2015/03/02

【インド・ワークキャンプ2015】参加者のレポート(その2)

2月12日に成田を出発してインドでワークキャンプに参加したメンバー16名は2月22日に無事に帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

二人目のレポートが届きましたので、以下にご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。


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石間 優仁香
(大学生)

このキャンプ通して、自分の人間としての弱いところや信仰について向き合いたいと思っていました。

日本と違い、飲み水に気をつけたり、手洗い消毒を用心深くしなければならないと同時に、干ばつでの水問題などを目の当たりにしました。人々が健康に過ごし、また人間としての権利を守り教育を受けられるような活動をしているCRHPの働き、その存在を知ることができたことがこのキャンプで得た一番大きなものでした。

義足を作る石間さん
インドは、差別とまではいかなくても男尊女卑やカースト制度の文化があります。結婚する際、結婚持参金としてお金を持っていくダウリーというシステムを利用してお金を得る家族や、幼くして結婚をした女性、カーストの身分によって職業、政治、結婚などにおいて差別を受ける人々、自分ではどうすることもできないものに従って生きていかなくてはいけない姿をみて同情することもできず、また私が助けてあげなければと思うこともできず、複雑な気持ちを抱きました。

実際にスラム街に住む子どもたちをCRHPが運営している幼稚園に連れて行くときに同行をさせていただきました。子どもたちや親御さんの様子、その村での問題を直に見ることができました。水不足や衛生面、貧困とさまざまな問題を抱えていました。一方で、たくさんの笑顔も見ることができました。貧しいながらも笑顔でいれることは、きっと同じ村に住む同士だとみんなが貧しいから比べようがないという点が大きいのではないかと思いました。同じ生活水準であることが生活を苦しくさせないのではないかと思います。

人間誰しも一番辛いと感じるときというのは、誰かと比較して自分が劣っていると感じるときなのではないでしょうか。だからこそ先進国に住む私たちは、日々人と自分を比較し、会社の利益、国の経済のために働く生活をしているから疲れ果てているのではないでしょか。自分の日本での生活を振り返ったとき、このスラム街に住む人々と私たち、物理的な貧しさは目に見えても心の貧しさは比較できないと思いました。

このキャンプでは主に義足を作ったり、着火剤を作ったり、幼稚園の壁にペンキで絵を描いたりしました。足を無くし、義足を求める人たちもここに来るまでにさまざまなものを抱えていることを知りました。だけど、一週間、言葉もなかなか通じない中、現地の人と一緒に作業をしたり、義足を待つ人とお話をしたり、子どもたちと遊んだりして人と人とが交わる大切さ、また現地の人たちの生活の中に入ることを受け入れてくれた温かさを感じることができました。

HIVに感染をした女性と最後にハグをして別れることができました。しかし初め知識が乏しかった私にとっては、HIVに感染するのはどのような経由があるのだろうと疑問に思いました。ハグをしていいのか、キスをしていいのか、感染しないということが分かっていても一瞬ためらってしまった自分の小ささを感じました。

その中で感じた今の私に足りないものは、目の前にいる人の痛みの中に留まる力です。私は、その人が話す言葉の中に隠れている悲しさや辛さを垣間見ても受け止めきれず、真剣には考えずに流してしまうことがあります。私はその人ではないから同じ経験をしたとしても感じることは違うし、共感することなんてできないと思ってしまいます。だけど、その人が話をしてくれたという事実を受け入れることが大切だと思いました。

インド・ワークキャンプは人々を癒すことを目的としたキャンプですが、それ以上に私自身が心身ともに癒された時間でした。また、たくさんの学びと人の温かさを知ることができたこのキャンプでの経験は私の財産です。

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