訪れたのは、学校法人イエス団・甲子園二葉幼稚園と賀川記念館です。前者には園児のお母様方をはじめ、教会員の方たち約50名が集まってくださいました。後者は、イエス団教会の障がい者施設・乳児院・児童養護施設・保育園・幼稚園の各主任が集まる「イエス団全体主任会」の第1回の集まりで、30名が参加なさいました。
キャロルに同伴し、歌とハープ演奏などでこのセミナーで奉仕してくださった、リラ・プレカリア研修講座3期修了生の宇賀神智子さんによるレポートを以下にご紹介します。
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幼稚園では、お母様と一緒に未就園のお子さんもその場におりましたが、最後にハープを弾いている時には後ろの方で聴いていたお子さんたちは、みんな寝ていたとのことでした。また、お母様が真剣に聴いている姿を見て「静かにしていよう」と思ったのか、いつもははしゃいで母親を困らせている子が、演奏の間ずっとお母様の膝の上で大人しく聴いていたとの話でした。お母様方からも「癒された」などのコメントをいただきました。
イエス団主任会の様子 |
また、普通の人があまり聞いたことのない言葉で歌います。それは、メッセージ(歌の内容)を押し付けたくないからです。知らない曲、知らない言葉で弾き歌うことで、聴く人が自由に心の旅をしていただけたらと願っています。
今回の2つのセミナーでは、リラ・プレカリアの奉仕で使っている音楽の中から”Lullaby(ララバイ=子守唄)”を中心に取り上げました。
幼稚園では、ある3歳のお子さんのことを例にキャロルさんは話しました。幼稚園など家の外での人間関係に問題があったとしても、苦労や悲しいことを乗り越えると大きく成長する力になる。その子自身が他人の痛みに共感することができるようになる。そして、家に帰って親からたっぷりの愛情を受け、居場所があることがわかると困難を乗り越える力が与えられるのだ、という内容でした。
この時、マルコによる福音書4章30~32節が紹介されました。最も小さな種が栄養をもらうと大きく育ち、空の鳥を守るようになる、という思いを込めて。
「イエスは言われた。『神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。』」
キャロル宣教師(左)と宇賀神さん |
お母さんが歌うララバイは、この世に生まれて初めて出会う音楽であると私は思います。言葉の意味がわからなくても、お母さんの「あなたは愛されていますよ」「あなたは大事ですよ」「どんな時も一緒にいますよ」「ひとりではありませんよ」というメッセージは伝わるはずです。
ララバイは、私たちの原点、原風景に帰ることができる音楽のように思います。だから、大人になっても”ララバイ"を聴くと、大きな愛、普遍的な愛に包まれ、安心できるのではないかと思いました。まさにリラ・プレカリアがモットーとしている「言葉がなくても祈れるように神様は音楽をくださった」のだと思います。
今回、キャロル先生と共に音楽を奏でる機会を与えていただきました。
「歌う人の祈りは二度の祈りに等しい」
ふたりで奏でた音楽がそれ以上になって会場にいらした方たちに届けられたのなら幸いです。
(宇賀神智子)
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