2024/04/11

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その6)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

 
参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、6回目の今回は菅井なるみさんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇

菅井なるみ

菅井さん
私は2024212日にインドの地に初めて降り立ち、そこから濃密だけど一瞬のように感じた10日間を過ごし、その中で私は沢山の刺激を受けて日本に帰国しました。その刺激をCRHPでのワーク、生活とディボーションの3つを通して紹介します。

 
1.キャンプでのワーク
CRHP滞在中に義足作りや村とスラム街の訪問、病院見学など様々な経験をさせていただきました。それらを通して痛感したのは自分の無力さで、それを義足作りで強く感じました。義足作りでは一枚のアルミから型を取り、成形するという作業を行いました。最初は思い通りに行かず苦戦しましたが、現地の職人からの指導によって徐々にコツをつかんで上手にできるようになりました。上手くできると現地の職人の方もニコッと笑ってくれて、言葉はわからなくても義足作りを通してコミュニケーションをすることができた気がしました。
 
そして義足の贈呈式では、実際に作成した義足を患者の方に手渡しをしました。贈呈後、一人の患者の方が代表で熱いスピーチをしてくださり、感謝してくださっていることが伝わりました。しかしこの贈呈式に対して申し訳なさを感じました。なぜなら義足作りは、それ自体素晴らしい経験ではありましたが、お手伝いをさせていただいている部分が大きいように感じたからです。義足作りに関してはそこに無力さを感じました。 

ですが、これは決してネガティブだけの感情ではありません。そもそも何の技能もない一端の学生が現地に来て何か貢献しようなど思い上がりかもしれません。だからこそ実際にCRHPやスラム街などに自らの足を運び、そこで自らの目で見て知ったという事実が重要だと思います。義足作りなどで感じた無力さは、それらを受け止めて次にどう繋げていこうかという前向きな気持ちにさせてくれた刺激でもありました。
義足作り作業に励む菅井さん

2.CRHPでの生活
CRHPには我々日本人キャンパーだけでなく、アメリカ、ベルギー、インド国内からのインターン生もいました。そのためCRHPはインターナショナルな空間で毎日愉快でした。ある日、インドのインターン生の主催でインドの遊び文化の体験と互いの国の歌や踊りを紹介し合う会がありました。全員でインド流の鬼ごっこをしたり、日本の踊りの紹介としてソーラン節を踊ったりしました。外国の方と互いの文化を通して繋がりあう、日常ではなかなかできない経験ができました。
 
こうした日々の中にも、非日常的な経験にとどまらない刺激がありました。それは言語です。もちろん言語の壁を越えて楽しむことができました。しかし、言われたことを理解できなかった時や他のキャンパーが外国人インターン生と会話している姿を見た時、自分ももっと英語を喋れたらなと感じることがありました。こうしたもどかしさのようなものが一つの刺激となって、会話するための語学を頑張ろうという気にさせてくれました。
施設のプレスクールで作業する菅井さん
 
3.ディボーション
ディボーションでは一日のおわりにワークの振り返りを含めてみんなで聖書の一部分を読み、それに対しての感想や自分視点に置き換えての考えを共有しました。ここでの経験は普段全くなじみがなく新鮮で、自分の価値観や考えを共有しあう貴重な経験でした。それと同時に聖書の言葉や他の人の考えを聞いて自分の行動や考えを見つめ直す刺激にもなりました。
 
まず聖書を読む時間は私にとって、気づきや生き方の指標を与えてくれる時間でした。一番印象に残ったのは貧しさについて書かれた箇所を読んだ際に聞いた、引率牧師の多田先生による「物的に富んでいる人は損得勘定で物事を判断する」という言葉でした。このように聖書を通して知らず内に自分の中で当たり前になっていたことに疑いの目を持ち、自らの行動や考えを見つめ直すことができました。
 
また聖書だけでなく、他のキャンパーとの考えの共有を通して自分を見つめ直すことができました。あるディボーションで「大人になることとは」という問いがありました。それに対して私は義務感のようなものを感じていましたが、ある人が「大人になろうとしなくてもいいのでは」という考えを共有してくれました。私はこれを聞いて自分が肩に力を入れすぎていることを自覚させられました。以上のようにディボーションという時間は私にとって聖書や他のキャンパーの言葉を通して内省させてくれる有意義な時間でした。 
菅井さんを含む参加者たちが分かち合うディボーションの様子

インドでのキャンプを通してたくさんの刺激を受けました。そしてキャンプを終えて、これからどう生きるか選択肢が広がったように感じています。少しでもこのインドワークキャンプに興味を持った方はぜひ参加してみてください。必ず何か感じるものや得られるものがあるはずです。

◆◇◆



【参加者募集中! JELAの海外ワークキャンプ】
・2024米国グループ・ワークキャンプ参加者募集(応募締切2024年4月末まで)
【関連リンク】