2018/12/14

【ブラジル音楽ミニストリー】もっと幼稚園年齢からできたら

JELAが支援するブラジルの音楽ミニストリーに関する最新報告が届きました。報告者は徳弘浩隆牧師です。3回に渡ってご紹介する10月の報告その3です。

初回「日本からのお客さん」はこちらです。
2回「Diademaのしっかり者のお姉さんたち」はこちらです。
 
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今回、日本から訪ねて来た竹田牧師は、今、私がかつて牧師と園長として働いていたこともある大森教会の幼稚園の園長もされています。「Diademaに子どもたちがこんなに来て、変わってきているんだったら、もっと低年齢の幼稚園のころから預かって教会がずっとかかわると、子供たちの人生がもっと変わるだろうねぇ。そんなこともしたかったねぇ」とつぶやきました。「ああ、もっと時間があったら、もっと予算や、教会の設備があったらなぁ」と、二人でため息をつきました。
音楽ミニストリーの生徒たちと一緒に写真撮影(竹田牧師夫妻は左から4番と5番目)

今年10月はブラジルは大統領選挙戦の真最中で、たくさんの問題が語られていました。先日のニュース報道で、2つのことが心に残りました。

一つは、<世界銀行=ブラジルの人的資源投資レベルは世界81位=「子供への投資が国の将来作る」と警鐘>というニュースです。ブラジルの人的資源投資レベルは世界で157国中81位、経済的にはブラジルより貧しい南米近隣諸国より悪いそうです。「良好な医療環境に恵まれ、質の高い教育を受けた子供は、身体的にも知的にも、感情的にも健やかに成長できるから、就労年齢 (同調査では18歳) に達した時は、個々人が持つ生産能力を十分に発揮できる準備が整っている」と世界銀行も提言しています。教会の教室は、音楽や体操、パソコンなども教えて、少しでもこれに貢献しようとしています。基礎学力だけでなく、音楽や絵を描くことなどを通しても情操教育や協調性など「人間力」の底上げになると実感しています。
音楽ミニスリーの一環として、子どもたちに健康的なおやつやPC教育なども提供しています。

もう一つは、「ブラジルの青少年の多くは加工食品好む。肥満や慢性病の遠因に」とのニュースです。Diadema教会の教室では、子どもたちに、野菜入りスープにパン、リンゴやみかんを絞ったナチュラルジュースなどを出しています。最初は玉ねぎやニンジンをえり分けて残していた子どもたちも、今では食べるようになりました。みじん切りから少しずつ大きく切ってきた私の祈りが届いて?子どもたちも根負けして慣れたのかもしれません。ホットドッグなどではなくて、包丁を使って調理した食事をきちんと食器についで、手をつないで丸くなってお祈りしていただくおやつの時間も、大切な教育の場だと実感しています。家庭が崩壊していて、孤食や簡易食も増えています。お父さんやお母さん、兄弟と手をつないでお祈りして食事をいただく習慣もなくなっているでしょう。教会の働きが、それを補完して、素直な子どもたちを育てていけたらと願っています。

                                  (徳弘浩隆)

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【関連リンク】
JELAのブラジル支援ニュース(ブログ)
日本福音ルーテル社団(JELA)