2017/11/21

【ブラジル・音楽ミニストリー報告】カンフーに感謝

ブラジル・サンパウロ教会が子どもたちの情操教育のために行っている音楽ミニストリーをJELAは支援しています。1ヶ月間一部お休みになった音楽教室の代わりに行ったのは? 徳弘宣教師ご夫妻による報告です。
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10月はジアデマの音楽教室はお休み。理由は二つです。一つは、ジアデマ教会に二階を増築する計画のため、教室のある場所が子どもたちには危ないから。もう一つは、音楽を教えている徳弘由美子先生が急遽日本へ一時帰国することになったからです。ご両親が心臓とがんで同時期に同じ病院で手術をすることになり、お世話が必要なのです。

午前クラスの小さな子たちには、「楽しい音楽自習ノート」を作って渡しました。一か月完全にお休みです。午後の年上の子たちには、教室に来るという生活リズムを続けてほしいので、
代わりの会場を借り時間を短くして、いつもと違った勉強をすることにしました。メニューは映画会、カンフー教室、日本語講座などで、会場は近所のパーティ会場を借りました。

さてカンフーですが、最初は嫌がって部屋の隅で携帯をいじっていた子どもたちですが、ボランティアの先生が携帯を取り上げて参加を促すと、照れながら「イチッ、ニッ」と始めました。先生はサンパウロの教会員の娘さん夫婦。サンパウロ教会の中庭は毎晩、生徒が集まり道場になっています。先生は寡黙なブラジル人ですが、みんなを上手に指導します。奥さんのほうは楽しそうに、グローブで女の子たちのパンチを受けます。手で突き、足を上げ……だんだんみんな楽しくなってきました。

習が終わると、「ねえ、センセー。来週もカンフーあるの?」と何人も聞いてきます。「みんながお行儀よく一緒にやれるなら、頼んでみるよ」と答えると、「お願い、とっても気に入ったから、来週もやりたい!」とのこと。
実は、一度試しにやってもらった後、カンフーの先生と議論したことがあります。「子どもたちは行儀が悪くて、授業中に出たり入ったり。あれじゃだめだ。ちゃんとやる気がある子どもならいいんだけど」。私も負けずにポルトガル語で応戦しました。「ちょっと待って。最初から動機づけできていて、行儀がいい子たちがそろっていたなら、カンフーの授業を頼まないってば。知ってるでしょ、ブラジルの学校や子どもたちの問題。学級崩壊で、先生や友達の話を聞かないし。だから、音楽やカンフーを通して楽しくひきつけながら、しつけをやり直してるんだよ。だから、あなたに頼んでるんだよ」。

貧しい地域の子たちは、いろいろと気の毒な問題が多くて、なかなか落ち着いていません。彼も、それならば、と引き受けてくれました。

あっという間に一か月が過ぎ、いよいよ11月。由美子先生も両親が退院した後は弟妹夫婦にまかせて帰ってきました。朝クラスの子どもたちは、宿題帳を持って集まりました。新しい子どもも来てくれました。午後の子たちも音楽やパソコンで思いっきり楽しんでいました。
子どもたちを指導する由美子先生(中央)
「なんだか、前よりもお行儀がよくなった気がする」と由美子先生。毎週見ていると気づきませんが、少しは音楽教室やカンフー教室の効果もあるかもしれません。

パソコン教室では、探求心や問題解決力を養うように気をつけています。ボランティアには、海外赴任の駐在員の奥さん方(日本人)に加え、お友達の台湾出身の奥さんも来てくれるようになりました。地球の反対側で国際交流も広がります。

子供たちは12月のクリスマス礼拝や発表会に向けて、一生懸命練習中です。今後とも、お祈り、お支えをよろしくお願いいたします。

徳弘浩隆・由美子

 
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