2017/10/02

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】ホスピスで奉仕中の修了生からの便り

弓削萬里さんは、リラ・プレカリア研修講座の第1期修了生です。現在、神奈川県横須賀市にある病院のホスピスで奉仕をされています。ある日の様子を以下にご紹介いたします。

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神様の道具となれたことに感謝して

リラ・プレカリア研修講座第1期修了生
弓削 萬里

2017年9月22日のK病院での出来事をお伝えします。 当日、二人目の方へのパストラル・ハープの奉仕を終わるのを待っていた看護師長から、「もう少しで息を引き取られそうなか方にハープをお願いできますか」と言われ、患者さんの部屋を訪れました。

病室には、患者さんとその息子さんがいました。息子さんが見つめるお母様は、弱く静かな呼吸をされていました。私はいつの間にか「Be still」(心を静めなさい、という意味の曲)を低音で静かに弾いていました。息子さんの嗚咽に指が止まりそうになりながら、繰り返しゆっくり弾きました。

そしてオクターブを一段階上げてメロディーを引き始めた時、患者さんは静かに天に召されました。穏やかな最後でした。

温かく優しい眼差しを患者さんの姿に感じ、自然に指が別の曲を奏でました。演奏しながら、息を引きとられた患者さんが平安でありますようにと祈りました。

その間、20分くらいです。こんな私でも神様の道具となれたことに感謝いたしました。

すべての奉仕が終わり、帰り際に息子さんは私に、「音楽が大好きだった母をハープの音色で包み、最後を迎えさせることが出来て、母は喜んでいると思います。ありがとうございます。感謝いたします」と告げ、「臨終の時にたち合わせて申し訳ありません。大丈夫ですか?」と労ってくださいました。

これこそリラ・プレカリアの働きだと感謝しています。神様のお導きです。とても大切な経験をいたしました。神様に感謝の祈りを捧げました。

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