東南アジア出身で難民申請中のAさんは、左半身が不自由な40代の男性でした。2013年から体の不調を訴え精密検査を受けました。2014年1月に出た検査の結果は末期がん、医師からは手の施しようがない、余命数ヶ月と宣告されました。
異国の地でがん発病を知り、余命宣告されたAさんの気持ちを計り知ることはできませんが、大変な不安があったものと思います。そのAさんが支援団体である難民支援協会(JAR)に求めたのは、祖国への帰国でした。これを知ったJELAでは、一刻も早い帰国を実現すべく、祖国まで同行する介助者を含めた航空券の全額負担を即断しました。
AさんはJELAの難民向け日本語クラスの生徒だったこともあり、日本語教師のボランティアの方々とも親しくしていました。先生方にAさんの状態を伝えたところ、お見舞いに駆けつけてくださいました。ある先生は、フルーツやステーキなどAさんが希望するものを作ったり、差し入れをしてくださいました。またある先生は、体の不自由なAさんに代わって洗濯や部屋の掃除をし、体をタオルで拭くなどなど、献身的に支えてくださいました。Aさんは人懐っこい性格だったので先生方の訪問を心から喜んでいました。
Aさん宅でハープと祈りを届けるキャロル宣教師 |
ところで、難民申請中のAさんが帰国することは容易なことではありませんでした。手続きには数か月を要し、帰国が実現したのは5月の連休明けでした。空港でAさんは「JELAありがとう、(日本語の)先生ありがとう、バイバイ」と笑顔で介助者と一緒に出国していきました。
日本を後にするAさん(成田空港) |
クリスマスのこの時期に、神様に感謝しつつ皆様に、今年あった大きな出来事としてご報告いたします。どうか皆様、よいクリスマスをお迎えください!
なお、Aさん関連の別の記事は、生活支援を行ったJARスタッフによる寄稿文として機関紙「ジェラニュース36号」(2015年春)発行に掲載いたします。
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