2016年5月10日火曜日

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】私の実習体験<その一>

2年間の研修講座をこの3月に修了した中島望さんが、実習時の体験を綴ってくださいました。長いので三回に分けてご紹介します。他の回は以下からご覧いただけます。
<その二> →「元暴力団員の患者さん」
<その三> →「音楽による祈り」

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与えるよりも与えられる奉仕
中島 望

カードを持つ中島さん(後方左)と5期生ら
実習初日、最初の患者さんは70代の女性で、話すことのできない状態の方でした。肩でゼイゼイと息を苦しそうにして仰向けに寝ていました。私は患者さんに挨拶した後、椅子に座って、患者さんの呼吸を見ながら沈黙し、神様が導いてくれるのを待ちました。

ハープのひとつの弦を鳴らすと、そこはとても静寂な、神様がいらっしゃる神聖な場所に変わりました。病院内の看護師さんが走り回る音や話し声が耳に入ってくるものの、すべての雑音が調和されて、そこには、私と患者さんと神様だけがいる空間となりました。

最初は、ハープだけで何度か同じ曲を繰り返し弾きました。そして、しばらくしてハープと共に歌い始めました。そうすると、話せない状態の患者さんが、「あ~、あ~」と歌い始めたのです。また、ハープだけになると、患者さんは静かに呼吸をするだけになりました。

奉仕が終わった後、「聞いてくださってありがとうございました」とあいさつすると、「あ~」と言って手を伸ばされました。私は、その手を握って、お礼を言って部屋をでました。その時、なぜ、リラ・プレカリアが、ボランティアという立場にこだわって奉仕をするのかがわかったのです。それは、奉仕を通じて、私たちは与えるより、与えられるほうが多いからなのだということです。

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リラ・プレカリア(祈りのたて琴)研修講座とは、ハープと歌の祈りを届ける奉仕者を養成する講座です。

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日本福音ルーテル社団(JELA)