2015/03/03

【インド・ワークキャンプ2015】参加者のレポート(その4)

2月12日に成田を出発してインドでワークキャンプに参加したメンバー16名は2月22日に無事に帰国しました。皆様のお祈りを感謝いたします。

参加者の細西賢輔さんからレポートが届きましたので、以下にご紹介します。
レポートの内容は、JELA事務局が一部編集したものです。

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細西 賢輔
(大学生)

インドワークキャンプに参加させていただいたこの期間は、自分の生活をほんとに見直させられるような、とても充実した濃い時間だったと私は感じている。特に私は、2月17日に行った、CRHPの周りの村を見学に行ったことが最も印象深かった。


子ども達と笑顔の細西さん
村に入ると、土埃が舞う中、日本とは180度異なる世界が広がっており、多くの子供たちがいた。村の中の方に行くと、両親がおらず、15歳の少女が5人の妹、弟をお世話している家庭があり、道には人糞が落ちており、私は正直言葉を失っていた。最も衝撃的だったのは、未亡人の方がレイプされ、妊娠何か月かさえも分かっていないということであった。

さらにこの村には、共同で何かを使うなどというコミュニティも存在しておらず、みんなで井戸を掘るということもできなくて、この村に住んでいる人々はとても低い生活水準で生活をしているように思えた。しかしながら、そんなことはお構いなしであるかのように、後方にはピンク色のとても大きな学校がそびえていた。そこの学校は政府が設立しており、なんの調査も行わず建てたといことを聞き、いかに政府が村の人々のことを軽く考えているのかが、象徴されているようであった。

インドで最も強く感じたことは、「差別」である。すなわち、インドには男女差別やカースト制度による身分差別が現在もなお、根強く残っていると感じた。その反面で、インドの女の子たちと折り紙を折り、幼稚園の子供たちと遊んでいる時のその子たちの笑顔を見ると、とても複雑な気持ちになった。私たちは、夢を持っていれば、その夢に向かって少なくても努力することはできる。しかし、この村のような所に住んでいる人々は、カースト制度や男女問題のために努力すらできない環境に置かれていて、夢を持つことさえできないのである。

このような差別的な考え方を徐々にでも取りはずしていくには、やはり「教育」しかないと私は感じた。したがって、CRHPの子供たちに「栄養、愛情、教育」を与えようとしている考え方は、ものすごく合理的で大切な部分の核心をとらえており、ほんとにこの地域のマザーテレサのような存在だと実感した。そしてまた、知らず知らずの間に幼いころから「栄養、愛情、教育」を与えてもらっている日本の私たちの環境が、どれだけありがたいものなのかを実感させられた。

私は海外で仕事をしたいという夢がある。今までは、かっこよさそうだからなどという薄い考えで海外に飛び出したいと思っていた。しかし今回のワークキャンプで、こんなにも良い環境で生活させてもらっている私は恩返しを世の中にしなければならない、という使命を感じた。少しでも世界の困っている人々を笑顔にできるような、CPHPのように、「栄養、愛情、教育」を広めることのできるようなことを行える人間になりたいと強く感じた。