2015/03/26

【インド・ワークキャンプ2015】参加者のレポート(その15)

2月12日に成田を出発してインドでワークキャンプに参加したメンバー16名は2月22日に無事に帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

参加者の針田真由子さんからレポートが届きましたので、以下にご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

◇◆◇
針田 真由子
(大学生)

10日間のインドでの生活は、とても新鮮でした。私たちはキャンプを通して、何十人もの方の義足を作りました。事故で、あるいは病気で足を失ってしまったなどの理由から、男女を問わず多くの人が義足を必要としていました。その人たちの体の一部となる義足を作るのはとても重大なことであり、自分が役に立つことができる素晴らしい機会でした。


義足が完成するまで、待っている人々と交流できる時間もあり、言葉は通じなくても、話の内容となるものを指で指したり、互いの言語を教えあったり、歌を歌ったりと、楽しい時を過ごしました。贈呈式では、新しい義足をもらい人々がうれしそうな表情を浮かべているのを見て、とてもうれしくなり感動しました。


キャンプの主な目的は義足作りでしたが、その他にもたくさんのことを学び、たくさんの出会いがあり、たくさんの発見がありました。
このワークキャンプで得たことの中で三つについて書きます。

 一つ目は、貧困について。CRHPから出てすぐの村は、私がイメージしていたような貧しい村でした。そこで暮らしている人はみんな裸足で、埃にまみれ、一日一日が精一杯のように見えました。でも、私が一番貧困というものを感じたのはスラム街を回ったときです。

日本から来た私たちがみんなで歩いていると、物珍しそうに数人の
少年が後からついて来ていました。私は列の一番後ろを歩いていたので、その少年たちと話していました。スラムツアーが終わろうとするとき、少年の一人が私の近くまで寄って来て「マネーマネー」と言いました。私はどうしていいかわからず、その場を離れました。小学生くらいの年齢の子どもがお金に困っている現状を、私ひとりではどうすることも出来ませんが、どうにかしなければいけない問題なのかと思いました。

二つ目は、20歳前後での結婚と妊娠です。ちょうど、ヘルスワーカーさんが案内してくれた村に、19歳で妊娠している女性がいました。数日後が出産予定日でとてもおなかが大きくなっていました。インドでは10代の結婚が普通のことなのですが、私の身近ではあまりないことなので少し驚きました。

10代は大学に入って、まだまだ友達と遊んだり、旅行に行ったり、親と一緒に家でお話をしたりしたいです。もし結婚して妊娠をしても、自分で生計を立てていくことはできないし、子どもをちゃんと育てていく自信もありません。インドの10代の女性にも将来の夢や目標があるかもしれないのに、結婚や妊娠を強制するのはどうなのかと少し思いました。しかし、彼女の目はとても強くて、生まれてきた子どもを育てる自信に満ち溢れていて、私と同い年には思えませんでした。インドの女性の強さはすごいものなのだ、と実感しました。

最後にキリスト教についてです。インドで毎朝、礼拝に出席することができました。毎日だいたい同じ人が礼拝に来ているのですが、日曜の主日礼拝には普段よりも多くの人が訪れていました。インドはヒンドゥー教なので、その礼拝に来ている人の中にはクリスチャンではない人がきっと多くいたのだろうと思います。

しかし、みんなで同じ礼拝を持ち、祝福され、私はこれらのすべて人の中に平等に神様がいるのだということに改めて気づき、実感しました。自分がどのような状況に置かれても、たとえ宗教が異なっていても、神様を信じていれば守ってくれると気づきました。私は今後いつ洗礼を受けるか全くわかりません。しかし、神様を信じるという心はいつまでも決して変わりません。




 自分の目で見て、肌で感じて、実際に体験して学んだことを今後どのように生かせるのかまだわかりません。しかし、このキャンプで大きな収穫を得たに違いありません。この経験を忘れず、インドで暮らす人々のことを心に留めて、これからのことを考えていけたらと思います。