2024/04/14

【インド・ワークキャンプ2024】参加者のレポート(その11)

JELAが主催するJELAインド・ワークキャンプ」2024212日から11日間の日程で開催され、全国各地から大学生12名が参加し、インド、マハーラーシュトラ州のジャムケッドにある医療福祉施設「Comprehensive Rural Health Project=CRHP)」※において、義足作りを中心としたワークを行いました。(英語サイトへのリンク


参加者全員のレポートを1人ずつご紹介しますが、11回目の今回は山領小雪さんの報告を掲載します。レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
山領小雪
子どもと元気はつらつ山領さん(右)
 
私がJELA主催のインド・ワークキャンプ2024に参加した理由は幾つかあるが、一番大きかったのは現在大学生である私の専攻が国際政治学という分野であることと、元々人間開発等における国際支援に強い興味を持っていたことである。

私は2023年の春休みに初の海外への一歩としてオーストラリアに1ヶ月の語学留学をしたが、そこでの生活は各国の発展度合いを二元化するならば先進国のものであり、非常に安定していた。しかし、私は前述の理由から所謂発展途上国の現状に関心を寄せていた為、キャンプへの応募に至った。
 
これは小話であるが、私にとってその魅力は凄まじく、募集のチラシを見かけた数十分後には申し込みのメールを送信したほどである。
 
本題として、今回私が結果として学んだことは大きく分けて5つあり、1つ目は「人々の温かさ」、2つ目は「言語の壁の意外な薄さ」、3つ目は「貧困や医療の問題」、4つ目は「ニーズの把握の重要性」、そして5つ目は「自省の必要性」である。
 
1つ目の「人々の温かさ」は、私の母国である日本と、私にとっては今まで広大な世界の一国に過ぎなかったインドの両方に対する考え方を一変させた。メインの活動であった義足作成の後に行われた贈呈式での貰い手の方々との握手の感触やその喜びの表情、スラム街の居住者の方々に挨拶した際の笑顔、滞在したCRHPの村内で出会った老若男女との触れ合い等、様々な場面を通してインドの地域社会の温厚さを実感したと共に、実生活での他人との繋がりの希薄さに驚いた。
 
2つ目の「言語の壁の意外な薄さ」は、最低限のコミュニケーションには挨拶と感謝、そして物の美しさを伝える言葉さえあれば十分だという説が立証されたと感じたことから得た学びだ。私達が訪れた地域の共通言語であるマラティ語は私達にとって完全に未知の言語であったが、ほぼ上記を意味する言葉だけで様々な現地の方々と関われたことは予想外だったと共に、今後より多くの地域で人と交流したいという意欲が湧いた為、この発見は非常に有意義であった。
山領さん(右)礼拝に一緒に参列した女性の方

3つ目の「貧困や医療の問題」は、私が将来どのような人々を対象に、どのような手段で支援を行いたいかというのを明確化する一助となった。CRHPでは、ソーシャルワーカーによる各村内での保健衛生教育や、患者の家族などの医療スタッフ以外の手での看病等、とりわけ治療よりも予防を主軸とすることと、必要人員を極力削減するという方策で運用コストを抑え、貧困層の人々に広く提供することを目標とした健康維持活動が為されており、既に良い結果も表れ始めていると分かった。しかし未だにインド内にはそのような支援が行き届いていない地域も多く、世界という規模で見てみるとそれは尚のことである為、この支援策は私にとって1つの成功例として強い刺激であった。
 
4つ目の「ニーズの把握の重要性」は、一般論として支援の現場で唱えられるものの1つであるとは勿論承知していたが、今回それに間違いがないことを身近で実感することができた。中でも、CRHPの事務局長との対話がその理解に大きく影響した。国際支援の場合は資金の用途が予め定められていることも少なくはないそうだが、地域支援を行うアクターは現地で求められるものや考慮すべき慣習を既に理解しており、与えるだけではなく自立を手助けする場面が多くなる為、より効果的に問題に取り組むことが出来るそうだ。これはやはり迅速に危機から回復する為には欠かせないことであると改めて感じた。
義足職人が見守り中作業する山領さん(左)
 
5つ目の「自省の必要性」については、自己理解は自分の今後の道を明らかにすると共に、他人との関係を強くすることも可能だと分かった。このワークキャンプでは一日の終わりにディボーションという時間が設けられていた。これについて私は、聖書の一節を通して各々自身の内面と向き合うと同時に、他人の意見を聞くことで他人の内面とも向き合う時間であったと思った。自分の信条に加えたいと強く感じられる観念との出会いも多く、それを提言した人を尊敬することも幾度もあった。貴重なことを数え切れない程学び、人生の糧とすることができた。
 
結びになるが、インドでの体験は筆舌に尽くし難い程に濃厚で、良い点と改善すべきと思われる点の両方を観察することで、今まで関係の無かった国に深く触れることが出来たと共に、将来のビジョンがより大きく開けた。
 
しかし、ここに書いたことは私達の学びのほんの一片であるということをご承知頂きたい。そして是非、このレポートを読んで下さった皆様には自らインドという国を生身で体感しに行って欲しい。堂々と胸を張ってそう言えるような、素晴らしい旅路であった。
地元衣装を着こなす山領さん(左)と参加者仲間

◆◇◆



【参加者募集中! JELAの海外ワークキャンプ】
・2024米国グループ・ワークキャンプ参加者募集(応募締切2024年4月末まで)
【関連リンク】