2015/12/14

【宣教師支援】 英語教授法講座 聴講レポート

先日のブログ記事で、中高生や成人に英語を教えながら日本福音ルーテル教会のために奉仕する短期宣教師(J3)のためのESL(英語教授法)講座をJELAが今年から強化したことをお伝えしました。

いったいどんなことを習っているのか、JELA職員の下川正人が129日の授業を体験しましたので、以下にそのエッセンスをご紹介します。

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この日のテーマは「リスニング&スピーキング」。英語で話すとなると口が重くなり、人前で話すことは特に苦手、という日本人が多いです。講師のジャン・プレゲンズ先生(ルーテル学院大学教授)は、そういう人たちに対して英語の口頭コミュニケーションスキルをいかに効果的に教えるか、ということに焦点を置いた授業を行いました。

<一般的注意点>
はじめに、日本人にとって英語での「聞く・話す」を難しくしている要因など、教授上の注意点が概説されました。例えば、単語や文の中で強勢(ストレス)を置く場所や、日本語には少ない子音の連結、「going to」→「gonna」のような発音上の省略などについてです。これらは、英語のネイティブスピーカーであれば普段はまったく意識しないことですが、日本人対象のクラスでは教師自身が意識して教える必要があります。

<楽しく学ばせる工夫>
続いて行われたのが、英語の授業で有用なアクティビティ(活動)の紹介。語学は、ともすると単調でつまらないものになりがちですが、ゲームなどのアクティビティを取り入れることで一気に生徒の関心を惹きつけることができます。

私たちが実際に試したのは「Catch my finger」(指つかみ)というゲームです。シンプルな遊びですが、ちょっとしたスリルがあって、大人どうしでも盛り上がってしまいました。キーワードがいつ登場するかと緊張しながら文章を聞くため、自然と集中力の高まった状態で英語に耳を傾けることになり、効果的にしかも楽しみながらリスニングの練習をすることができます。このような、自然に英語を身に着けさせるテクニックは、教室で大いに役立つことでしょう。
授業風景
<英語で上手に発表するためのコツ>
後半では、口頭プレゼンテーションを教える際のコツや、話の組み立て方について学びました。母語であっても人前で何かを発表するのは緊張することですが、ツボを抑えて正しく準備すれば、落ち着いて効果的なプレゼンができるのです。

例えばプレゼンの冒頭には「つかみ」を入れます。興味深い物語や驚きを誘うような統計を紹介したり、何らかの問いを投げかけたりして、聴衆をプレゼンに引き込むのです。話題が変わるときには、つなぎ目を明確にして、聞き手が発表の論理的な流れを追いやすいようにすることも重要です。

発表者としての心の持ち方にもポイントがあるとおっしゃっていました。緊張しすぎると、聴衆がまるで敵のように思えて心細く感じがちですが、「自分に失敗してほしいと思っている人はいない、みんなこの発表が成功するようにと思っている」と考えることで、のびのびと話をすることができるのです。聴衆を味方につけることを意識することが大事だということです。

以上の知識は、日本語で何かを発表した経験も少ないであろう中学生・高校生にとってはもちろん有益ですし、大人になってからも活かし続けることができるものですから、それをESLの先生から英語の時間に学べるのはとても有意義なことに思えます。

JELAがJ3に提供する、英語の教え方についてのこのようなサポートが、お二人がこれから赴く教育現場で十二分に発揮されるように期待しています。(下川正人)


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