2018/09/13

【信仰書あれこれ】子どもと大人のための祈りの絵本

『お祈りしたいな』(絵:カルメ=ソレ・ヴェンドレル、文:マリ=アニェス・ゴドラ、訳:佐久間彪、1991年、至光社)をとりあげます。

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E7%A5%88%E3%82%8A%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%AA-%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%89%E3%83%A9/dp/478340204350ページに満たない、祈りのための小さな絵本です。まえがきで原著者のマリ=アニェス・ゴドラは、この本を作った趣旨を説明します。「……子どもが想像力を働かせるための具体的なイメージを描いてみました。……絵を見ているうちにお祈りの最初の一歩が踏み出せる、最初のひとことが出てくる、そうなるようにと、絵に短い言葉もそえてあります。それがお祈りを始動させるでしょう」。

ゴドラはさらに続けて説明します。「この本のテーマが一貫して『神さまとの出会い』なのは、子どもたちが、『祈りとは何か』ということを知るためにほかなりません。つまり、祈りというものは『暗記用の祈り文』でも、『祈りのための処方箋』でもなく、……その場そのときに、うちから溢れてくるものであるはずだからです」。


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すべてのページに、表紙と同じような、祈りのテーマに沿ったやさしい絵が描かれています。ここでは、一か所だけ引用します。


・ 大好きなひとに会うと
  私は しあわせになって
  そのたびに 私のどこかが
  変わっていきます。

  三つの絵があります。
  起き上がりこぼし 小石 ガラス。

  お祈りで 神さまにお会いすると
  私は 少しずつ 変わっていきます。(23頁)


上記の文の後に、起き上がりこぼし・小石・ガラス、それぞれについての絵と文が続きますが、ここでは、小石に関する文を紹介します。


・ 水につかった石けんのかけらは
  いつのまにか
  水にとけて なくなってしまいます。

  でも、小石は水にとけません。
  それどころか 滝や川の水のなかで
  いつのまにか 角がとれて
  まるい きれいな形になります。

  「かみさま
  わたしのこころが あなたにみがかれて
  きれいな こいしのように なれますように。」(26頁)


訳者の佐久間彪氏(カトリック司祭)はあとがきにこう書いています。「このすばらしい祈りのための絵本を、子どもたちのため、いやむしろおとなのためにこそ訳しておとどけします。……小さい、うすい、でも、深い広い祈りの世界に導いてくれる楽しい本。それが、この祈りのための絵本『お祈りしたいな』なのです」。

同じ出版社から以下の姉妹編の絵本も出ています。
からだで祈ろう』『朝です―復活祭の祈り―』『光です―クリスマスの祈り―』『うれしいときのお祈り』『おはなし しよう 神さまと わたしの詩編

いずれも、きれいな絵とやさしい言葉で祈りの本質に導きます。大人が読んでも心に響く本です。

JELA事務局長
森川 博己
 
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