2月9日からインド・ワークキャンプに参加したメンバー13名が2月19日に無事帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。
今回の参加者レポートは、高尾楓花(たかお・ふうか)さんです。
このレポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。
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高尾楓花
市場の方と写真を撮る高尾さん(右) |
1つ目は、日本との生活の差である。インドから帰ってくると、自分の家は、清潔で、温かく、安心できる場所であった。その事実に、今まで気づけているようで、気づけていなかったのだと初めて分かった。インドのスラムからくるCRHP(※1)の職員の方は、「毎朝地獄から天国に来て、また地獄に帰らなければならない」と言っていると聞いた。この言葉は自分の中で深く印象に残っている。安心できる生活の場が提供されている自分と、インドのスラムで暮らす方を比べ、自分が何もできない無力感と、この暮らしを自分はなんの努力もなしに与えられている申し訳なさでやるせない気持ちになった。自分のできることは何なのかを考えると、寄付という形でしか支援することはできなかった。
※1:CRHP=Comprehensive Rural Health Projectキャンプ地のインドのマハラシュトラ州ジャムケッドにあるNGO団体施設
今回のキャンプで、日本以外の国で暮らす人々がいて、そこでは本当に貧しい中で生きている人がいるということを肌で感じることが出来た。将来、どこか遠くで苦しんでいる人に対して想像力を働かせ、寄付をできるような余裕と視野の広さと、他人を思う心を身に着けていこうと強く思った。
贈呈式で義足の装着を手伝う高尾さん |
スラムの子どもと一緒に幼稚園に向かう高尾さん |
しかし、日本に帰ると、小学生を虐待し、死にまで至らしめた父親と、それを防ぐことが出来ず子どもを守れなかった大人のニュースが世間をにぎわせていた。それを見て日本も同じ問題を抱えているのだと感じた。件数は違うであろうが、同じ思いをしている子どもが日本にもいる。スラムで目の前で残酷な事実を知り、スラムだけで起こるものだと勝手に決めつけていたが、日本も抱える問題であった。
将来は、子どもと関わる仕事を目指している。今回の経験を通して、より一層、つらい思いをしている子どもに寄り添い助けることのできる人間になりたいと強く思った。スラムの子どもに対して自分のできることはなかった。しかし、将来自分がかかわる子どもにはこのような悲しいことが起こらないように自分のできることをすべて注ぎたい。
幼稚園の子どもたちと遊ぶ高尾さん |
ここだけでは書ききれない経験をキャンプではたくさんさせてもらった。つらいことばかりでなく、楽しいこと、発見、学びがたくさんあり、すべてが自分にプラスになる経験であった。このような機会に巡り合えたことに大変感謝している。
村の小学校の歓迎会にて |
日本以外の暮らしを経験したことで自分の暮らす環境以外で生活している人が世界中にいるということを想像することが出来るようになった。この気づきを大切にして、今後の人生に生かしていきたい。
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