2017/12/19

【ブラジル・音楽ミニストリー報告】音楽やパソコンを習うのは何のため

ブラジル・サンパウロ教会が子どもたちの情操教育のために行っている音楽ミニストリーをJELAは支援しています。以下は徳弘宣教師ご夫妻による最近の報告です。

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2学期の発表会の途中にビデオを見せて少しお話をしました。2月から始めた教室のスナップ写真を50枚選んで音楽付きのビデオを作っていたので、これを上映しました。子どもたちは自分が出てくると手をたたいたり、他の子が出てくるとその子の肩をたたいたり、大喜び。この1年弱を振り返り、みんなで楽しみました。
楽器と歌と踊りで楽しむ子どもたち
「今日のビデオはこれで終わりじゃないんだよ。先生が撮ってきた外国の写真を三つ見せます。みんなで一緒に、ちょっとアメリカと、カンボジアと、インドに行ってみよう!」というと、お母さんたちも興味津々。

「アメリカはお金持ちの人ばかりと思う? そうじゃないんだよ。貧しかったり、年をとって体が弱いのに一人で暮らしていたり、いろんな人が住んでいて、教会のボランティアのみんながお手伝いに行くワークキャンプというのをやっているんだよ。手伝っている子には、みんなより少し年上だったり、同じくらいの子もいるねぇ」。

「次はカンボジアだ。国の中で戦争があって、地雷もたくさんあって、学校があんまりないんだ。だから、小学校を建てる手伝いやペンキ塗りをしたりするボランティアに日本から行ってるんだ」。

「最後はインド。貧しくて病院に行けなくて足を切ってしまった人たちに、義足を作ってあげるのを手伝うボランティアに日本から行っています。這っていた女性が歩けるようになったり、『新しい足』でバイクを運転して仕事もしやすくなったおじさんもいるんだ。今までは人に助けてもらっていたけど、自分で歩けるようになって、仕事もできるようになって、次は、人のお世話をしてあげられるようになるんだ」。

こんな感じで、彼らの少し年上の子たちも、日本の教会からJELAのプログラムに参加して外国の困っている人たちのお手伝いをしているということを話しました。

子どもたちもお母さんたちも、教会員やスタッフも、神妙な顔をして聞き入っています。「だからね、先生たちがここで音楽やパソコンを教えているのはね、楽しむためだけじゃないんだ。みんなが勉強して、立派な大人の人になること。そして、今まで助けてもらってきたら、今度は困っているほかの人を助けるような人になってほしいからなんだ」。みんなうなずきながら聞いてくれました。
ビデオとお話を熱心に聞く
数日後です。今度洗礼を受けることになったアナライザがホワイトボードに何か書いているので、そばに行ってみました。「Sensei、私の名前カタカナでなんと書くか、ちょっとわからなくなったから教えてよ」と言います。ポルトガル語で一つの文章が書いてあって、自分の名前のところだけ、習いたてのカタカナで書こうとしているところでした。

私はその落書きの文章を見て、とてもうれしくなりました。こう書いてあったからです。「Eu アナライザ quero ir ao Estados Unidos USA ajudar as pessoas de lá. Arigato. Obrigado. ♡(私アナライザはアメリカに行って、そこの人たちのお手伝いをしてあげたいです。ありがとう。オブリガード ♡)」。 インドやカンボジアのことも書き加えていました。
ホワイトボードの前のアナライザさん
「自分が助けてもらったら、そして教会に通って洗礼を受けて成長したら、勉強も続けて、今度は困っている人のお手伝いをしてあげられる人になってほしい」。そんな私たちの祈りが、少しは子どもたちの心に届き始めているのかもしれません。

これからも、祈りながら、取り組んでいきたいと思います。山あり谷あり、一喜一憂や資金不足も続くでしょう。でも、神様が必要と言われるなら、続けていきたいです。今後ともよろしくお願いいたします。
徳弘浩隆・由美子

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