2019/08/27

【米国ワークキャンプ2019】参加者レポート9(武田 咲々良)

JELAは毎年夏、アメリカの青少年向けキャンプ「グループ・ワークキャンプ」に、日本から若者を派遣しています。 


 
参加者の感想文を掲載します。 


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武田 咲々良(東京都)


咲々良さん(右)と引率中山玲子さん
私がワークキャンプに参加したきっかけは、友達からの誘いでした。最初は、私自身英語力もそんなにないし、自国にいる今でも人と関わるのが苦手な私が、外国でやっていける筈がない、と行かないつもりで迷うばかりでした。けれど、母は、「こんな機会ないよ、絶対行くべきだ、友達も行くから大丈夫だよ、絶対楽しいから。」と背中を押され、私は周りの言葉に流されるまま、このワークキャンプに参加することを決めました。

空港に着いてからも、アメリカに行くという実感があまりなく、それと比例するように不安も緊張もその時点ではほとんどありませんでした。学校で規則に縛られたまま行く海外ではない、友達もいるから、と、私は軽い気持ちのまま飛行機に乗り込みました。 

ホームステイでホストファミリー達と過ごし、今まであまり感じていなかった不安や緊張は、ワークキャンプの日が近づくにつれ、次第に大きくなっていき、当日は一日中お腹の調子が悪かったのを覚えています。

現地に到着した時には、キャンプのスタッフさんらが日本ではありえないテンションで私達を迎えてくれました。大勢の人と賑わう場所が苦手な私はその時さらに不安と緊張に駆られ、もう帰りたいと思うほど気分は落ち込んでいました。


その夜、ホールに行き、初めて自分のクルーと対面しました。友達と別れ、日本人が全員バラバラになった瞬間は、本当に不安で仕方ありませんでした。その時の私はきっと、泣けるならその場で人目なんか気にせずに大泣きしていたでしょう。けれど、自分のクルー(家の修繕を一緒にするグループ)のメンバーを見つけた時、本当にここで合ってるのかな、とおろおろしていた私に、クルーの一人が声をかけてくれました。両手で人差し指を立て、「11?」(クルー番号)。私はそのジェスチャーと言葉に「イエス」と必死に頷きました。それから他のメンバーと集まって話した時も、彼らは私が日本人だと知ると、私が理解できるように簡単な英語で話してくれました。日常的な会話すらまともに英語で話せない私に、彼らは冷たい目を向けることもなく、むしろ積極的に話しかけてくれたのです。

初日は緊張気味な咲々良さん(右から3番目)……
数日後は楽しく作業をこなしていました!
作業に取り掛かった日も、12人中、自分ひとりしか日本人がいなくても、多少の不安はあったけれど平気でした。普段の私なら、友達に泣きついていたと思いますが、作業が終わった最終日には、むしろ一人でよかった、と思ったほどに、私は昔の自分から少し成長したのをその時感じました。友達といればきっと、私はその友達ばかり頼って、周りと関わることを拒絶し、ろくに英語も話さずに終わってしまうのが目に見えていたからです。

この一週間、私はたくさんのことを学び、関り、経験し、考えました。後悔したことも、泣きたくなったこともあったけれど、それ以上に、思い出は私にとって最高の瞬間でいっぱいでした。日本にいたままの私では絶対にしなかったこと、できなかったこと、感じることができなかったことを、この短い間でたくさんしました。そしてこの一週間、普段よりも、神様という存在を強く感じ、普段よりも、神様に心を向けて祈ることができました。

咲々良さん(右座)とクルーの仲間たち
この一週間、思い返せば、新しい自分であふれています。この瞬間でしか、できなかったこと、出会えなかった人。私はたくさんのことを新しく考え、決意しました。この短い間で、こんなに最高な出来事でいっぱいなのはこれが初めてだと思います。人生で一番、最高の思い出が詰まった一週間です。

私はこのワークキャンプに参加できたことを本当に良かったと心の底から思います。もし、私がこのキャンプに参加していなかったら、今まで通り、何の変哲もない夏休みを繰り返し、神様について考えることもせずに、この感動に出会うこともなかったと思います。そしてそう思ったとき、人生は一回きりしかないことを強く感じました。

このワークキャンプに誘ってくれた友達に、このワークキャンプを企画してくれた方々に、そして全てのきっかけを与えてくれた神様に感謝します。

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