2017/01/10

【宣教師支援】 授業の合間のささやかな楽しみ

2014年秋に来日し、熊本のルーテル教会での奉仕のかたわら、2015年4月からルーテル学院中学・高等学校で英語を教えてきたザック・コービンさんが、2年間の任務を終えて3月に米国に帰ります。日本滞在中の心に残る出来事について、以下のように綴ってくださいました(英語の原文をJELA事務局が和訳しました)。

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4月に熊本地震のあった2016年は、言葉では言い表せないほどの困難な年となりましたが、それでも、喜びの時、幸せを感じる時は絶えず与えられました。

ザックさん(左から2人目)と生徒たち
一週間の中で一番好きな時間のひとつが、授業の合間の休憩時間です。リラックスできるから、というわけではなく、クラス外で生徒たちと話すことができるからです。

私は教師であり、授業中は生徒たちに気軽に話しかけることができません。しかし、休憩時間や清掃時間中は、「元気?」とか「今度の週末は何するの?」とか「この前の休みはどうだった?」とか聞くことができます。

そういった会話をすると、お互いの言語を学び合う、いわば文化交流を行うことができます。私は英語と日本語をまぜこぜで話し、そして会話の中で出てきた表現から新しい英単語を教えます。また、生徒たちが私に日本語の単語を教えてくれることもあります。

私が清掃当番の人たちによく教える言葉は”multitask”(マルチタスク、複数のことを同時進行ですること)です。おしゃべりと掃除を同時にすることができない生徒には、この言葉を教えて、「マルチタスクしなさい!」と言うと、彼らは「はいはい」とやる気なさそうに笑いながらも、掃除の作業を始めるのです。

授業の合間の時間は、生徒たちのことを知ることのできる、とても好きな時間で、ほとんど毎日、その時間が一日の中で最も楽しい時間となります。ささやかなことですけれど、そういう喜びを忘れずにいたいと思います。小さな喜びが、実はとても大事だったり、悲しい人の心を晴れやかにしたりするのですから。

(ザック・コービン)

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