2014/07/11

2014チャリティコンサート余話

5月17日から6月15日の間、全国7会場で「世界の子ども支援チャリティコンサート」を開催いたしました。その中のある会場で、チャリティコンサートとは別に、地元の中学生と奏者が触れ合うワークショップが行われました。今回、特別に上野由恵さん(フルート奏者)にご寄稿いただきましたので掲載いたします。


『岡崎教会でのワークショップについて』 上野由恵
5月17日、愛知県岡崎教会でのチャリティコンサート終了後に、甲山中学校吹奏楽部の学生30名に向けたワークショップを行いました。その内容をご報告いたします。

まず初めに、私が8歳の時にフルートに一目惚れして2年間かけて両親を説得し、フルートを習い始めたこと、中学では吹奏楽部に入部し、部長を務めたことなどをお話ししました。みんなと同じように悩みながら一つずつ練習を積み重ねていった過程をお話しすることで、プロ奏者をより身近に感じていただけるきっかけになったかと思います。

また、具体的な楽器演奏時の体の使い方、呼吸の仕方を様々な例えを利用しながら説明しました。

特に反応が大きかったのが、息のスピードと圧力を上げるために「『ゴキジェット』(殺虫スプレー)になりきってシューーと息を出そう」という試みです。

全員顔を真っ赤にしながら一生懸命に「ゴキジェット」になりきってくれました。
これはとてもハードな練習で、みんな「ヒーヒー」と言っていましたが、「これくらいしっかりと息を使わないと楽器を上手には演奏できないよ」と説明することで、演奏に必要な息圧を体感してもらえたようです。帰りに「ゴキジェット練習頑張ります!」と何人もの学生さんたちから声をかけてもらいました。(ちなみに集合写真もみんなでシューーと言いながら撮影をしました。)

「シューー」と言いながらの記念写真 中央左が上野さん
そして、最後は質疑応答の時間を設けました。初めは控えめだった学生さんたちですが、どんどんと手が上がるようになり、現在自分たちが直面している様々な問題を次々に投げかけてくれました。音色の作り方、練習の方法、作品への取り組み方など、私にわかる範囲で精一杯お答えしました。コンサートの中で紹介した循環呼吸に興味を持ってくれた学生さんも多かったようです。

後日、岡崎教会の宮澤真理子先生から「6月に甲山中学吹奏楽部が教会で見事な演奏をしました。上野さんとの懇談が嬉しかったようです」とのお便りをいただきました。あの機会が少しでも皆さんの役に立ったなら何よりの喜びです。