
もし、心の中心に空いた穴(傷口)が埋められるなら、暴力を犯そうとする気質が影響を受け、癒されて普通の状態になるのではないでしょうか。無邪気で単純な考えかもしれませんが、真実は神様だけがご存知なのですし、試してみることで失うものは何もありません。私は喜んで刑務所のお誘いを受けることにしました。
キャロル・サック
◆◇◆