このたび広島文化学園大学(広島市)のクラスの中でJELAの難民支援や難民問題一般についてゲストとして話をする機会をいただき、6月22日に難民支援事業担当の下川職員が学生たちに講義をしました(講義内容のサマリーはこちら)。
以下は下川職員からの報告です。
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私が講義をしたのは、「日本と国際社会」というテーマに、世界の様々な課題とそれに対する取り組みを視点にしてアプローチするクラスで、子ども学科や音楽学科の学生たちの教養科目という位置づけです。私は約50分間、「難民」の定義にはじまり、世界の難民の概況、日本における難民の生活や支援の現状、「ジェラハウス」を中心としたJELAの難民支援事業、日本の難民支援の今後の課題等について話しました。
学生たちは、現在の世界の難民数が、中国地方と九州地方の人口の合計よりも多いことや、自国内で避難生活を送っている「国内避難民」の数を合わせると英国の人口と同じくらいになることを聞くと、戦後最悪とも言われる今の難民問題の大きさに驚いていました。また難民の存在は、普通の日本人の生活の中では実感しにくいものですが、昨年日本での難民認定申請者数が1万人を超えたことを紹介すると「そんなに?」という声が聞かれました。
残りの時間は質疑応答に充てられ、学生たちからは「難民たちはどうやって日本に来るのか」「子どもの難民は日本で教育を受けられるのか」「人々が難民にならないためにはどうしたらいいのか」など、難民問題に一定の関心を持ってもらえたことを感じられる質問が次々と投げかけられました。
クラスをとっている30名強の学生の大半は大学3年生ということで、NGOへの就職の仕方や仕事内容、英語能力についても話題が及び、難民支援以外のことでも受講者にとって参考になる面があったかと感じました。卒業生の多くが小学校等で教職に就くとのことで、クラスの担当講師は「教育関係者以外の人の仕事の話を聞くのが新鮮で、関心を持ったのでは」とおっしゃっていました。
政治学などの専攻ではない学生たちに対して、どのように話したらいいだろうか、興味を持ってもらえるだろうか、と最初は不安がありましたが、学生たちは終始真剣に耳を傾けてくれ、国際的課題に対する若い世代の関心をじかに感じることができました。このような問題意識にあふれた若い層にJELAの活動に加わっていただくにはどうすべきかと考える等、自分自身にとっても勉強になる経験でした。 (下川 正人)
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