2022/09/13

【JELA国内ワークキャンプ2022】参加者レポート4(大薮 房之介)

 JELAは、初めての国内ワークキャンプ「JELA English Bible & Work Camp 2022」を、中高生を対象として、731日から86日まで栃木県那須塩原市で開催しました。 

キャンプには14名の青少年が参加し、農村指導者を志す留学生が多く学ぶ農業専門学校「アジア学院」を舞台に、同学院独自の農作業「フードライフ・ワーク」を体験しながら、聖書と英語を学ぶ時間を共に過ごしました。


参加者の感想レポートをご紹介します。

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 大薮 房之介

「ちゃんと生きてる」

あの一週間から三日が経った。今朝は、珍しく五時半に目覚め、一時間ほど街中をジョギングしていた。あの時と同じ汗が身体を滴っていくのを感じた。「ちゃんと生きてる。」と心から思えた。
房之介さん

ARI(アジア学院)。そこはまるで理想郷のような世界だった。あらゆる国籍、人種、文化、言語、価値観を持った人々が、一つのコミュニティーのなかで、人・土・神と触れ合うことによって共に生きることを学ぶ。まさに多様性の社会。僕はこの社会に本能的に引き寄せられた。そんな理想郷が自身にもたらした興奮はキャンプを終えた今でも、収まることを知らない。この感覚をいつまでも忘れたくない。
 
キャンプが始まる前、樸は英語を使って異文化を学びたいと思っていた。将来的に必要だと思っていたからだ。結果、想像以上の学びができた。これまで、一方的にインプットしていた英語が、会話というコミュニケーションによってアウトプットし、その英語を理解してもらえた時は、初めて身についたと感じたし、とても嬉しかった。
英語で絵の説明をする房之介さん

手を使ったカレーの食べ方を留学生の方々から教えてもらっているときは、まさに異文化交流ができ、その瞬間は、本当に幸せだった。でも、ARIでの学びは、それだけではなかった。
 
今、僕は三重県にある農業高校に在学している。そこでの生活は聖書を土台としていて、日常的に祈る場がある。全寮制でもあり、人・土・神を身近に感じることができる。ARIにかなり似た環境だと思う。しかし、ARIでの農作業やバイブルスタディでは、全く新しい学び、また出会いがあった。
 
農作業では、積極的に取り組み、最後には達成感を感じられた。普段、高校で農作業をしているが、このような感覚にはならなかった。仕事という感覚があり、義務感で動いていたからなのかもしれないが、ARIではみんなで楽しくという雰囲気で、色んな人と時に英語で会話しながらの作業だったので、あっという間に感じられるほどに良い時間だった。また、汗をかいて働き終えた時の達成感から、「ちゃんと生きてる」と実感できた。今朝ジョギングしたのも、そんなARIでの日々の余韻で、動かずにはいられなかったからだと思う。


そして、それを感じるたびに、神様がいるんだと鳥肌がたった。バイブルスタディでも、創世記から神様という存在を劇やアクティビティを通して考えたり、平和や命について意見交換したりした。どれも、これまでに一度は考えたことがあるのに、初めて気づいた事がたくさんあった。わかった気になっていたんだと痛感した。
 
様々な人と話し、初心になって聖書を学び、真摯に土と触れ合えたARIでのキャンプは、自分の内面を刺激するものばかりだった。失いかけていた幼いころの感受性を、少しだけ取り戻せた気がした。そして、ここにいれば、本当に大切なことに気づき、平和を追求し続ける人であれるのだと思った。