今回はその3回目です。
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関西学院大学人間福祉学部・人間科学科の、死生学がご専門の藤井美和先生のゼミでは、3・4年生に大学院生も加わり20人ほどの受講者が参加されました。1対1の呼吸に合わせた奉仕ではありませんでしたが、大教室ではなく小さな空間で少人数にパストラル・ハープをお届けできたこともあって、音楽による祈りが深いところまで届いた気がしました。
教室で半円形になって座っている皆さんの真ん中で、音楽を奏で始めると、そっとハンカチを取り出して両手で目に押し当てながら聴いておられる方もおられました。パストラル・ハープを体験したホームレスの方から届いた手紙を朗読すると、さらに何人かの方々が目を赤くして涙を滲ませておられました。
ゼミの皆さんはそれぞれ、これまでの歩みの中で人という存在に深い関心を寄せてこられました。虐待を受けた子どもを預かる養護施設など福祉の現場で、対人援助に実際に取り組んでいる方もおられるとのこと。人間が身体的・社会的な存在であるだけでなくスピリチュアルな存在であるということを改めて体感する機会になったのではないか、と授業の最後でおっしゃった藤井先生の言葉が心に響きました。
終了チャイムが鳴った後もハープに実際に触っていただいたりして、なかなかお話が尽きることはありませんでした。
今回、大学の若い世代との交流を通してわかったことは、リラ・プレカリアのセミナーが「いのち」や「生と死」、自らの生き方を振り返る糸口になったり、キリスト教的死生観を通してスピリチュアルな人間の存在への気づきと洞察につながるのではないかということ、つまり、≪Death Education(死の教育)≫ ≪Life Education(いのちの教育)≫≪Faith Education(信仰の教育)≫の意味をも持ちうるのではないかということです。そして、パストラル・ハープを通して「目の前にいるお一人お一人に『あなたはそのままで価値のある大切な存在ですよ』と伝えること」は、終末期にある人だけではなく、宗教や信条を問わず、すべての人にとって大切な祈りなのだと改めて思いました。
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・同行記① → 関西学院大学チャペル・アワーにて
・同行記② → 関西学院大学商学部キリスト教学クラスにて
・同行記③ → 関西学院大学人間福祉学部のゼミにて
・同行記④ → 神戸ユニオン教会の婦人会にて
・同行記⑤ → 神戸イエス団教団(賀川記念館)にて
・同行記⑥ → 同志社大学チャペルコンサートにて
※リラ・プレカリア(祈りのたて琴)研修講座とは、ハープと歌の祈りを届ける奉仕者を養成する講座です。
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