2019/03/01

【信仰書あれこれ】惜しまれる生き方


デイヴィッド・ブルックス著『あなたの人生の意味――先人に学ぶ「惜しまれる生き方」――』(夏目大訳、2017年、早川書房)をとりあげます。

表紙折り返しに以下の記述があります。
  • ニューヨーク・タイムズ≫の名コラムニストが10人の生涯を通して語る、生きるための道しるべ。
  • 人間には2種類の美徳がある。「履歴書向きの美徳」と「追悼文向きの美徳」だ。つまり、履歴書に書ける経歴と、葬儀で偲ばれる個人の人柄。生きる上でどちらも大切だが、私たちはつい、前者ばかりを考えて生きてはいないだろうか?
  • アイゼンハワーからモンテーニュまで、さまざまな人生を歩んだ10人の生涯を通じて、現代人が忘れている内的成熟の価値と「生きる意味」を根源から問い直す。
  • エコノミスト≫などのメディアで大きな反響を呼び、ビル・ゲイツら多くの識者が深く共鳴したベストセラー。

著者はこの本を、「自分の心を救うために書いた」(本書13頁)と言っています。以下に中身の一部をご紹介します。

◇◆◇

人生からの問いかけに応える
  • 「大事なのは、私たちが人生に何を求めるかではない。人生が私たちに何を求めるかだ」。フランクルはそう書いている。「私たちは、人生の意味は何か、と問うことをやめるべきだ。反対に、人生の方が日々、絶えず私たちに問いかけているのだ」。……彼は運命が自分に与えた仕事をした。その任務とはより良く苦しむことだった。……苦しみがどれほどのものになるのか、彼に決めることはできなかった。ガス室で命を落とす可能性もあったし、他の理由で死んで道端に捨てられる可能性もあった。自分がどういう目に逢うのかは選べなかったが、自分の心が苦境にどう反応するかは自分で決めることができた。(51頁)

天職のとらえ方
  • アルベルト・シュヴァイツァーは、1896年夏のある朝、聖書の「自分の命を救おうとする者はそれを失い、私のために自分の命を失う者は、それを救うだろう」という一節に出会う。その瞬間、彼は呼ばれていると分かった。自分は成功していた音楽教師、オルガン奏者としての職をなげうって医療の道に進む、ジャングルの医者になると悟ったのである。天職を持つ人は、費用対効果分析の結果、その仕事に取り組むわけではない。公民権運動や難病の治療に身を捧げるのも、人道組織の運営や、大作小説の執筆に全力を傾けるのも、それで得をするからではない。……損得で仕事をした場合、行く手に困難が立ちはだかれば、その仕事をやめてしまうはずだ。ところが、天職に取り組む人は困難があるほど、その仕事に強く執着する。(55頁)
  • 道徳のために闘う英雄は、自らの名誉のことだけを考える人間とは違う。彼らの行動は自己の否定から始まる。彼らは自分の利益や名誉を否定し、辛く苦しい天職を受け入れ、与えられた仕事を全うする。彼らの行動は単に慈悲心からのものでもないし、自己満足のためのものでもない。他人のために自分を犠牲にしたという善行に酔っているわけではないのだ。それでは、英雄的な行動は長続きしない。良いことをしているという意識があってはいけない。自分は天から贈り物をもらっていて、それをもらったお返しをするために動いている、という意識でなければならない。(62頁)


誰のためにそれをするのか
  • ある人が貧しい人に靴をあげるとする。これは、貧しい人本人のためにすることなのか、それとも神のためにすることなのか。フランシス・パーキンズは、神のためにすべきだと考えた。たとえ物をあげても、もらった側が感謝するとは限らない。もし、相手の感謝を報酬のように感じていれば、感謝されなかっただけでくじけてしまう恐れがあるだろう。だが、その人のためではなく、神のためだと思っていれば、相手の態度によってくじけることはなくなる。(88頁)

自分から機会を求めて
  • ドロシー・デイが普通と違うのは、たまたま苦しい経験をして「しまった」のではなく、自ら求めていったというところだ。ごく普通の楽しみ、幸せを得ようとすればできたかもしれないのにわざわざ避けて、自分で苦しみを求めた。自分を犠牲にしても道徳的に振る舞う機会、苦しみ耐えながら他人に奉仕する機会を探して生きた。(169頁)

本書では他に、ジョージ・マーシャルジョージ・エリオットアウグスチヌスサミュエル・ジョンソンなどの人生が、キリスト信徒としての著者の視点から綴られています。

JELA理事
森川博己

◆◇◆

【関連リンク】

2019/02/27

「かけはし信託愛の基金」から板橋ジェラハウスのためにご支援いただきました!

建築中の板橋ジェラハウス(難民シェルター)のために2月27日、「かけはし信託愛の基金」から30万円のご支援をいただきました。

「かけはし信託愛の基金」とは、社会福祉の向上に資することを目的に三菱UFJ信託銀行とそのグループ会社の役職員・退職者などが会費(寄付)を募り、福祉、保健医療、災害援護等の事業を行う全国の団体等に対して寄付を行うもので、難民支援の分野では、JELAが初の対象となりました。

2月27日午後には、JELAミッションセンターで、基金の贈呈式が行われ、三菱UFJ信託銀行の坡山奇右氏(本店法人営業部長)からJELAの森下博司理事長へ目録が贈られました。

三菱UFJ信託銀行の坡山本店営業部長とJELA森下理事長

三菱UFJ信託銀行とそのグループ会社の役職員・退職者など「かけはし信託愛の基金」の皆さま、心より感謝申し上げます。

贈呈式後の記念写真
※「ジェJELA)・ハウス」とは、日本初の民間による難民(申請者を含む)のためのシェルターハウスです。難民の方へ無償で提供し、電気・ガス・水道などの光熱費も無料で使用いただいています。

【関連リンク】

2019/02/25

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】日本福音ルーテル教会の3・11集会で奉仕

東日本大震災から8年が経とうとしています。この大惨事を風化させないために、日本福音ルーテル教会東教区主催の「3.11を憶える礼拝」が、3月10日午後3時に日本福音ルーテル東京池袋教会(豊島区池袋3-7-1)を会場に開かれます。黙想時にリラ・プレカリア(祈りのたて琴)奉仕者が、ハープと歌による祈りを捧げます。

【イベント概要】
日時:2019年3月10日(日)15:00~
     「3.11を憶える礼拝」
会場:日本福音ルーテル東京池袋教会
   ※池袋駅西口徒歩10分、有楽町線要町駅 徒歩3分
主催:日本福音ルーテル教会(JELC)東教区プロジェクト3・11

メッセージ:楡原民佳さん(日本聖公会信徒/聖公会東京311ボランティアチーム代表)
黙想:リラ・プレカリア(祈りのたて琴)

共に震災被災者を憶えて祈り、黙想いたしましょう。



【関連リンク】
リラ・プレカリア(祈りのたて琴)関連ニュース(ブログ)
リラ・プレカリア(祈りのたて琴)について
日本福音ルーテル社団(JELA)

2019/02/19

【難民支援】新ジェラハウス 内装工事がはじまりました!

昨年の10月11日に起工式(既報)を行い、建築がスタートした難民シェルター「JELA(ジェラ)ハウス」の進捗をお伝えします。

2月15日現在、外壁と屋根の工事が終わり、内装工事に移っています。
窓と断熱材が付いた内部
シャワーユニット2台とユニットバス
天井と断熱材
天井
 

新しいJELA(ジェラ)ハウスは、3月末の完成予定です。引き続き、工事の安全をお祈りいただければ幸いです。

また、新しいJELA(ジェラ)ハウスへのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。ご献金方法などは、以下をご参照ください。お捧げいただきました支援金は、新しいハウスのために使用いたします。

※「JELA(ジェラ)・ハウス」とは、日本初の民間による難民(申請者を含む)のためのシェルターハウスです。難民の方へ無償で提供し、電気・ガス・水道などの光熱費も無料で使用いただいています。

【寄付の方法】
  • 払込取扱票 ― 弊社団ニュースレター「JELA NEWS」などに添付されているJELA所定の払込取扱票お持ちの方は、ご寄付の目的を記す欄に「新しいジェラハウス支援」と書いていただき、払込・振替をお願いいたします。
    • それ以外の用紙をご利用の場合は、通信欄に「新しいジェラハウス支援」とお書き添えください。払込・振替先は以下です。
      番号  : 00140-0-669206
      加入者名: 日本福音ルーテル社団
  • クレジットカード ― Visa、MasterCard、JCB、American Express、Diners Clubのいずれかのクレジットカードをお持ちの方は、こちらのページからご寄付いただけます。”寄付の種類”を選ぶ項目で「新しいジェラハウス支援」を選択してください。
  • 銀行振込 ― 振込依頼人の名義を「カイチク+ご氏名」とし、以下の口座にお振込ください。
    • 横浜銀行 恵比寿支店(店番907)
      普通口座 番号6002037
      名義:一般社団法人日本福音ルーテル社団
◆◇◆

【インド・ワークキャンプ2019】無事に終了、帰国しました!

2019年インド・ワークキャンプに参加していた11名と引率者2名がキャンプを終え、けさ無事に帰国しました。

現地での集合写真
当キャンプのためにお祈りくださった皆さま、ありがとうございました!

【関連リンク】 
JELA-workcamp(JELAのワークキャンプに関するFacebookページ) 

2019/02/13

【インド・ワークキャンプ2019】作業の様子

インド・ワークキャンプがいよいよ始まりました! 今年は参加者11名と引率2名の計13名が派遣されています。さっそく現地から写真が送られてきましたので以下にご紹介します。
成田空港で集合写真
出発当日は雪。なんとか無事に2時間遅れでインドに到着しました
義足作り。材料のアルミを切る作業
幼稚園のテーブルづくり

農作業。種を植える準備など

13人の働きが祝され、安全が守られるよう、お祈りください。

【関連リンク】
JELA-workcamp(JELAのワークキャンプに関するFacebookページ)

2019/02/08

【チャリティコンサート2019】演奏者の意気込みメッセージ

春のチャリティコンサートの準備が進行中です。今年はヴァイオリンの真野謡子さん、チェロの松本恒瑛さんによるデュオをお届けします。

演奏者のおふたりからコンサートに向けての意気込みをうかがいましたので、以下にご紹介します。

なおコンサートの日程や演奏者プロフィールなどの詳細はこちらの記事をご覧ください。 

◇◆◇

真野 謡子(まの・ようこ)さん
© Shigeto Imura
四度目の出演になります、ヴァイオリンの真野謡子です。今年も再び、「世界の子ども支援チャリティコンサート」にて演奏出来ますこと、大変嬉しく思います。

今回は、チェリストの松本さんと共に、ヴァイオリンとチェロのデュオをお届けします。松本さんとは、以前より室内楽などで共演したこともありますが、デュオは初共演です。8本の弦によって奏でられる「音の対話」を体感してください!

北は北海道、南は熊本まで、皆様と素敵な時間を共有できたら幸いです♪ 是非いらっしゃって下さい!

松本 恒瑛(まつもと・つねあき)さん
初めてJELAで演奏させて頂きます。真野さんとのDuoで演奏出来るのを楽しみにしております。

ヴァイオリンとチェロの音色が奏でる、繊細かつ大胆な音楽を皆様に楽しんで頂きたく思います。また、2つの楽器の為に書かれた曲は数多くありますが、なかなか聴く機会は無く、新しい出会いがある事は間違いありません。

今回はチェロの曲の中でも重要な位置しめる、バッハの無伴奏チェロ組曲の中から、プレリュードを演奏したいと思っております。この曲は、チェロ奏者の中でも、高い技術が求められる曲で、海外の巨匠と呼ばれる人達の中でも一目置かれる曲になります。

Duo、Solo、共に皆様に楽しんで頂けるプログラムを組んでおりますので、コンサートを楽しみにして頂きたいと思います。

◆◇◆


【関連リンク】

2019/02/01

【信仰書あれこれ】福音をストレートに語る力強さ

竹森満佐一著『講解説教・ガラテヤの信徒への手紙(竹森満佐一選集)』(1991年、新教出版社)をとりあげます。

著者は、日本キリスト教団吉祥寺教会を50年にわたり牧会しつつ、東京神学大学学長やドイツのハイデルベルク大学客員教授などを務められました。その説教がいかに素晴らしかったか、本書を読めばわかります。

以下で著者の福音理解の真髄を少しご紹介します。

◇◆◇

救われた者の生活
  • 自由になるように、ということで神の救いにあずかったのでありますが、自由は、自分勝手なことをして、肉の力に支配されることではないのです。それは、実際には、愛によって互いに仕える生活です。……このような生活はもちろん、教会の中においてまず行われるべきものであります。互いに重荷を負う生活であります。それによって、まことの教会生活が充実したものになるのであります。それはただ、主イエス・キリストの十字架のみを誇りとする生活であります。(15頁)

福音を語れるための条件
  • 信仰者にはみな、福音を語る責任があります。それが、伝道するということであります。……この福音によって救われたと確信しているからであります。そうでなければ、福音を福音として語ることはできません。自分が今生かされているのは、この福音によることを信じていることが、絶対に必要なのであります。そうでなければ、福音を福音として語ろうという気になれないのです。(18頁)

自分が救われたときに福音の真理性が理解できる
  • キリストの復活は、神がキリストによって罪と死に勝たれた、ということであります。そのことによって我々は、神がキリストの父であり、また、我々の父であることを信じることができるようになったのです。それは、自然や我々の周囲を見まわして、神は父であるらしいと考えるようになることとは、全く違うのです。そうではなくて、キリストの十字架と復活ということによって、自分が救われることによって、キリストを復活させられた神こそまことの父である、と信じるようになることです。それは、そういう考え方ではなくて、自分の救いという事実によって知るようになった真理なのであります。(20~21頁)

自分が罪人であることは神によらなければ分からない
  • 自分の罪を認めることは、こういう欠点があるとか、弱さがある、ということではありません。……そうではなくて、自分は罪人であることを知ることです。自分は全く神に背いていることを知ることであります。……救われねばならないほどの罪人であることが分からない人には、キリストが何をしても無駄であります。……罪のことも、キリストを通して神から示されなければ、本当には分からない……。(36~37頁)

福音はキリストとの生きた関係もたらす
  • キリストの福音というのは、ただ、キリストによって与えられた福音ということだけではなく、キリストが働く福音である、ということであります。福音はただの教えではありません。福音は紙に書かれたもの、聖書に書いてあるものではありません。……福音を信じて生きるのは、キリストが今一緒にいてくださって、働いておられることを信じることであります。ただの教えや信じることの内容ではなく、これを信じる者は、キリストが共に働いてくださるという、キリストとの生きた関係を持つことなのであります。(52~53頁)

神の恵みは奇跡そのもの
  • 人間には、神の恵みぐらい分からないものはありません。……恐らく一番大事なことは、神の恵みが奇跡であることが分かっていないからであります。……神の恵みが行ったこと、パウロのような律法にしがみついていたパリサイに、十字架の信仰を受け入れさせたということこそ、まさに奇跡的事件ではありませんか。……そのことは、パウロの場合というように、他人事のように言うのは間違いであります。……自分のような者がこうして救われた事実を考えると、それはまさに奇跡ではありませんか。十字架による信仰が生まれるたびに、我々は、そこに、神の奇跡を見る思いがします。それが神の恵みなのです。(93頁)

信仰生活の目的
  • 教会の中では、みんなと楽しくすることだけが大切なのでしょうか。そうではありません。本当は信仰生活は孤独なものであります。最後には、神と自分だけの生活であります。……教会生活のゆえに一層よく祈れるようになるということは、誰でも望むことです。しかしそれは、神と自分だけの生活をさらに確かにすることではないでしょうか。もしそうでなかったら、共に信仰生活をすることには、意味がありません。(105頁)

本書では、ガラテヤ書の前半の半分ぐらいが20回に分けて語られています。途中で著者が召天したため未完なのが残念ですが、いずれの説教も大変充実したものです。

JELA理事
森川博己

◆◇◆

【関連リンク】

2019/01/23

米国ワークキャンプ2019 参加者募集!

米国ワークキャンプ2019 参加者募集!

以下の要領で2019年夏の参加者を5~10名前後募集します。
申込期限は、2019年4月末日(JELA必着)です。

過去のキャンプ参加者の感想は、下記の「JELA NEWS」の記事とブログをご覧ください。

皆様のご応募をお待ちいたしております。

 

米国ワークキャンプ2019募集要項


  • 派遣期間: 2019年7月24日(水)~8月6日(火)
  • 内  容: イリノイ州で一週間のワークキャンプ(家屋修繕、聖書の学び等を通して参加者の信仰的・人間的成長を促す催し)に参加し、近隣の州でホームステイもします。
  • 参加費用: 20万円 ※「友達割引」:複数で申し込んだ場合、1人につき5千円割り引きます。
    注意:パスポート・ビザ取得費用、海外旅行保険費用、派遣確定者向け説明会会場(JELAの予定)
    や出発・帰国時の集合場所(成田空港)から本人の居住地までの交通費及び前泊・後泊する場合の宿泊費は、上記の参加費とは別に個人負担となります。
  • 問合せ・申込用紙請求先:
    〒150-0013
    東京都渋谷区恵比寿1-20-26

     日本福音ルーテル社団(JELA)
     「アメリカ・ワークキャンプ」係

    ・TEL:03-3447-1521
    ・FAX:03-3447-1523
    Email: jela@jela.or.jp
    ・Web: www.jela.or.jp
  • 選抜方法: 2019年4月末日までにJELAに到着した申込書から派遣者を決定し、5月上旬までに連絡します。
        <注意事項>
  1. 2019年8月1日現在で14歳~20歳の方が応募できます。 
  2. クリスチャン(教派は問いません)でもノンクリスチャンでも参加できますが、聖書を学び話し合う時間が毎日あり、すべての行事に積極的に加わることが求められます。
  3.  数名の日本人成人が同行し、霊的・言語的側面から日本人参加者を支えます。 
  4. 派遣確定通知受領から出発までの間にキャンセルなさる場合は、事情をお伺いした上で、その時点までに発生した費用の一部または全部をご請求することがあります。また、新型インフルエンザの蔓延その他、諸般の事情により派遣を中止する場合があります。JELAからキャンセルする場合は、払込み済みの参加費はすべてご返却します。 
  5. 渡航にはパスポートが必要となりますので、お持ちでない方、更新が必要な方は、派遣確定通知受領後速やかに取得手続きを行ってください。
以上
ワークキャンプの趣旨や内容が分かる動画です。ぜひご覧ください。(約15分)


2019/01/22

【信仰書あれこれ】ルターの言葉


本書は「信仰」「みことば」「経験」「自由」「人の心」の五章からなり、折々のルターの告白の言葉、神学的思索の表現、洞察や体験の言葉、困難を乗り越えて体験した言葉が掲載されています。

以下では、「信仰」の章から、いくつかの言葉をご紹介します。冒頭に出典となる文献名、引用文最後の括弧書きは、本書『ルターの言葉』の中での頁数です。

◇◆◇

『すべてのキリスト者が騒乱や謀叛に対し用心するようにとのマルティン・ルターの真実の勧告』1523年より
  • 私は、人々が私の名を語らず、ルター派などと言わずに、自分は一人のキリスト者であると言ってほしい。ルターとは何者なのか。その教えは私のものではないではないか。また、私は、誰のためにも十字架につけられていない。……いったいどうして、憐れな鼻持ちならぬ蛆虫の袋である私が、キリストの子たちを私の卑しい名で呼ばせることなどできるであろうか。……私はけっして人の主人ではなく、またそうなろうとも望まない。私は教会の会衆と共に、唯一の我々の主であるキリストの、唯一で公同の教えを持っているのである。(14~15頁)
『ローマ書序文』1522年より
  • 信仰は私たちの内における神の働きである。この働きが私たちを変え、私たちを神によって新しく生み出し<ヨハネ福音書1:2>、古いアダムを殺し、心、勇気、感覚およびあらゆる能力を持つ、まったく別の人へと私たちを造り変え、聖霊をもたらす。まさに、信仰とは、生きた、勤勉で活動的、強力なものであるから、絶え間なく善いことをしないわけにはいかなくなる。また、信仰は善い行いをなすべきかどうかを問わず、人が問う前にすでに行っており、いつでも行うのである。このように行わない人は、信仰のない人であって、信仰と善い行いを求めてうろうろ歩き、周囲を見回すが、何が信仰で善い行いかも分からず、それでも、信仰と善い行いについて、多くの言葉をぺらぺらとしゃべり散らすのである。(17頁)
  • 信仰とは神の恵みに対する、生きた、大胆な信頼であり、そのためには千度死んでもよいというほどの確信である。神の恵みへのそのような信頼と認識が、神に対して、すべての被造物に対して、人を喜ばしく、大胆で、快活にさせる。これは、聖霊が信仰において行うのである。そこで、信仰は、強制されることなく自ら進んで、誰にも善いことをなし、誰にも仕え、あらゆる事に耐え、彼にこのような恵みを示した神に愛と賛美を捧げる。火から炎と光を分けることができないように、信仰から行いを切り離すことは不可能である。(17頁)
『待降節説教集』(年不詳)より
  • あなたの救いは、キリストが信心深い人にとって一人のキリストである、ということにあるのではない。キリストはあなたにとって(たった)一人のキリストであり、この方があなたのキリストであるということに、あなたの救いがあるのだ。この信仰は、あなたにキリストを慕わせて、心やさしい思いを生み出す。そこで、強制されなくとも、愛と善い行いがその後に伴っていく。しかし、そのような結果にならないなら、きっと信仰がそこにないのである。なぜなら、信仰があるところ、そこには聖霊もいて、愛と善とを私たちの内に生じさせるはずだからである。(23頁)
『二種陪餐について』1523年より
  • あなたはルターの弟子ではなく、キリストの弟子でなくてはならない……。あなたが「ルターや、ペトロ、パウロがこう語った」と言うのではなく、あなたは、キリストご自身をあなた自身の良心に感じとり、全世界がこれに敵対しようとも、揺るぎなく、これが神の言葉であると確信していなければならない。あなたがこれを自覚していないなら、あなたはきっと神の言葉をまだ味わったことがなく、また、その耳を人の口やペンに向けていて、心の底からみことばに固着していないのである。(27頁)
『ヨハネ福音書第14、15章による説教』1537~38年より
  • そこで、あなたは理解する。神を信じるということは、つまり、悪魔やこの世の作り出すすべてのもの、貧困、不幸、恥辱、罪などに挫けない寛容な心を持つようになることなのである。(29頁)
上記には比較的分かりやすい言葉を引用しましたが、本書には難解な表現も数多く見られます。じっくりと時間をかけて読まない限り、ルターの表現意図を取り違える可能性があること、ご注意いたします。

JELA理事
森川博己

◆◇◆

【関連リンク】

2019/01/21

【宣教師支援】短期宣教師たちが熊本へ

JELAが日本語研修を支援している米国福音ルーテル教会(ELCA=Evangelical Lutheran Church in America) 派遣の短期宣教師(J3)3名が、東京での3ヵ月間の研修を終え、今年1月から研修の場を熊本に移しました。

熊本では、3ヵ月間の語学・文化・学校研修など受け、4月からJ3のジョーダン・コリンズブラウンさんとエリカ・ブライヤさんは、ルーテル学院中学・高等学校で、エリン・ライアンさんは、九州学院で英語教師として働く予定です。3人の今後のご活躍をご期待ください。またお祈りいただければ幸いです。

阿蘇熊本空港到着。左から星崎JELA職員、ジョーダン、エリン、エリカと
お出迎えくださったJELC神水教会安達均牧師と熊本教会杉本洋一牧師
熊本市内を見学中のJ3。九州学院正門にて

日本福音ルーテル大江教会にて。エリンのオルガン演奏を聴くエリカとジョーダン
J3のための歓送迎会の模様。日本福音ルーテル熊本教会にて


【関連リンク】

2019/01/16

これからの100年のために、JELA職員一同コーチングを受けています!

今年、JELAは創立110年を迎えます。

これからの100年、JELAがどうあるべきか、何をすべきか、この問いへの答えへのヒントを得るために、昨年末から、外部講師によるチームコーチング(参加者同士が対話を重ねることにより、目標達成に必要な視点や考え方、スキルなどに気づき、学ぶコース)を受けています。

1月9日には、今年最初のコーチングセッションが行われ、3つの現実レベル(エッセンス・ドリーミング・合意的現実)」について学び、「変化・変革モデル」について意見を出し合いました。

業務では接点が少ない職員とも本音でJELAの将来について語り合う、有意義な場になっています。

チームコーチングは、4月まで行われます。
目標は、「JELAの未来へ向けて、アイデンティティと文化を再構築する」ことです。

折しも「平成」が4月で終わり、新しい時代が始まります。JELAも5月から新しいスタートを切ることになります。

JELAの今後にご期待ください!
引き続き、JELAが神さまの御心にかなう活動を行えるよう、お祈りとご支援をお願いいたします。

これからのJELAをイメージしたポーズ=「十字架」

2018/12/28

JELA事務局 冬休みのお知らせ

主のご降誕のお慶びを申し上げます。
寒い日が続きますが、ブログ読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

2018年も多くの皆様にお力添えいただき、JELAの活動を続けてこられたことに心から感謝申し上げます。

JELA事務局は、2018年12月29日(土)から2019年1月4日(金)まで冬休みとなります。
通常の業務が再開するのは2019年1月7日(月)からとなります。

2019年も変わらぬご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
末筆ながら、来る新年が皆様一人ひとりにとって祝福にあふれた年となりますようお祈り申し上げます。

【関連リンク】
日本福音ルーテル社団(JELA)ウェブサイト

【難民支援】JELAハウス居住の皆さんとクリスマス・ランチ♪


2018年もまた、JELAハウス(難民シェルター)で生活する難民の方々と、親しく時を過ごす機会に多く恵まれた年でした。
その担い手になってくださったお一人が、日本語教師ボランティアの斎藤由里阿さん。
教材に工夫をこらし、買い物や病院など生活に役立つ日本語レッスンを、今年秋以降、継続的にJELAハウスに住む母子へ行ってくださいました。
1221日には、斎藤さんと日本語レッスンの生徒さん、奈良部職員がJELAハウス近くのレストランでクリスマス・ランチ会を持ちました。
難民の皆さんと団らんする
斉藤さん(奥右)と奈良部職員(奥中央)

奈良部職員によると、ランチ会で披露された皆さんの日本語に、大変な上達が見られ、継続的なレッスンの必要性を感じた、とのこと。
今後のレッスンにも、大きな期待が寄せられます。

JELAでは、2019年度の難民日本語ボランティアを募集しております。
熱意のある方、jela@jela.or.jp までぜひご応募ください!

2019年も、皆様にとって、神様の祝福あふれる良い1年となりますように。

2018/12/20

【難民支援】新しいジェラハウスが上棟! 完成は2019年春を予定

JELAでは、日本初の民間による無料の難民シェルター「JELA(ジェラ)ハウス」の建て替えを実施します。10月11日に起工式(既報)を行い、建築がスタートしました。
躯体を確認する渡辺事務局長(中央)

12月12日には、柱・梁・棟などの構造体を組上げる、いわゆる上棟が行われました。20日には、JELAの渡辺薫事務局長と奈良部慎平職員が現地を訪問し、設計・建築責任者とともに施工状況の確認をしました。

新しいJELA(ジェラ)ハウスの完成は、2019年3月の予定です。引き続き、工事の安全をお祈りいただければ幸いです。

また、新しいJELA(ジェラ)ハウスへのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。ご献金方法などは、以下をご参照ください。お捧げいただきました支援金は、新しいハウスのために使用いたします。

よいクリスマスをお迎えください! Merry Christmas!

写真中央が建築中のJELAハウス
【寄付の方法】
  • 払込取扱票 ― 弊社団ニュースレター「JELA NEWS」などに添付されているJELA所定の払込取扱票お持ちの方は、ご寄付の目的を記す欄に「新しいジェラハウス支援」と書いていただき、払込・振替をお願いいたします。
    • それ以外の用紙をご利用の場合は、通信欄に「新しいジェラハウス支援」とお書き添えください。払込・振替先は以下です。
      番号  : 00140-0-669206
      加入者名: 日本福音ルーテル社団
  • クレジットカード ― Visa、MasterCard、JCB、American Express、Diners Clubのいずれかのクレジットカードをお持ちの方は、こちらのページからご寄付いただけます。”寄付の種類”を選ぶ項目で「新しいジェラハウス支援」を選択してください。
  • 銀行振込 ― 振込依頼人の名義を「カイチク+ご氏名」とし、以下の口座にお振込ください。
    • 横浜銀行 恵比寿支店(店番907)
      普通口座 番号6002037
      名義:一般社団法人日本福音ルーテル社団
◆◇◆



2018/12/17

【宣教師支援】短期宣教師たちと一足早いクリスマス食事会!

JELAは、毎年10月に、 アメリカ福音ルーテル教会(Evangelical Lutheran Church in America=ELCA) から、数名の短期宣教師(J3)を迎えて、熊本の学校へ英語教師として派遣されるまでの数ヵ月間、日本語研修の支援を行っています。

今年もエリン・ライアンさん、エリカ・ブライヤさん、ジョーダン・コリンズブラウンさんの3名の短期宣教師がELCAから派遣され、JELAで約3ヵ月間、日本語を学びました。

12月17日には、JELAスタッフと新J3とで、一足早いクリスマスのランチ会を開き、主の御降誕をお祝いすると共に、熊本への旅立ちを祝福しました。

アメリカのクリスマスでは七面鳥が定番ですが、日本ではまだ一般的でないことからチキンの丸焼きをメイン・デッシュに3ヵ月間の東京での思い出や、これからの抱負など日本語で語り合いました。

日本語研修の成果か、3人とも日常会話が理解でき、ある程度は話せるようになっており、冗談を交えつつ楽しい時間を過ごしました。

3人は、年明けに熊本へ引越し、4月から九州学院と九州ルーテル学院で英語教師として働きます。3人の熊本での生活が祝福されますよう、お祈りいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします! Merry Christmas!

チキンの丸焼き
トマトのパスタ

【関連リンク】

【世界の子ども支援】明治学院中学校ハンドベルクワイアがチャリティコンサート 献金をインド少女支援へ全額寄付

毎年クリスマスの時期に、ルーテル保谷教会が、明治学院中学校ハンドベルクワイアによる「親子で祝うクリスマス チャリティコンサート」を開いてくださり、席上で捧げられた献金のすべてをJELAの世界の子ども支援事業のために寄付してくださいます。

今年も、12月16日(日)午後からコンサートが開かれ、礼拝堂には102名が集まりました。中学2・3年生の17人で構成されたハンドベルクワイアは、クリスマスの曲、ディズニーアニメーションやスターウォーズのテーマ曲、パッフェルベルのカノンなど、多彩で技巧をこらした演奏を披露。会場はクリスマスの温かい雰囲気に包まれました。


チャリティコンサートの献金総額は、83,086円! JELAの支援するインドの少女支援のために捧げてくださいました。
明治学院中学校ハンドベルクワイアの皆様、そしてルーテル保谷教会の皆様、会場にお集まりいただいた、すべての方に心から感謝いたします。
よいクリスマスをお迎えください!


【関連リンク】 
JELA世界の子ども支援関連記事(ブログ)
日本福音ルーテル社団(JELA)ウェブサイト

アジア学院名誉学長 故・高見敏弘先生を偲ぶ会

今年96日、学校法人アジア学院(ARI) 創設者の高見敏弘先生ご逝去の報が、JELAに届きました。

高見先生は、“That we may live together (共に生きるために)をモットーに1973年にアジア学院を創設して以来、アジア諸国の農業リーダー育成に力を注ぎ、実に1400名もの卒業生を世に送り出しました。



1989年に語られた、高見先生の言葉です。
「アジア学院の描くリーダーのイメージは、自らの自由な意思で、社会の基盤である草の根の人々と共に汗を流して、いのちを支える食べ物を生産し、それを公正に分かち合うために、今具体的に働く人である。すべての人々、すべてのものが、それぞれの持ち味を互いに生かし、その可能性、秘められた霊性をできるだけ伸ばすよう不断の努力をする、生き生きとした社会を作るのにかかすことのできない人たちである。」

その理念に共鳴し、2003年以来、JELAから毎年1人の奨学生を送り、その豊かな収穫の喜びに共にあずかってます。

多くの人に慕われ、多くの同労者を持つ高見先生のお別れ会は、1213日に行われました。約210名が集い、高見先生の働きが、周囲を巻き込まずにはおかない、いかにエネルギッシュで必要とされるものであったかを思わせました。

ARIの作物や花で飾られた遺影と、200名もの参列者


世の著名人を偲ぶしめやかな葬送とは異なり、高見先生を送る会は、御国での再会と高見先生という働き手ゆえに神様をたたえる、感謝に満ちた集いとなりました。

手作りのお菓子や料理が参列者を温かく送り出してくれました。


アジア学院理事長の星野正興氏は、その挨拶の中で、高見先生は「おぼえる」人だった、と語りました。アジアの貧しい農村を「おぼえ」、そこに住む人々と家族を「おぼえる」=「心に留め愛する」人であったと。

高見先生のご生涯から多くを学ばせて頂きながら、JELAも、世界の助けを必要とされる方々をおぼえ、支援下さる方々をおぼえる団体であり続けるよう努めてまいります。

2018/12/14

【ブラジル音楽ミニストリー】もっと幼稚園年齢からできたら

JELAが支援するブラジルの音楽ミニストリーに関する最新報告が届きました。報告者は徳弘浩隆牧師です。3回に渡ってご紹介する10月の報告その3です。

初回「日本からのお客さん」はこちらです。
2回「Diademaのしっかり者のお姉さんたち」はこちらです。
 
◇◆◇

今回、日本から訪ねて来た竹田牧師は、今、私がかつて牧師と園長として働いていたこともある大森教会の幼稚園の園長もされています。「Diademaに子どもたちがこんなに来て、変わってきているんだったら、もっと低年齢の幼稚園のころから預かって教会がずっとかかわると、子供たちの人生がもっと変わるだろうねぇ。そんなこともしたかったねぇ」とつぶやきました。「ああ、もっと時間があったら、もっと予算や、教会の設備があったらなぁ」と、二人でため息をつきました。
音楽ミニストリーの生徒たちと一緒に写真撮影(竹田牧師夫妻は左から4番と5番目)

今年10月はブラジルは大統領選挙戦の真最中で、たくさんの問題が語られていました。先日のニュース報道で、2つのことが心に残りました。

一つは、<世界銀行=ブラジルの人的資源投資レベルは世界81位=「子供への投資が国の将来作る」と警鐘>というニュースです。ブラジルの人的資源投資レベルは世界で157国中81位、経済的にはブラジルより貧しい南米近隣諸国より悪いそうです。「良好な医療環境に恵まれ、質の高い教育を受けた子供は、身体的にも知的にも、感情的にも健やかに成長できるから、就労年齢 (同調査では18歳) に達した時は、個々人が持つ生産能力を十分に発揮できる準備が整っている」と世界銀行も提言しています。教会の教室は、音楽や体操、パソコンなども教えて、少しでもこれに貢献しようとしています。基礎学力だけでなく、音楽や絵を描くことなどを通しても情操教育や協調性など「人間力」の底上げになると実感しています。
音楽ミニスリーの一環として、子どもたちに健康的なおやつやPC教育なども提供しています。

もう一つは、「ブラジルの青少年の多くは加工食品好む。肥満や慢性病の遠因に」とのニュースです。Diadema教会の教室では、子どもたちに、野菜入りスープにパン、リンゴやみかんを絞ったナチュラルジュースなどを出しています。最初は玉ねぎやニンジンをえり分けて残していた子どもたちも、今では食べるようになりました。みじん切りから少しずつ大きく切ってきた私の祈りが届いて?子どもたちも根負けして慣れたのかもしれません。ホットドッグなどではなくて、包丁を使って調理した食事をきちんと食器についで、手をつないで丸くなってお祈りしていただくおやつの時間も、大切な教育の場だと実感しています。家庭が崩壊していて、孤食や簡易食も増えています。お父さんやお母さん、兄弟と手をつないでお祈りして食事をいただく習慣もなくなっているでしょう。教会の働きが、それを補完して、素直な子どもたちを育てていけたらと願っています。

                                  (徳弘浩隆)

◆◇◆


 
【関連リンク】
JELAのブラジル支援ニュース(ブログ)
日本福音ルーテル社団(JELA)

【ブラジル音楽ミニストリー】Diademaのしっかり者のお姉さんたち

JELAが支援するブラジルの音楽ミニストリーに関する最新報告が届きました。報告者は徳弘浩隆牧師です。3回に渡ってご紹介する10月の報告その2です。
初回はこちらです。


◇◆◇

Diadema(ジアデマ集会所)の生徒たちの年齢は7歳から15歳くらいまでの子ばかりで、去年は、おやつの時間にちゃんと座ったり、お祈りしたりすることも難しい状態でした。あちらが座るとこちらが立ち上がって騒ぐし、「いただきます」の前にカウンターに行って勝手に取って食べ始める子もいました。しかし、1年半続けていると、ずいぶん変わりました。しっかり者のお姉さんたちが喜んで手伝ってくれるし、その他の子も静かに座って、お祈りまで待つようになりました。ふざけて騒いでいる子がいると、最近洗礼を受けたAnaと、Natalyが静かにさせてくれます。
Nataly(左)とお友だち
このNatalyは、感情の起伏が激しくて、怒って大声を出したり、急に泣き出したりしている子でした。教会に来たらまず、嬉しそうにニコッと笑って挨拶するのですが、次の瞬間にはまた照れたようなむつかしい顔に戻ります。もっと素直になってくれたらといつも気にかけていました。しかし、気をつけて声掛けを続けていると、すこしずつ心を開いてくれるようになりました。

彼女が大声を出して怒ると、小さな子たちもびっくりして静かになります。だから時々、
「ねえNataly、あなたが手伝ってくれると、みんな静かになるから助かるんだ。今日も先生を助けてよ」と頼みます。すると不愛想にうなずいた後、おやつの時間には、「ちょっとみんな!静かにしなさい。あなたがふざけて騒いでいると、始められないでしょ!」とドスがきいた大声で叫ぶのです。男の子たちはびっくりして急に静かになり、大成功です。あとでこっそり、「Nataly、ありがとう。今日も助かったよ」とちょっとハグをしてお礼を言います。少しスレたようなそぶりをすることもありますが、教会の教室を楽しみにしているようです。「なんでセンセイは木曜日だけで火曜日は来ないの?」とか、行事の都合で木曜日をお休みにした時には「私が行こうと思った時にどうして休みにするの!」と携帯でメッセージを送ってくる時もあります。角が取れて笑顔の素敵な素直な丸い子になってきたと思います。                    
(徳弘浩隆)

◆◇◆


 
【関連リンク】
JELAのブラジル支援ニュース(ブログ)
日本福音ルーテル社団(JELA)