2015/03/09

【インド・ワークキャンプ2015】参加者のレポート(その9)

2月12日に成田を出発してインドでワークキャンプに参加したメンバー16名は2月22日に無事に帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

参加者の河西雪菜さんからレポートが届きましたので、以下にご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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河西雪菜
(大学生)

今回のワークキャンプは、インドの課題を知るとともに、そこに介入しているCRHPの 働きの深さを感じることができた。インドワークキャンプは初めての参加で、私の中で義足を作るというイメージが大きかったが、それだけではなく、さまざまなワーク、CRHPで働く方や現地の方との交流など、一日一日が濃く充実した毎日を送ることができた。
子どもと遊ぶ河西さん

これらの交流の中で私が強く感じたのは、教育の重要性だ。インドではまだにカースト制度による身分差別、貧困の格差、女性への差別が残っている。ゆえに、児童・家庭側から見ると、児童の家族に教育を受けたことがない人が多く、地域的にもそのような家庭が多いことから、教育の意義や重要性が認識されにくい。また、児童が家事や年齢の下の者の面倒を見たり、家計を助けたりするため、労働を求められることも多い。特に女性に対する差別意識は根深く、娘よりも息子を大切にする風潮も珍しくない。

このような課題がある中でCRHPは、10代の男の子に向けた教育、10代の女の子向けのプログラムを行うことによって、一人ひとりが愛されていることを教え、自尊心を高める働きをしている。また、施設の中に幼稚園を開設し、周辺の子供たちを受け入れ教育している。幼稚園ではさまざまな遊びと学習、衛生的な面の指導もしていた。また、一日2回の食事 が用意されており、家庭で十分な食事をすることが難しい子どもに対しても、栄養面でのサポートを実現していた。

今回のキャンプでは、この幼稚園で先生として働いているミーナさんのお話を聞くことができた。子どもたちは初め、カースト制度の影響から子ども同士手を握ることもなかったという。しかし、幼稚園での教育でみんな同じ人間であるということを教えることにより、そのようなことはなくなったという。 ま た、ミーナ先生は幼稚園が始まる前に、村を周り子どもたちのお迎えをしているため、両親との信頼関係を築き、両親の考え方の変化にも繋がっている。

「神様が貧しい人について行きなさいと言うように、私も先生として貧しい子どもたちを導きたい」そう語るミー ナ先生の顔は、使命感と強さを持っており、何より子どもたちへの愛情を強く感じることができた。

現在私は、教育に関わる仕事がしたいと思い勉強している。インドで出会った子どもたちは苦しい状況の中に置かれながらも、その笑顔は輝いていて、私が元気をもらっていた。ミーナ先生の子どもたちを見つめる眼差し、子どもたちの笑顔は、これからも教育について学んでいく中で非常に重要なことを教えてくれたように思う。

子どもたちの笑顔を守るため、村の人たちの生活をよりよくするために活動しているCRHPの働きに感銘を受けるとともに、CRHPを知れたこと、そこでたくさんの素晴らしい方々と出逢え、少しの期間ではあるが自分も加わることができたこと、このことは私の人生の中で大きな恵みである。知ったからには伝えていく必要があると思うし、行動していきたいと強く感じた。

私は、今までキャンプやボランティア活動に参加させていただくとき、自分が変わりたい、自分の学びとしたいなど、自らの変化を一番に考えていたように思う。もちろん、今回のキャンプでも将来を考えるきっかけ、自分を見つめ直す機会となったが、それよりも、今、目の前にいる人のために私には何ができるか、私がすべきことは何かを、より深く考え感じることができた。自分に与えられている恵みを、ただ自分のモノと する のではなく、目の前の困っている人のために使う、実際に行動することは難しいことだが、微力だけど無力ではないということを信じて今後も歩んで行きたいと思う。