2018/11/19

【信仰書あれこれ】日ごとの恵みを与えてくれる本

ジョージ・ダンカン著『日ごとの恵み――ケズイックの霊想』(増田誉雄訳、1981年、いのちのことば社、原著は1975年)をとりあげます。

副題にある「ケズイック」というのは、ケズイック・コンベンションのことであり、イギリスを発祥とする、ホーリネスが始めた超教派のキリスト教の聖会です。日本でも毎年行われていて、ジョージ・ダンカン氏は1963年から80年にかけて、講師として5回来日されています。

以下では、二つの黙想を引用します。

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生きることは建てること(9~10頁)
「だから、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行う者はみな、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができます。」(マタイ7・24)
  • (前半略)主イエスは、人の生には決定的な要素というものがあることを示している。機会は全ての人に平等に与えられている。ここに出て来る二種類の人たちも、主のことばを聞く機会を平等に与えられている。しかし、それぞれ異なった選択をしており、それが決定的なものになっている。このことはまた、教会に集う人々についても言える。同じ教会に出席し、同じ説教を聞き、同じ聖書を持っていながら、各人各様の選択をする。そして、それが人生に決定的なものをもたらすのである。……聖書は全体を通して、すべての選択の中で、主イエス・キリストに対する選択の態度ほど重要なものはないと強調している。これは、今の世における生だけでなく、来るべき世における生をも決定する。それゆえ、自分の、主に対する態度がどうなっているかを、時間をかけて省みなければならない。私たちは、主のことばを聞いて信仰を働かせ、みことばに服従してそれを行う者となっているだろうか。

確信(13~14頁)
「私は、自分の信じて来た方をよく知っており、また、その方は私のお任せしたものを、かの日のために守ってくださることができると確信しているからです。」(Ⅱテモテ1・12)
  • もし私が営業に携わるとするなら、二つのことで非常に明確に確信を持つことにしたい。まず、自分が販売しようとする商品の価値について確信を持たなければならない。次に、その商品に対する需要があることを確信しなければならない。……優秀なセールスマンにとって本質的に重要なことは、商品価値とか、サービス内容の価値、またそれに対する需要のあることについての強い確信を持つことである。キリスト者の生活についても同様である。「確信していること」が出発点となる。周知のように、初代教会のキリスト者たちは、自分たちの提供しているものの絶大な価値に強い確信を持っていた。……したがって、私たちがまず、より豊かな、満ち足りたキリスト経験に入ることが、何をおいてもしなければならない緊急事である。それは、より豊かないのちにあずかるためばかりでなく、キリスト経験の尊い価値を確信し、他の人々にそれを伝授するためである。もろもろの罪の赦しということを別にしても、日々の実際生活で他の人々に分かち与えるに価する何かを、私たちは持っているであろうか。初代教会において、それはまさにキリスト経験そのものであった。この経験は完全に心を満足させるものであり、驚異的な価値のあるものであったので、初代のキリスト者たちは、キリストご自身を高く掲げて宣べ伝えたのである。

この本は、以前に紹介したO・ハレスビーの『みことばの糧』と並んで、毎日のデボーションに特別に有益なものだと思います。

JELA理事
森川博己