すべて匿名で掲載します。
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ある病院で、まさに息を引き取ろうとされている方に奉仕をしました。長く療養されている、まだ若い女性の方でした。
看護師さんたちは、まだ「その時」とは認識しておらず、したがって家族も呼ばれておらず、患者さんについて、「今日は朝から何も食べずに眠っているんだけど、(部屋に)入って(演奏して)くれる?」と言われて、おそばに行きました。
始まるとしばらくして、タオルケットの下で足が動きました。15分経った時、火が消えるように、静かに穏やかに呼吸の波が止まりました。廊下におられた看護師さんに声をかけました。
他の看護師、医師も駆けつけ、心臓マッサージなど処置をされる中、最後の様子をお伝えし、次の奉仕者の所へ行きました。そこで30分ほどご奉仕させていただき、部屋を出たところ、さきほどの患者さんのご家族が駆けつけておられました。
主治医の先生が手招きをし、「(患者さんが)最後に聴いた音楽をもう一度、ご家族のみなさんに聴かせてくださいますか?」と言われ、患者さんのベッド脇で、ご家族の見守る中、キリエを弾きました。
演奏が終わってからご家族が、「大好きな音楽に合わせて踊ったのかしら…最期の時に音楽がそばにあったのだと思うと、本当に嬉しいです。よかった、よかった。ありがとう。ありがとう」と涙を流されました。
リラ・プレカリアの音楽は患者さんはもちろんのこと、ご家族にとっても慰めとなるのだと改めてその力を感じました。
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