2019/03/08

【インド・ワークキャンプ2019】参加者のレポート   (その4)

2月9日からインド・ワークキャンプに参加したメンバー13名が2月19日に無事帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

四人目、原田裕子さんのレポートをご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。


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原田裕子

2月9日、雪の成田からデリーに飛び、飛行機を乗り継ぎムンバイへ。そこから、古いバンに参加者13人が乗り、目指すジャムケットへ出発した。目にしたのは、砂埃と絶え間なく鳴りひびくクラクション、信号無視は当たり前、家族4、5人が乗って横を走り抜けるバイク、トラックの荷台にも人が沢山乗っている。手を振ると、大きな笑顔が返ってくる。友好的な国民のようだ。陽も沈んだ頃、やっとCRHP(※1)のキャンパスに着いた。私たちが泊まる少々古ぼけた施設、お湯が出なかったりしたが、とにかく荷を降ろした。さぁキャンプの始まりだ!! 義足作り、ペンキ塗り、農作業、大工仕事が待っていた。とにかく、みんなで初めてのことにも挑戦しながらやり遂げた。楽しかった!
※1:CRHPComprehensive Rural Health Project/キャンプ地インドのマハラシュトラ州ジャムケッドにあるNGO団体施設
義足作りに集中する原田さん(左)
そのキャンパスには幼稚園があり、子供達の成長を助けている。スタッフが隣にある貧民街の各家庭を廻って、園児を連れて来る。ある朝、私たちをその貧民街に案内してくれた。その街に入ると、まっすぐの道があり、その両側に家が並んでいる。道の両端に下水用の溝が掘られてあるが、フタが無い。しかもそこに住む人の中には、下水をそのままトイレとして使っているようだ。もっと驚いたのは、イノシシ(日本のよりおとなしそうに見えた・・)が、その下水をあさっていて、子供まで産んで住みついていることだった。各家庭を周ると、大人も子供も沢山いる。「ナマスティー!」と挨拶すると、笑顔で手を振ってくれる。街の奥に行くほどに、もっと貧しい家が並ぶ。そこの男性たちが畑に仕事を求めて行くが、この3年以上も雨が降らず、干ばつが彼らの生活をもっと貧しくしている。
CRHPスタッフのために紙鶴を折る時も集中
全てを書ききれないが、この貧しい暮らしぶりを目にした私たちは、多かれ少なかれショックを受けた。その午後、現地のスタッフに、心に浮かんだ質問をしてみた。「ひどい状態に見えるでしょうが、CRHPの働きによって、前より少しずつだが、この状況は改善しているのだ。」と説明を受けて、「そうなのだ。」と納得した。

朝、迎えに行った園児たちと一緒に歩いている時、大きな瞳でニコニコしながら、何のためらいも無く、小さな手を私たちの手にからめてくる。温かなかわいい手。その大きな笑顔が、緊張していた私の心に光をともしてくれた。


この10日間、私が何を与えたと言うより、知り合ったインドの人々や仲間たちから、多くの愛と笑顔をもらったワークキャンプでした。