2017/12/08

クリスマスは何をする日?

NHKの「クローズアップ現代」で長年キャスターを務められた国谷裕子さんにお会いする機会がありました。帰宅後に、国谷さんの『キャスターという仕事』(岩波新書)を読み返したところ、クリスマスを扱った同番組制作時の次のエピソードに興味を引かれました。

インタビューを受けるのは脚本家の倉本聰さん。本番で流すVTRリポートを事前にスタッフとながめた直後に倉本さんはこう言い放ったそうです。

   「全然違う、俺は帰る」

スタジオにいる国谷さんとスタッフのあわてぶりが目に浮かぶようです。

イラスト:たかみねみきこ
倉本さんが言いたいのは、「クリスマスは何かをしてもらう日ではない。何かを人のためにする日だ。VTRリポートには、こうしてほしい、あれが欲しいが描かれている。まったく違う」ということらしいのです。この「事件」について国谷さんは、「倉本さんはクリスマスとは本当はどういう日かを話してくれた。私は、大事なことに気づかされた思いがした」と結んでいます。

クリスマスの朝、欲しくてたまらなかった野球のグローブや玩具を枕元に見つけて大喜びした幼い頃。プレゼントにはサンタさんからの手紙もついていました。「なんか、おかあちゃんの字みたいやなあ」(筆者は大阪育ちです)とつぶやきながらも、それ以上は追及しないという「純真な」子どもでした。

親子の愛情の分かち合い。それはそれで素晴らしいものです。しかし、倉本さんが言う「人のために」の「人」には、もう少し広い意味が込められているでしょう。国を追われた難民近くに学校がないアジア貧村の子ども震災で多くを失い子どもの学費に苦労する母子家庭……こういう人々を含む言葉ではないでしょうか。JELAはそのような人々を支援する団体です。

クリスマス。それは、家族や人々に愛を分け与えるときです。家族団欒を楽しんだあと、JELAに寄付をすることによって、今年のクリスマスをより充実したものにしませんか。

世界は皆さんお一人お一人の愛の奉仕と捧げものによって少しずつ、しかし確実に、よりよいものに変えられます。皆さんの愛の奉仕のお手伝いをJELAにさせていただけませんか。

2017年のクリスマスを前にして
JELA事務局長 森川博己


*ご送金いただける場合は以下をご覧ください。
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