2024/04/19

【難民支援】UNHCR駐日事務所 RVEPでITを学んだアウンさんのビデオストーリーを公開!

JELA国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所ウエスレー財団と共に、難民専門学校教育プログラム (Refugee Vocational Education Programme、略称RVEP) を実施しています(UNHCRプレスリリース)。当プログラムは、経済的な理由で専門学校への進学を断念せざるを得ない難民への進学支援を行う奨学金プログラムです。

UNHCR駐日事務所が、RVEPでITを学んだミャンマー出身のアウンさんのビデオストーリーを公開しましたのでご紹介いたします。



アウンさんは、2022-2023年の2年間、RVEP生として専門学校でITを学び、IT企業に就職しました。

RVEPでは、調理専門学校から一流ホテルのレストラン(調理師として)へ就職した方、薬学分析の専門学校から医薬品会社へ就職した方などがいらっしゃいます。

2025年度の募集を開始しましたのでご案内いたします。応募概要については、以下のリンクからご覧ください。

難民のための専門学校進学支援制度「RVEP」 2025年度プログラム生の募集を開始!
専門学校への進学を希望されている日本在住の難民の皆さんは、ご応募をご検討ください。皆さんのご応募をお待ちしております!


【関連リンク】

難民のための専門学校進学支援制度「RVEP」 2025年度プログラム生の募集を開始!

JELA国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所ウエスレー財団と共に、難民専門学校教育プログラム (Refugee Vocational Education Programme、略称RVEP) を実施しています(UNHCRプレスリリース)。

当プログラムは、経済的な理由で専門学校への進学を断念せざるを得ない難民への進学支援を行う奨学金プログラムです。

2025年度の募集を開始しましたのでご案内いたします。応募概要については、以下のリンクからご覧ください。

難民のための専門学校進学支援制度「RVEP」 2025年度プログラム生の募集を開始!

専門学校への進学を希望されている日本在住の難民の皆さんは、ご応募をご検討ください。皆さんのご応募をお待ちしております!

【切手・はがき寄付】複数の方から切手・はがきをご寄付いただいております!

JELAでは、未使用の切手・はがき(はがきは書き損じも可)の寄付を呼びかけています。

2024年4月までに複数の方から未使用の切手・はがき(はがきは書き損じも可)のご寄付をいただきましたのでご紹介いたします。


5名の方からご寄付いただいた切手・ハガキ

今回ご寄付くださった皆さん
Y.Sさん
K.Fさん(東京都三鷹市)
T.Nさん(岩手県奥州市)
K Eさん(山形県山形市)
N.Sさん(東京都大田区)

ご寄付くださった皆様、 ありがとうございます。

皆様からお送りいただいた未使用の切手・はがき(はがきは書き損じも可)は、有効利用させていただいています。 少量でも古いものでも結構です。ご協力をお願いいたします。  

送り先:公益財団法人 JELA ハガキ・切手係

  〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-20-26  TEL:03-3447-1521

2024/04/15

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その12)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、今回最後となる12回目は柘植あまねさんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
柘植あまね
 
柘植さん
あっという間の10日間、充実しながらも日本とは違ったゆっくりと時が過ぎるインドの雰囲気。参加してよかったと心から思えるワークキャンプだった。
 
メインボランティアの義足作りでは、こんなアルミの板から第二の脚が作られるのかと驚いた。そういえば、日本でも義足をこんなにも近くで見たことはなかったし、義足がどうやって作られているか知らなかった。義足を使用している人を見たのはテレビの中だけだった。
 
患者さんに対して、年齢、職業、家族構成など基本的な情報はもちろん、どのようにして足を失ったのか、今の心と体の状態、大変なこと、精神面での質問を多くする。「肉屋を拡大したい」「義足さえあればまた運転ができ、独立できる」など義足をもらったあとどうなりたいか、一人でも多くの方の願いが叶いますようにと未来への希望を聞きながら強く願った。

器具を上手く使って一足の義足を仕上げる原始的な方法は手間がかかる。けれど、手間がかかるからこそ最新の機械を使って作るより、聞いた話と重ねながらその人を思い愛がこもっている感じがして素敵だと思った。義足作りを手伝う中で、手直しをたくさんしていただき、技術的な面でたくさん面倒をかけてしまったが、現地の方とコミュニケーションを日本語でもなく、英語でもない、インドの言語(マラティ語)で身振り手振りをつかって一生懸命伝え合ったのが楽しかった。
新しくできた義足のフィッティングを手伝う柘植さん(左)
 
プレスクールの子供たちとの関わり。子供付きの私にとってたまらない時間だった。言葉が分からなくても、ただ会いに行っただけで、手を振っただけで、こんなにも喜んでくれる人がいるなんて思わなかった。直ぐな彼らにまたいつか会える日が来ますように。
 
子供たちを迎えに行くために、スラム街にも連れてってもらった。屋根がない家、お菓子のごみや生活水が垂れ流しの村、物乞いをして家族の生活を支える子供、私より年下で何人も子供のいる女の子、望まれない命があること、教科書で見る世界は本当にあって、胸がぎゅっとなるような人生で初めての感情になった。
 
幸せは人によって感じ方は違うと思うけれど、「なんでも持っている人こそ心が貧しかったりする」の言葉を胸に、当たり前に思っている小さなことにも感謝をして生活をしたい。
子どもに気を配る柘植さん
 
ディボーションを通じて、初めてキリスト教の考え方に触れ素敵だと思った。何より、ワークキャンプの仲間たちと考えたことについて話し合う中で、新しい考えに出会い、どの人もディボーションを通じて考え方に触れたことで心から皆に対して素敵だなという気持ちが増していくばかりだった。

CRHPでの生活からは、日本って素敵な国だと思った。CRHPでは、インドの各やアメリカ、ベルギー、スペインから来た学生たちと様々な出会いがあった。忍者ハットリくん、ビートたけし、お寿司、アニメなど日本の文化を知っている人ばかりで、町では有名人扱い。英語が流暢じゃなくても日本人と話したいと思って声をかけてくれる人が多くて感動した。
 
自分自身客室乗務員を目指す中で、インドで出会った彼らがいつか日本に来てくれることがあったとしたら、彼らの日本のイメージをポジティブなまま私とのかかわりを通して少しでも日本の魅力を感じてもらえることができたらと、なりたい姿が明確になった。全ての出会いに感謝しています。

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【参加者募集中! JELAの海外ワークキャンプ】
・2024米国グループ・ワークキャンプ参加者募集(応募締切2024年4月末まで)
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2024/04/14

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その11)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク


参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、11回目の今回は山領小雪さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
山領小雪
子どもと元気はつらつ山領さん(右)
 
私がJELA主催のインド・ワークキャンプ2024に参加した理由は幾つかあるが、一番大きかったのは現在大学生である私の専攻が国際政治学という分野であることと、元々人間開発等における国際支援に強い興味を持っていたことである。

私は2023年の春休みに初の海外への一歩としてオーストラリアに1ヶ月の語学留学をしたが、そこでの生活は各国の発展度合いを二元化するならば先進国のものであり、非常に安定していた。しかし、私は前述の理由から所謂発展途上国の現状に関心を寄せていた為、キャンプへの応募に至った。
 
これは小話であるが、私にとってその魅力は凄まじく、募集のチラシを見かけた数十分後には申し込みのメールを送信したほどである。
 
本題として、今回私が結果として学んだことは大きく分けて5つあり、1つ目は「人々の温かさ」、2つ目は「言語の壁の意外な薄さ」、3つ目は「貧困や医療の問題」、4つ目は「ニーズの把握の重要性」、そして5つ目は「自省の必要性」である。
 
1つ目の「人々の温かさ」は、私の母国である日本と、私にとっては今まで広大な世界の一国に過ぎなかったインドの両方に対する考え方を一変させた。メインの活動であった義足作成の後に行われた贈呈式での貰い手の方々との握手の感触やその喜びの表情、スラム街の居住者の方々に挨拶した際の笑顔、滞在したCRHPの村内で出会った老若男女との触れ合い等、様々な場面を通してインドの地域社会の温厚さを実感したと共に、実生活での他人との繋がりの希薄さに驚いた。
 
2つ目の「言語の壁の意外な薄さ」は、最低限のコミュニケーションには挨拶と感謝、そして物の美しさを伝える言葉さえあれば十分だという説が立証されたと感じたことから得た学びだ。私達が訪れた地域の共通言語であるマラティ語は私達にとって完全に未知の言語であったが、ほぼ上記を意味する言葉だけで様々な現地の方々と関われたことは予想外だったと共に、今後より多くの地域で人と交流したいという意欲が湧いた為、この発見は非常に有意義であった。
山領さん(右)礼拝に一緒に参列した女性の方

3つ目の「貧困や医療の問題」は、私が将来どのような人々を対象に、どのような手段で支援を行いたいかというのを明確化する一助となった。CRHPでは、ソーシャルワーカーによる各村内での保健衛生教育や、患者の家族などの医療スタッフ以外の手での看病等、とりわけ治療よりも予防を主軸とすることと、必要人員を極力削減するという方策で運用コストを抑え、貧困層の人々に広く提供することを目標とした健康維持活動が為されており、既に良い結果も表れ始めていると分かった。しかし未だにインド内にはそのような支援が行き届いていない地域も多く、世界という規模で見てみるとそれは尚のことである為、この支援策は私にとって1つの成功例として強い刺激であった。
 
4つ目の「ニーズの把握の重要性」は、一般論として支援の現場で唱えられるものの1つであるとは勿論承知していたが、今回それに間違いがないことを身近で実感することができた。中でも、CRHPの事務局長との対話がその理解に大きく影響した。国際支援の場合は資金の用途が予め定められていることも少なくはないそうだが、地域支援を行うアクターは現地で求められるものや考慮すべき慣習を既に理解しており、与えるだけではなく自立を手助けする場面が多くなる為、より効果的に問題に取り組むことが出来るそうだ。これはやはり迅速に危機から回復する為には欠かせないことであると改めて感じた。
義足職人が見守り中作業する山領さん(左)
 
5つ目の「自省の必要性」については、自己理解は自分の今後の道を明らかにすると共に、他人との関係を強くすることも可能だと分かった。このワークキャンプでは一日の終わりにディボーションという時間が設けられていた。これについて私は、聖書の一節を通して各々自身の内面と向き合うと同時に、他人の意見を聞くことで他人の内面とも向き合う時間であったと思った。自分の信条に加えたいと強く感じられる観念との出会いも多く、それを提言した人を尊敬することも幾度もあった。貴重なことを数え切れない程学び、人生の糧とすることができた。
 
結びになるが、インドでの体験は筆舌に尽くし難い程に濃厚で、良い点と改善すべきと思われる点の両方を観察することで、今まで関係の無かった国に深く触れることが出来たと共に、将来のビジョンがより大きく開けた。
 
しかし、ここに書いたことは私達の学びのほんの一片であるということをご承知頂きたい。そして是非、このレポートを読んで下さった皆様には自らインドという国を生身で体感しに行って欲しい。堂々と胸を張ってそう言えるような、素晴らしい旅路であった。
地元衣装を着こなす山領さん(左)と参加者仲間

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2024/04/13

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その10)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク


参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、10回目の今回は兼満愛さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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兼満 愛
 
私たちは、2024212日から22日までJELAのインド・ワークキャンプに参加し、インドにあるCRHPを訪れ、活動を行いました。活動の中で、義足制作やスラムで生活する子供達との交流の時間を設けていただきました。
兼満さん

 22年間生きてきてこれほど豊かに感情が動いたことは初めてでした。嬉しい楽しいという感情はもちろん、人の温かさに触れて心がいっぱいになる気持ち、内臓が軋むほどの憐れむ気持ち、自分の無力さから来る悔しさ、日本とインドの当たり前の違いへの驚きなど、沢山の感情に出会いました。その中でも、無力さから来る悔しさについて書きます。
 
キャンプの中でスラム街を訪問しました。下水道が発達しておらず糞尿が垂れ流しであること、物乞いをして生計を立てる子供達、あたり一面ゴミの山と化していること、見たもの全てにショックを受けました。
義足を仕上げる兼満さん

 また、未だ色濃く残るカースト制度、男性優位社会であるが故に男女出生数の差が大きいこと、高級ショッピングモールの扉の前で物乞いをする子供を見て、扉一枚で感じられる格差など、衝撃はもちろん自分がこの状況を変えたいと思う気持ちが大きくなりました。
 
しかし、そのスケールの大きさ、自分がインドに「ゲスト」として来ているため今現在長期的に関与することが難しいなど、自分の無力さや小ささをひしひしと感じました。何ができるか分からず、悔しくて涙を流しました。それでも、ディボーションを通じ、仲間と意見を交わす中で、私に今できることは何かが分かってきました。
 
まず、インドに行った経験を「行った」ことだけで終わらせないこと。自分が何を見て何を感じたかを周囲に伝え、より多くの人に当事者意識を持ってもらいたいと思いました。そして、私の周りにいる人をまずは笑顔にするということ。何も持っていなくても、目の前の大事な人を笑顔にして幸せな気持ちにさせることは私にもできます。
兼満さん(中央)と参加者ら
 
そしてこれを読んでいるあなたも。その連鎖を続けることで、より多くの人が幸せになることに繋がるのではないでしょうか。
 
このキャンプを行ってくださったJELAの皆さん、チャプレンの多田先生、支援してくださった全ての方に感謝します。インドで出会ったキャンプの仲間たち、義足作りを教えてくださった方、料理を提供してくれた方、多くのサポートがあったからこそインドに行くという挑戦ができました。この経験をこれからに活かし、次は私が多くの方を支える立場に立ちたいです。




2024/04/12

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その9)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク


参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、9回目の今回は元吉紗海さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
元吉紗海
元吉さんとプレスクールの子どもたち

約10日間のインドでの日々は、時一瞬にして思考豊かに成長することが出来たワークキャンプであったなと感じています。

過ごす時の中ではというと、朝・昼・夜と毎食の栄養を共に摂り、朝になると小礼拝が行われます。午後には数ある聖句の中からその日感じられたことや聖句から考えられること、自身と向き合いながら皆と発想や感想のシェアを行います。当然のことながら、参加者一人一人の考え方や生き方、素敵なところ、感謝したいところ等々、素晴らしい個々の個性が露になる時間にもなりまた、自身の思いの丈を再認識し深める時でもありました。

日々を共にし、義足作りワーク、プレスクール訪問や病院見学・近隣地域への幼稚園訪問と衛生環境視察、砂糖工場見学とスラム街へのプレスクール生徒のお迎え等々を皆で体験したことにより、出発前の不安は早々に払拭され更新される楽しさと喜びと刺激のあまり気づくと夜を迎えている。そんな毎日が刻一刻と過ぎていることを逃避したくなる程、インドでの日々はこれから先も途轍もない楽しかった思い出の宝物であると共に〝生きる〟ことの自由と平等について想い続けることでしょう。

外に出たからこそ考えられることはどこの国に行こうとも体験できることですが、インドに行けたから気づけたこと・ディボーションの時間があったからこそ考えられたことが多く在る気がします。

他の国よりも、女性であるということ・命のこと・衛生環境のこと・地域コミュニティの重要性・コミュニケーションの楽しさ・感謝するということ・自分を見つめてみるということなどを現時点の自身の環境とすり合わせながら感じ取ることが出来たのではないでしょうか。

子どもと交流する元吉さん(右)

妊娠三か月、女の子が生まれると分かると判別し判断せざるを得ない社会にある女性たち。スラム街で出会った未熟児の男の子を抱いた時の物理的軽さから感じた命の重たさと尊さ。ケアワーカーからの衛生知識を村一帯に周知するための団体を作るなどの村人らの団結力。病院や幼稚園、ケアワーカーがその地域に在ることで得られる住人の安心感と笑顔などを直接“見て、知り、感じる”ことが出来ました。

さらに、毎午後のディボーションの時間にそれぞれの意見や感想をシェアする時間では驚くほどに皆が違った角度から面白く型にはまらない考えを聞かせてくれました。ワクワクに満ち、楽しかったです。

義足用のアルミに切り込む元吉さん

1秒も無駄にしたくない毎日が終わりに近づく頃、皆と過ごす日々の中に自然と喜びや感謝、楽しさや充実感が溢れかえっている様なおかしな感覚になったものです。

このワークキャンプで感じたことや想えたこと、「今、ここ」以外の現実に身を置く人々のことを覚えておきたいと強く感じます。本当に、楽しく・また生きる価値について考えさせられた旅でした。JELAPAULさん、森一さん、多田先生、そしてCRHPの方々に心から感謝します。これからも、すべての生きている者の未来が明るいものであることを願って。






【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その8)

 JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク


参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、8回目の今回は阿部天南さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇

阿部 天南

私は初めてインドに足を踏み入れた。到着したとき、CRHPの関係者の方々は私たちのことを快く受け入れてくれた。滞在するために必要な部屋、食事、水を用意してくれたため、不自由なく過ごすことができたことに感謝したい。
義足贈呈式にて・阿部さん

毎日行うディボーションの時間では、聖書の言葉から1日を振り返るというものだったが、私自身、1日の出来事を整理する時間になっていた。その中で、義足づくりはワークキャンプの中で最も印象に残っており、1番濃い時間を過ごした。
 
初日に見た光景が、職人の方が脚を失った人の足を計測していた場面だった。そして、工程は全て手作業、完全オーダーメイドだったことにとても驚いた。一緒に作っていく中で、1つの義足を作るためにはいくつもの工程があるこということを知った。
 
義足職人であるジャバールさんは、作業している私を横に個別指導してくださった。指導を受け、やっと形になってきたアルミ状態の義足に’Tina’の文字を書いてくれた。何個もつくっていくうちに、Good!と言ってくれる回数が増え、力仕事で大変だと感じていた作業が、徐々に楽しくなっていた。それからはジャバールさんと交流する機会が増え、だんだんと心が打ち解けていたような気がした。
阿部さん(左)と義足職人のジャバールさん
 
義足の授与式では、脚を失った人に完成した義足を渡した。義足を渡すと、何度も頭を下げてお礼をしてくれ、受け取った義足をつけて歩けるようになった姿はとても感動的だった。生活するうえで、義足が必要不可欠なものと考えたのと同時に、日々、義足を作っている職人さんが偉大だと感じた。また、生活の助けとなるものを作るのに携われたことが嬉しく、部分的に貢献できたことを実感できた出来事でもあった。
 
CRHPの病院見学に行ったとき、貧しい人々に無償で医療機関のサービスを提供していることを知って衝撃を受けた。CRHPのように、弱者に手を差し伸べる機関のおかげで人々の生活が成り立っているのだと考えた。
参加者たちとお食事・阿部さん(左)

他にも、ヘナタトゥーやインド学生との遊びなど、CRHPで過ごしていなければできなかったことが沢山あった。インドでは時の流れがゆっくりで、自然と共存する素晴らしさに身をもって感じることができた。言語の壁や文化の違いなど、多方面から様々な刺激を受け、忘れられない貴重な経験になった。

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【参加者募集中! JELAの海外ワークキャンプ】
・2024米国グループ・ワークキャンプ参加者募集(応募締切2024年4月末まで)
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2024/04/11

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その7)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、7回目の今回は若子悠人さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
若子 悠人
 
若子さん(左)とCRHPのお友達
人見知り、怠惰、自己嫌悪、頑張れない。そんな自分を変えたくてこのワークキャンプに参加しました。振り返ってみて、何かが変わったかは分からないですが、初めて見る世界、感情、考えを持ち帰ることができました。

「無力」10日間で感じたことを表すとこの一言に尽きます。義足作りをはじめ、多くの“経験“をさせてもらいました。ボランティアとして何かを”与える”ことができると思い上がっていた自分が、与えてもらってばかりいることを情けなく思い、そしてその気持ちを忘れて何かを楽しんでいる自分に気が付き、恥ずかしくなりました。

日本に帰ってからもずっと考えています。自分に何ができるのか、与えられるものはあるのか、自分は何がしたいのか。今でもその答えは出ていませんが、「微力ではあるが無力ではない」そう思い、この経験で得た感情と考えを新鮮なまま忘れないでいたいと思います。

このワークキャンプを通して出会った全ての人たちが、自分にとってプラスの影響を与えてくれました。日本から共に来た15人は個性豊かで優しくて、素敵な人ばかりでした。毎日のディボーションを通じて、自分にはない考えや価値観を山のように浴び、同時に新たな自分を知ることもできました。とても楽しくて深いこの時間を通して、感じたこと全てを共有できる仲間を得たと思っています。

これからの人生、折れそうになることや挫けそうになる時があると思います。そんな時、あの時自分が感じた気持ちと覚悟、そして出会ったみんながどこかであの時共有した気持ちを持って頑張っている。そう思うだけで頑張っていける気がします。

義足の形を整え始める若子さん

もっと早く、数年前に経験したかった。何度かそう思いました。でも、一方で、何かを始めるのに遅いなんてことはない、とも感じました。この歳で、この経験ができて良かったし、この経験をしないまま今後生きていく自分がいたと思うとゾッとします。

この選択をした自分、そしてこう思わせてくれた参加者のみんな、何よりこのような機会を与えてくださったJELAの皆さん、支援者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。23年間生きてきて、こんなにも濃い10日間を過ごしたのは初めてでした。僕という一人の人間の人生にとって転機となりました。非日常の中で得たこの経験を、日常の中でも忘れません。








【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その6)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

 
参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、6回目の今回は菅井なるみさんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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菅井なるみ

菅井さん
私は2024212日にインドの地に初めて降り立ち、そこから濃密だけど一瞬のように感じた10日間を過ごし、その中で私は沢山の刺激を受けて日本に帰国しました。その刺激をCRHPでのワーク、生活とディボーションの3つを通して紹介します。

 
1.キャンプでのワーク
CRHP滞在中に義足作りや村とスラム街の訪問、病院見学など様々な経験をさせていただきました。それらを通して痛感したのは自分の無力さで、それを義足作りで強く感じました。義足作りでは一枚のアルミから型を取り、成形するという作業を行いました。最初は思い通りに行かず苦戦しましたが、現地の職人からの指導によって徐々にコツをつかんで上手にできるようになりました。上手くできると現地の職人の方もニコッと笑ってくれて、言葉はわからなくても義足作りを通してコミュニケーションをすることができた気がしました。
 
そして義足の贈呈式では、実際に作成した義足を患者の方に手渡しをしました。贈呈後、一人の患者の方が代表で熱いスピーチをしてくださり、感謝してくださっていることが伝わりました。しかしこの贈呈式に対して申し訳なさを感じました。なぜなら義足作りは、それ自体素晴らしい経験ではありましたが、お手伝いをさせていただいている部分が大きいように感じたからです。義足作りに関してはそこに無力さを感じました。 

ですが、これは決してネガティブだけの感情ではありません。そもそも何の技能もない一端の学生が現地に来て何か貢献しようなど思い上がりかもしれません。だからこそ実際にCRHPやスラム街などに自らの足を運び、そこで自らの目で見て知ったという事実が重要だと思います。義足作りなどで感じた無力さは、それらを受け止めて次にどう繋げていこうかという前向きな気持ちにさせてくれた刺激でもありました。
義足作り作業に励む菅井さん

2.CRHPでの生活
CRHPには我々日本人キャンパーだけでなく、アメリカ、ベルギー、インド国内からのインターン生もいました。そのためCRHPはインターナショナルな空間で毎日愉快でした。ある日、インドのインターン生の主催でインドの遊び文化の体験と互いの国の歌や踊りを紹介し合う会がありました。全員でインド流の鬼ごっこをしたり、日本の踊りの紹介としてソーラン節を踊ったりしました。外国の方と互いの文化を通して繋がりあう、日常ではなかなかできない経験ができました。
 
こうした日々の中にも、非日常的な経験にとどまらない刺激がありました。それは言語です。もちろん言語の壁を越えて楽しむことができました。しかし、言われたことを理解できなかった時や他のキャンパーが外国人インターン生と会話している姿を見た時、自分ももっと英語を喋れたらなと感じることがありました。こうしたもどかしさのようなものが一つの刺激となって、会話するための語学を頑張ろうという気にさせてくれました。
施設のプレスクールで作業する菅井さん
 
3.ディボーション
ディボーションでは一日のおわりにワークの振り返りを含めてみんなで聖書の一部分を読み、それに対しての感想や自分視点に置き換えての考えを共有しました。ここでの経験は普段全くなじみがなく新鮮で、自分の価値観や考えを共有しあう貴重な経験でした。それと同時に聖書の言葉や他の人の考えを聞いて自分の行動や考えを見つめ直す刺激にもなりました。
 
まず聖書を読む時間は私にとって、気づきや生き方の指標を与えてくれる時間でした。一番印象に残ったのは貧しさについて書かれた箇所を読んだ際に聞いた、引率牧師の多田先生による「物的に富んでいる人は損得勘定で物事を判断する」という言葉でした。このように聖書を通して知らず内に自分の中で当たり前になっていたことに疑いの目を持ち、自らの行動や考えを見つめ直すことができました。
 
また聖書だけでなく、他のキャンパーとの考えの共有を通して自分を見つめ直すことができました。あるディボーションで「大人になることとは」という問いがありました。それに対して私は義務感のようなものを感じていましたが、ある人が「大人になろうとしなくてもいいのでは」という考えを共有してくれました。私はこれを聞いて自分が肩に力を入れすぎていることを自覚させられました。以上のようにディボーションという時間は私にとって聖書や他のキャンパーの言葉を通して内省させてくれる有意義な時間でした。 
菅井さんを含む参加者たちが分かち合うディボーションの様子

インドでのキャンプを通してたくさんの刺激を受けました。そしてキャンプを終えて、これからどう生きるか選択肢が広がったように感じています。少しでもこのインドワークキャンプに興味を持った方はぜひ参加してみてください。必ず何か感じるものや得られるものがあるはずです。

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2024/04/10

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その5)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク

 
参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、5回目の今回は古屋若菜さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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古屋若菜

古屋さん(左)とCRHP義足職人
私は、昨年のカンボジアのワークキャンプに続き、今回のインドのワークキャンプにも参加させていただきました。カンボジアの旅は、私にとって初めての海外渡航であり、日本との違いや、海外の面白さに気付かせてくれた旅でした。今回のインドのワークキャンプは、私にとって一人一人の発する言葉が耳に残り、何事も考えさせられる、そして、楽しさと悔しさ、難しさなどの多くの感情と出会わせてくれた旅だったと思います。特に、私に気づきを与えてくれた大きな出来事が2つあります。

一つ目は、プレスクールに通う子供たちのお迎えに行った際に、子供たちが住んでいるスラム街を回ったことです。そこは、本などで見る景色とは全く違い、特に幼稚園に通っている子は、ほんの一握りで、他に学校に通うことのできない子供たちが多くいること、裸足、砂まみれ、パンツも履いていない状態の子もいました。まさに「内臓が軋む」光景を目の当たりにしました。その後は、何をしていても自分は、こんなに楽しんでいていいのか、彼らのために何ができるのか常に考えていました。ですが、人類がこれまで思いつかなかったことを自分がこのワークキャンプ中に見つけられるわけもなく、心に大きな穴が開いたような気がしていました。
 
2つ目は、義足の贈呈式です。私たちのプログラムはたった10日間であり、少しだけお邪魔して、沢山の優しさを与えてもらっているだけのように感じていました。また、義足作りを指導してくださった職人の方々は、私たちがお昼を食べている間も、夜ご飯を食べている間も休まずトンカチで義足を打ち続けてくれていました。ありがとうと言われるべきは、私たちではなく、職人の方々なのにという思いを抱いていました。また、義足を渡す人たちは、足を失うというつらい経験をしているため、健康で日本から来た見知らぬ人たちに偉そうに義足を渡されてどんな気持ちなのか不安になっていました。
プレスクールに通う子供たちと歩く古屋さん(白シャツ)

 これら2つの体験でネガティブな気持ちになり、なぜ自分がワークキャンプに来たのか分からなくなり、何もしていない自分に無力感を感じました。しかし、2つの出来事をディボーションの際に話し合い、聖書の言葉を通じて本音を話し、キャンパーの本音を聞き、話し合うことで自分の中に合ったモヤモヤした気持ちを、消化することができました。このような時間を持つことで、経験した出来事を深く考え直し、整理し、言葉にすることができたのだと思います。
 
様々な人々と出会い、たくさん笑い、幸せな時間も数えきれないほどたくさんありました。
CRHPJELA・支援者の方々、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。インドの子供達・社会に、私には何ができるのかを人生の問として考えていきたいです。
古屋さん(右)を含む参加者3人とCRHPで出会ったお友達




2024/04/09

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その4)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク
 
参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、4回目の今回は城戸 はるかさんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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城戸 はるか

初インドで、初めてのスラム街に行きました。日本の貧困層とはまた違う問題があると感じました。日本では上下水道の完備、電気、ガスの普及は当たり前であるがここでは普通じゃない、お金持ちのお家だけという感じでした。自宅にお風呂とトイレがあるのはインドでも同じですが、公衆トイレの清潔さなどは皆無でした。公衆トイレが綺麗なこと、トイレットペーパーがあるのが当たり前なのは日本だけなのだと痛感しました。
 
子供達の迎えや、村人の健康チェックをCRHPプレスクールの先生としている時、見ず知らずの私達に村人はにこにこ笑いかけ、子供達は嬉しそうに手を繋いでくれました。日本では知らない人は無視をしたり見ないふりをしたりすることも多く、日本ではこんな経験できないだろうなと思いました。
城戸さん(右)と現地の子ども
 
子供も大人も裸足の人が多く、足の指が変形していたり足の裏が怪我している人も多くいました。また、来ている服はサイズが合っていないものばかりで、貧困のせいで服や靴が買えないのかな?と思いました。家畜や野生動物が家の目の前や村全体で放し飼いになっているので糞尿の臭いがたきつく、衛生面が心配になりました。
 
CRHPでは1週間で52足の義足を作りました。言葉は通じませんが丁寧に職人さん達が私達に義足の作り方を教えてくれました。金属板を切ったり、叩いて変形させるという事を経験したことが無かったので全てが新鮮でした。すごく力がいるので血豆ができている子や、手に豆ができた子もいました。義足が完成して贈呈する時、患者さんは泣いて喜んでくれて、こんなに感謝されることは少ないと思いながら感動的なシーンに立ち会う事ができました。
義足を仕上げる城戸さん

他の国からボランティアに来ている人達も優しくて、綺麗な景色が見える場所を案内してくれたり、ご飯を一緒に食べたり、夜に中庭で遊んだりと楽しい思い出が作れました。お互いの国の文化を披露し合ったりしました。
 
今回のキャンプでディボーションを初めてしました。自分とは異なる意見を聞ける貴重な機会でした。ただの意見ではなく、その人が持っている奥深い意見の様な気がしました。普段は考えた事ないものも、今回のディボーションでは考える事ができました。誰かの話に感動して涙する子や、自分に自信が無いけれどこのキャンプで何か掴みたい子、このキャンプで無力さを感じた子など多様な考え方の人がいるんだなぁと改めて感じる事ができました。
プレスクールの修繕作業をする城戸さん

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