2023/04/03

【カンボジア・ワークキャンプ2023】参加者レポート⑦(谷口 和恵さん)

JELAは2月13日から23日に3年ぶりとなるカンボジアでのワークキャンプを行いました。

引率3名を含む13名の参加者たちは、JELAが現地パートナー団体LWD(Life With Dignity)と協力して支援している2箇所のプレスクール(幼稚園)でのボランティア活動を行いました。また、カンボジア・ルーテル教会(Lutheran Church in Cambodia = LCC)にも協力してくださり、現地の青年会や礼拝に参加し、ボランティア活動を含めて、施設の子どもたちなどと交流を深めました。
アンコールワット遺跡前にて

カンボジアの歴史と文化を知るために、キリングフィールド、拷問博物館、戦争博物館、王宮などの見学や世界遺産アンコールワット遺跡の観光も体験することができました。

また、キャンプ中に毎晩行ったディボーションでは、チャプレンを引率してくださいました日本福音ルーテル日吉教会の多田哲牧師が、参加者の皆さんと共に、その日に体験したことを聖書と照らし合わせながら、振り返りと分かち合いの時間を過ごすことができました。 これらの体験をもとに、今回の参加者10名から感想のレポートをいただいておりますので、順次ご紹介いたします。

 以下は、谷口和恵さんのレポートです。

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谷口さん、アンコールトム遺跡にて

飛行機に乗って7時間飛ぶと、そこはカンボジア。真冬の日本から常夏の国へと足を踏み入れた。「新しい出会いがあるかしら?食べ物は美味しいかな?カンボジアと言えばアンコールワット、そしてつい30年ほど前のポルポト政権による恐怖政治は記憶に新しいなぁ」など飛行機の中でぼんやり考えていた。しかし、これから始まる11日間のワークキャンプは私の想像をはるかに超え、驚きと感動そして神の愛の中に包まれている実感、そんな豊かな時となった。
 
ワークと交流、これはキャンプの柱だ。JELAが関係する数か所の施設を訪問。幼稚園、小学校、教会とその施設など。どこでも温かな笑顔と手作りの珍しい食べ物、ココナッツウォーターで歓迎され、どれもがカンボジアの人びとの心尽くしのおもてなしに溢れていた。 ワークでは用意されていた建物にペンキなどで色を塗り、絵の得意なキャンパーのもとみんなで汗を流し、日本の足跡を残してきた。(カンボジアには2か所の施設にそれぞれ富士山が描かれている!) また、ある幼稚園では近くの竹林から切ってきた竹で囲いを作りペンキで色を塗る作業。それも現地の方々のご厚意が感じられるワークとなった。子どもたちには日本から持って行った手作りマスクをプレゼントし、一緒に折り紙を折り、若いキャンパーは子どもたちとサッカーに興じ、そこかしこで屈託のない笑い声が響き、人懐っこくきらきら光る子どもたちの瞳がとても印象的だった。
子どもたちを魅了する谷口さん

キャンプのもう一つの柱は毎晩行われるディボ―ションの時間だ。聖書のみ言葉に聞き、内面を見つめその日の振り返りをする。それはキャンプの一日の締めくくりに相応しく、このキャンプを特別なものにしてくれた。

日頃から聖書に親しんでいる者、教会には行ったことがない者とキャンパーは様々だったが、多田先生が用意してくださった神さまのみ言葉はどの人にもそれぞれの経験値の中で咀嚼され、心の深くに届いたのではないだろうか。「みなさんはそれぞれの思いでこのキャンプに参加されました。でも皆さんは自分をこの地に運んできたことで、確実に神さまの愛を運んでくださっている。出会った人々は皆さんを通して神さまの愛を見るのです。隔ての壁が取り払われ、神の平和が広がっていくといいですね。」と言われた。 神の愛を運ぶ、それは私にとっても新しい視点であり、嬉しい気づきとなった。特別な何かが出来なくても自分を通して神の愛が現わされるとしたらこんなに嬉しいことはない。
聖書と分かち合いの時間、ディボーションでの谷口さん(中央、青ブラウス)と参加者たち

カンボジアは歴史上幾多の戦場になり、記憶に新しいところではポルポト派による大量虐殺が4年近くに渡って行われた。当時の政府にとって邪魔な知識層が200万近く虐殺されたのだ。それには女性子どもも含まれる。実にその数は国民の4分の1にも上る。 訪れたプノンペンのトゥ―ル・スレン虐殺博物館や郊外にあるキリングフィールドではあまりの悲惨さに足がすくむ思いだった。しかし町の人びとは黙して語らず、今訪れている平和を享受し、プノンペンの町は大都会へと変貌し続けている。乗り越えられない辛さや悲しみを抱えながら、それでも人々は力強く前を向いていた。
プレスクールの柵修復作業に励む谷口さん(左)

シュムリアップのアンコール遺跡群にも訪れた。長い歳月を感じさせる遺跡の数々はそれだけでカンボジア王朝が繁栄していたころを物語り、悠久の歴史を感じさせてくれた。
 
たった11日間過ごしただけで、カンボジアは、もはやガイドブックに載っている国の一つではなくなった。かの地で出会った人々の笑顔に愛を感じたし、日々の暮らしぶりを思う時私も励まされる思いがしている。
 
最後になりましたが、毎晩のディーボ―ションで振り返りの大切な時間を用意してくだった多田牧師、 このキャンプを企画し引率をしてくださったJELAの星崎ポールさん、森一樹さん、そして時を共にしてくれたキャンパーの皆さんに心からの感謝!!
壁に虹を描く谷口さん(スベイリエン州プレスクールにて)

「『わたしはある』というお方が 私をあなたたちに遣わされたのだ」出エジプト3:14
「神は愛です。愛にとどまる人は神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます」  ヨハネ4:16