2018/05/02

【信仰書あれこれ】マザー・テレサの言葉の深み

本欄三十冊目は、マザー・テレサ『心の静けさの中で――カルカッタのマザー・テレサ及び共労者の黙想集――』(キャサリン・スピンク編集、森谷峰雄訳、1990年改装改訂版、シオン出版社)です。

本書にはマザー・テレサの言葉だけでなく、彼女の共労者(co-workers)や彼女の仕事に関連するその他の人々の言葉も含まれています。

以下では、マザー・テレサ自身の言葉のみを紹介します。

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  • 私の秘訣は大変単純です。私は祈ります。そして祈りを通してキリストの愛と一体になります。そして彼に祈ることは彼を愛することになるのです。……世界のスラムにいる私の貧しい者たちは苦しんでおられるキリスとのようです。彼らの中に神の御子は生きておられ、そして死に給います。そして彼らを通して神は本当の御顔を顕されます。祈りは私にとって、一日のうち二十四時間イエズスの御心と一体になり、彼のために、彼を愛して、彼と共に生きることなのです。(1頁)
  • 空でよく電線を目にします。……それらだけでは役に立ちません。電流がそれらの中を通って流れるまで光はありません。電線はあなたであり私なのです。電流は神です。私達には世の光を生むために、電流を私達の中を通らせて、私達を用いさせる力があります。又は私達は使われるのを拒み、暗黒が広がるのを許すことができます。……あなた方の各々が聖くなり、神の愛があなたが行く所は何処でも広がるように祈ります。彼の真理の光がすべての人の生活にあり、神があなたと私を通して世を愛し続けることができるように。(7ページ)
  • 祈ることが難しいときこそ祈るように努めなければなりません。最初に用いる手段は静けさです。というのは、祈りの霊は非常に深い沈黙の霊であるからです。私達はもし内的及び外的沈黙を実践しないなら、神の現存に直接身を置くことはできません。……静かな祈りの中で多く受け取れば受け取るほど、私達は……それだけ多く与えることが出来るのです。(28~29頁)
  • 聖性は少数者のぜいたくではありません。それはあなたと私との単純な義務なのです。……私達の聖性が進展するには神と私達自身が係ってきます――神の恵みと、聖になろうとする私達の意志が係ってきます。私達は聖性に到達しようとする、真の、生きた決心を持たなければなりません。……心から神に満たされたいと思うなら、私達の中にあるあらゆる利己的なものを謙遜によって取り去らなくてはなりません。……神があなたに与えて下さるものは何でも受け取り、彼があなたから取り去って下さるものは何でも彼に渡すなどして、神の恵みがあなたの霊の中で働くように心掛けなさい。真の聖性は神の意志を笑顔で行うところにあります。(36~37頁)
マザー・テレサの本はどれも霊的で深い内容に満ちていますが、手に入れやすいものとしては、『マザー・テレサ 愛と祈りのことば』(ホセ・ルイス・ゴンザレス・バラド編、渡辺和子訳、2,000年、PHP文庫)をお勧めします。

JELA事務局長
森川 博己


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