<その二> →「元暴力団員の患者さん」
<その三> →「音楽による祈り」
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与えるよりも与えられる奉仕
中島 望
カードを持つ中島さん(後方左)と5期生ら |
ハープのひとつの弦を鳴らすと、そこはとても静寂な、神様がいらっしゃる神聖な場所に変わりました。病院内の看護師さんが走り回る音や話し声が耳に入ってくるものの、すべての雑音が調和されて、そこには、私と患者さんと神様だけがいる空間となりました。
最初は、ハープだけで何度か同じ曲を繰り返し弾きました。そして、しばらくしてハープと共に歌い始めました。そうすると、話せない状態の患者さんが、「あ~、あ~」と歌い始めたのです。また、ハープだけになると、患者さんは静かに呼吸をするだけになりました。
奉仕が終わった後、「聞いてくださってありがとうございました」とあいさつすると、「あ~」と言って手を伸ばされました。私は、その手を握って、お礼を言って部屋をでました。その時、なぜ、リラ・プレカリアが、ボランティアという立場にこだわって奉仕をするのかがわかったのです。それは、奉仕を通じて、私たちは与えるより、与えられるほうが多いからなのだということです。
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※リラ・プレカリア(祈りのたて琴)研修講座とは、ハープと歌の祈りを届ける奉仕者を養成する講座です。
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