2024/04/10

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その5)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

 
参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、5回目の今回は古屋若菜さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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古屋若菜

古屋さん(左)とCRHP義足職人
私は、昨年のカンボジアのワークキャンプに続き、今回のインドのワークキャンプにも参加させていただきました。カンボジアの旅は、私にとって初めての海外渡航であり、日本との違いや、海外の面白さに気付かせてくれた旅でした。今回のインドのワークキャンプは、私にとって一人一人の発する言葉が耳に残り、何事も考えさせられる、そして、楽しさと悔しさ、難しさなどの多くの感情と出会わせてくれた旅だったと思います。特に、私に気づきを与えてくれた大きな出来事が2つあります。

一つ目は、プレスクールに通う子供たちのお迎えに行った際に、子供たちが住んでいるスラム街を回ったことです。そこは、本などで見る景色とは全く違い、特に幼稚園に通っている子は、ほんの一握りで、他に学校に通うことのできない子供たちが多くいること、裸足、砂まみれ、パンツも履いていない状態の子もいました。まさに「内臓が軋む」光景を目の当たりにしました。その後は、何をしていても自分は、こんなに楽しんでいていいのか、彼らのために何ができるのか常に考えていました。ですが、人類がこれまで思いつかなかったことを自分がこのワークキャンプ中に見つけられるわけもなく、心に大きな穴が開いたような気がしていました。
 
2つ目は、義足の贈呈式です。私たちのプログラムはたった10日間であり、少しだけお邪魔して、沢山の優しさを与えてもらっているだけのように感じていました。また、義足作りを指導してくださった職人の方々は、私たちがお昼を食べている間も、夜ご飯を食べている間も休まずトンカチで義足を打ち続けてくれていました。ありがとうと言われるべきは、私たちではなく、職人の方々なのにという思いを抱いていました。また、義足を渡す人たちは、足を失うというつらい経験をしているため、健康で日本から来た見知らぬ人たちに偉そうに義足を渡されてどんな気持ちなのか不安になっていました。
プレスクールに通う子供たちと歩く古屋さん(白シャツ)

 これら2つの体験でネガティブな気持ちになり、なぜ自分がワークキャンプに来たのか分からなくなり、何もしていない自分に無力感を感じました。しかし、2つの出来事をディボーションの際に話し合い、聖書の言葉を通じて本音を話し、キャンパーの本音を聞き、話し合うことで自分の中に合ったモヤモヤした気持ちを、消化することができました。このような時間を持つことで、経験した出来事を深く考え直し、整理し、言葉にすることができたのだと思います。
 
様々な人々と出会い、たくさん笑い、幸せな時間も数えきれないほどたくさんありました。
CRHPJELA・支援者の方々、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。インドの子供達・社会に、私には何ができるのかを人生の問として考えていきたいです。
古屋さん(右)を含む参加者3人とCRHPで出会ったお友達