2015/03/10

【インド・ワークキャンプ2015】参加者のレポート(その10)

2月12日に成田を出発してインドでワークキャンプに参加したメンバー16名は2月22日に無事に帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

参加者の井上秀樹さんからレポートが届きましたので、以下にご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
井上秀樹
(無 職)

2009年に続き2度目の参加でした。リピートのきっかけは友人に誘われたことと、家内にも体験させてあげたいということでした。そしてこのキャンプは楽しいことがいっぱいあるからです。
義足をつくる井上さん

ジャムケットの町は、6年前に比べるととてもにぎやかになりました。町の外れの何もなかった所に新しい家がどんどん建てられています。今年は未曽有の干ばつであったと言われましたが、それでも乾燥して白茶けていた土は、少し黒ずんだ色に変わりました。畑の緑も格段に増えました。荷車を引く牛はトラクターに変わりました。サトウキビを絞ってジュースを作る機械も人力から発動機に変わりました。それでもまだその貧しさは戦後の貧しさを思い出します。

その中でCRHPは素晴らしい働きをしています。2009年に彼らは新しい病棟を建てました。ベッド数50床の、ジャムケットで一番大きな病院です。しかし、そこに入院している人はわずか3人しかいませんでした。6年前に来た時の1/3程です。その理由の一つは、CRHPの Mobile team が近隣の村で行っている定期的な健康チェックと生活指導が効果を上げていることでしょう。それによって出生率が下がり、出産による事故も減り、生活習慣病も減少しています。

井上さんご夫妻
三つ子の魂百までと言われますが、幼児の教育はとても大切です。CRHPは、未就学児のために幼稚園を作りました。病院の門を出て道路の反対側はスラムです。園長のミーナさんは、毎朝9時にそこに園児を迎えに行きます。そこに行くもう一つの目的はそこで家族と話し合うことです。妊婦や病気の人がいればすぐに病院に来させます。治療費はもちろん無料です。栄養や、衛生の指導もしています。素晴らしいのは、園児たちはみんな瓦礫のような家に住んでいますが、必ず来る前に体を洗って歯を磨いて来ることがルールだということです。園児たちは自然に身の回りを清潔にすることを学んで行くことでしょう。そして一日2回の食事が与えられ、栄養的にも十分なケアーがされています。幼稚園には50人ほど来ていますが、スラムから来ているのは10人ぐらいでしょうか。

この他にも10代の女子のためのプログラムとか、10代後半の男子のためのプログラムなど、その活動は広範囲に及んでいます。このように「貧困」ということを、単にお金や食料の援助ということだけでなく、将来を見つめて上流から総合的に対策していこうとしているまさに「COMPREHENSIVE」な活動に改めて感動しました。そしてJELAはその活動の中で大きな役割を果たしていることを知らされ改めて身の引き締まる思いでした。