2025/09/22

【米国ワークキャンプ2025】参加者レポート2(池野 雅弥さん)

 JELAが主催する「アメリカ・ワークキャンプ」が7月下旬に米ペンシルベニア州で開催されました。このキャンプはアメリカの宣教団体Group Mission Tripsが、全米で展開している家屋修繕ボランティアキャンプにJELAチームとして参加し、現地の中高生とボランティアワークを行い、毎日聖書の御言葉に触れ神様のことを学ぶキャンプです。※今回のキャンプの様子を瞬時に取り上げたブログ記事も御覧ください。キャンプ初日の速報はこちら


今回は日本全国各地から16名の若者が集まり、ペンシルベニア州のスクラントン市で開催されたキャンプに参加しました。キャンプ終了後に参加者から寄せられた感想レポートを掲載して参りますので、ぜひご覧ください!

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道具箱

池野 雅弥(高校3年生

僕は正直言葉にするというのがうまくない、今でもそう思い続けている。昔から頭の中だけで考えたり、自分の声を心の内でとどめたりしているうちに、言葉にするということが難しくなった。どの言葉を選べばいいかわからなくなってしまう。言葉にしてみたとしても、本当に意味があっているのか不安になる。特に、自分自身はどんな人かという問いにはいつも立ち止まってしまう。僕には自分がどんな人かわからない。言葉にできない。すごく自分自身が迷子のような気分になる。いk

池野雅弥さん


そんな中キャンプ中に、友人の父親が急逝された。突然の知らせにとても困惑した。隣にいてあげることすらできない僕にできることは、言葉を紡ぐしかなった。僕ですら真っ白になったのに、友人が絶望にいないわけない、そう思って紡いだ。言葉を選ぶのに不安もあったし時間もかかった。けれども、僕が紡いだ言葉を母は人に寄り添う素敵な言葉だと言ってくれた。僕の言葉が人のこころに届いたと知って安心したし、僕自身あったかくなった。

クルーメンバーとお昼を共にする池野さん(右から2番目)


また別の日クルーメンバーでお互いの良いところを言い合うプログラムで、僕に対して紡いでくれた言葉はどれも僕がどんな人かを表す言葉だった。迷子の自分に手が差し伸べられた気がしてとてもすくわれたきがした。またその言葉に、純粋な意味以上のものを感じた。普段から僕を見てくれていたクルーメンバーが僕のことを考えて、僕のことを想って紡いでくれた。そこにも言葉のあたたかさを覚えた。自分が何とかして紡いだ言葉には言葉の意味以上に不安、祈りそういった想いがたくされている。それは逆もしかり。他の人が紡ぐ言葉にはその人の想いが乗っている。そして、言葉はこころの中のまだ言葉にできていない葛藤、悩み、楽しさそういったもやもやとした”コトバ”に働きかけてくれる。こんなにも素敵なものを神様は僕たちの道具箱に備えてくださっていた。

池野さん(左)、参加者仲間の永瀬さんと一息

うまく言葉にできない、自分の声が届かない、相手を理解したいのにできないことは、まるで呼吸できないかのようにしんどい。でもだからこそ、紡がれた言葉にはあたたかさがある。その人の想い、相手への想いが込められているから。そしてどんな人の言葉も大切にされるべき。神様が僕の母やクルーメンバーを通して伝えてくれたこと。この先、いろんな言葉とコトバに敏感になりたい。それは聖書を読むときにも同じだと思う。いろんな人にそしていつか自分に寄り添える言葉を紡ぎたい。