2017/10/31

【東日本大震災被災者支援】「キッズケアパークふくしま」からの便り

福島に「キッズケアパークふくしま」という団体があります。ここでは、子どもたちが放射線を気にせずに室内で遊べる「こどもあそびば」を毎月提供しています。JELAはこの働きに賛同し、「あそびば」に利用する施設の賃借料を2016年4月から支援しています。

先日、同団体の栗原清一郎さんから活動報告が届きましたので、以下にご紹介します。
皆様もこの働きを祈りと捧げものによってご支援いただけると幸いです。

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「キッズケアパークふくしま」の現状


東日本大震災から6年半が経過した今、持続する放射能汚染も被害の記憶も風化され、また各方面の復興の努力もあり、一見平穏な生活が戻ってきたかのようにも見えます。

しかし各家庭の庭にも、市内のあちこちにも、除染しきれないホットスポットがあり、また市内の除染対象地区は公共の場と居住区に限られており、田畑や山林は対象外です。除染された汚染土を入れた1立方メートルぐらいのフレコンバッグが何個も家の庭に埋められたり、放射線がもれないように土嚢で覆われて裏庭に置かれたりしています。

子どもあそび場で行ったアンケートでは、今現在でも半分の保護者が放射線を気にしていると答え、気にしていないと答えた残りの保護者も、気にすることに疲れてしまった結果でもあるようで、心の奥には不安を抱えているようにも見えます。

このような状況の中で皆様のご支援とお祈りを感謝しながら、私たちは着実に月に一回、安心して思いっきり遊べる屋内子どもあそびば(キッズケアパークふくしま)を、会場を借り遊具は持込み無料で実施しています。

この10月に37回目を終了しました。女子と男子の高校生と顧問の先生、男女の大学生、老若男女の教会員と社会人のおじさん・おばさん、インストラクターのおかあさんなど、平均20名のボランティアと一緒に、子どもたちは夢中になってあそびます。お父さんお母さんたちも一緒に楽しみます。平均参加者はボランティアも入れて130名を超えます。

お母さんたちからは、こんな声が寄せられています。
  • 「お兄さん、お姉さんたちが本気になって遊んでくださり、子どもは本当に楽しみました。ありがとうございました。」
  • 「市内の他の遊び場は、管理者はいるけれど一緒に見てくれる人はいない。ここはボランティアの皆さんが気を配って暖かく見てくださり、のびのびと遊べるので本当に嬉しそうです。」
  • 「安心して遊べる楽しい遊び場なので、これ以上何もいらないから回数をふやして欲しいです。」
  • 「赤ちゃんを連れてきてホッとして楽しめるのが嬉しいです。このような場所はあまりありません。」
この遊び場は子どもたちの追加被爆を少なくするだけでなく、楽しくおもいっきり遊ぶことにより免疫力を高め、放射線により傷ついた細胞が癌化するのを防ぐ働きもしています。

私たちは福島大学教授の菅家礼子先生の助言をいただき、子どもあそび場の実施にあたって次のことを大切にしています。
  • 子どもたちの発見の喜び、初めての経験の喜び、できたという達成感、工夫の喜びなどを奪わない。
  • 目は離さず、危ないとき以外は手を出さない。
  • 一緒に楽しく遊び、子どもたちを励ます。
30数回の実施を通して、このあそび場は本当に楽しい次のような場になってきました。
  • 年齢に関係なく一緒に遊べる場
  • 年齢を問わずに人と交われる場
  • 小さい子も大きい人もお互いを認め合っている、小規模な実社会のような場
私たちはこれからも福島の子どもたちと保護者の方たちのために、より良い成長の場、より魅力的な子育ての場を工夫し、提供していきたいと思います。

皆様からのお祈りとご支援を、今後ともよろしくお願いいたします。
(栗原清一郎)

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