JELA職員の星崎ポールの報告を掲載します。
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星崎ポール
(JELA職員)
(JELA職員)
初めてこのキャンプに参加して、数多くの貴重な体験をした中から、いくつか印象に残ったことを紹介します。
1)70足以上の義足の製作と贈呈
限られたスペースの義足製作場で、参加者は限られた道具を交代で使いながら、現地の職人から各工程を学びました。全行程を大まかにこなした参加者たちでしたが、ほとんどの者が義足作りは初めてだったため、行程を間違ったりする場面がありました。それでも職人たちの力を借りながら、70人分の義足を完成することができました。
CRHPが義足プログラムを始めた1970年当初は、贈呈対象者の多くは病気(糖尿病、ハンセン病など)により足を失っていました。その他には、蛇にかまれたり、農作業でのけがや事故が足を失くす原因でした。最近では、政府の協力もあってCRHPが長年健康管理への意識を高めてきた結果、病気が原因ではなく、交通事故で足を失う人の数が増えています。
今回、新しい義足を求めて近隣や遠方から集まった方に対して、それが完成するまでの一週間、CHRPが無料で宿と食事を提供しました。その間に私たちボランティアも義足利用者と交流の時を持つことができ、話を聞くことができました。その中の一人、アシャさん(40代女性)は12歳の時、工場の機械に右足を挟まれて膝から下を失いました。当時は義足を買うお金もなく、3年間は松葉杖を使っていたそうです。15歳の時にCRHPの義足プログラムのことを聞き、以来CRHPから提供してもらっています。政府の援助もあり、両足で踏むミシンを使って洋服を仕立てる仕事を続けています。「義足のおかげで仕事も人生も立ち直れました」とアシャさんは喜んでいました。
2)ヘルスケアワーカーのプシュパさん
CRHPから車で約10分の所にあるパダリ村に住むヘルスワーカーのプシュパさんと会いました。CRHPでトレーニングを受けた彼女は、村の住民のあらゆる健康面のお世話をしています。糖尿病の住民の世話もしていました。
プシュパさんの巡回に同行した際に、患者さんの尿検査を行いました。患者さんの家の玄関先で、尿が入った試験管に検査用の成分を混ぜながら、木炭で沸騰させるという、日本では考えられない検査の方法でしたが、その場にある物、与えられた資材をうまく利用して、患者さんとの信頼関係を築きながら、健康状態を確認のうえ記録して管理しています。先進国では「ぜいたく病」とも呼ばれる糖尿病ですが、インドの貧困地域でもまん延する病気だということを目の当たりにしました。
3)CRHPの支援を受けている村と受けていないスラム
CRHPに支援申請をしているパダリ村では、プシュパさんのように、その村の方がCRHPでトレーニングを受けて村全体の健診を担当しています。しかし、CRHPの施設から目と鼻の先にできたスラムは、いろいろな地域から集まって来た人々が、自然発生的にコミュニティ(村のような集合体)を作ったため、近隣との関係をはじめ、自治体としても機能していません。そのため近所であるにも関わらずCRHPへの支援申請はしていないようでした。
政府はこのスラムの存在を認識しており、支援を行いましたが、予算を使い切ってしまった時点でそれをストップしました。例えば、スラム入口の道路は数百メートルに渡って舗装されているのですが、側溝の工事は打ち切られ、排水が溜まり、感染病や害虫のもととなっています。
また、スラムの近くに巨大な学校施設が建設されましたが、教師をはじめ、人材や机・椅子等が提供されていなかったため、2年間放置状態でした。最近ようやく教師などがそろったものの、数百人収容可能な校舎には現在70人弱の学生しか通っていません。
CRHPは、スラムからの支援要請を待たずに、この学校への支援を行っています。具体的には、政府の供給だけでは足りない部分の水をCRHPが供給しているのです。ここ数年は干ばつのため、CRHPはムンバイなどから水を購入して搬送する必要があります。また、CRHP施設の幼稚園でも、毎朝スラムの子どもたちを集めて、一日2回の給食を与えながら衛生教育を行っています。CRHPの病院でトレーニングを受けている幼稚園の先生は、保育とともに、子どもたちの健康状態を把握して、必要に応じて病院での治療を促しています。
このように地域住民の人権を守り、教育を与えて自立を促すCRHPは、それぞれの人が何を必要としているかを見極めながら、キリストの愛で接しています。
1)70足以上の義足の製作と贈呈
限られたスペースの義足製作場で、参加者は限られた道具を交代で使いながら、現地の職人から各工程を学びました。全行程を大まかにこなした参加者たちでしたが、ほとんどの者が義足作りは初めてだったため、行程を間違ったりする場面がありました。それでも職人たちの力を借りながら、70人分の義足を完成することができました。
義足をつくる星崎職員 |
今回、新しい義足を求めて近隣や遠方から集まった方に対して、それが完成するまでの一週間、CHRPが無料で宿と食事を提供しました。その間に私たちボランティアも義足利用者と交流の時を持つことができ、話を聞くことができました。その中の一人、アシャさん(40代女性)は12歳の時、工場の機械に右足を挟まれて膝から下を失いました。当時は義足を買うお金もなく、3年間は松葉杖を使っていたそうです。15歳の時にCRHPの義足プログラムのことを聞き、以来CRHPから提供してもらっています。政府の援助もあり、両足で踏むミシンを使って洋服を仕立てる仕事を続けています。「義足のおかげで仕事も人生も立ち直れました」とアシャさんは喜んでいました。
2)ヘルスケアワーカーのプシュパさん
CRHPから車で約10分の所にあるパダリ村に住むヘルスワーカーのプシュパさんと会いました。CRHPでトレーニングを受けた彼女は、村の住民のあらゆる健康面のお世話をしています。糖尿病の住民の世話もしていました。
プシュパさんの巡回に同行した際に、患者さんの尿検査を行いました。患者さんの家の玄関先で、尿が入った試験管に検査用の成分を混ぜながら、木炭で沸騰させるという、日本では考えられない検査の方法でしたが、その場にある物、与えられた資材をうまく利用して、患者さんとの信頼関係を築きながら、健康状態を確認のうえ記録して管理しています。先進国では「ぜいたく病」とも呼ばれる糖尿病ですが、インドの貧困地域でもまん延する病気だということを目の当たりにしました。
3)CRHPの支援を受けている村と受けていないスラム
CRHPに支援申請をしているパダリ村では、プシュパさんのように、その村の方がCRHPでトレーニングを受けて村全体の健診を担当しています。しかし、CRHPの施設から目と鼻の先にできたスラムは、いろいろな地域から集まって来た人々が、自然発生的にコミュニティ(村のような集合体)を作ったため、近隣との関係をはじめ、自治体としても機能していません。そのため近所であるにも関わらずCRHPへの支援申請はしていないようでした。
政府はこのスラムの存在を認識しており、支援を行いましたが、予算を使い切ってしまった時点でそれをストップしました。例えば、スラム入口の道路は数百メートルに渡って舗装されているのですが、側溝の工事は打ち切られ、排水が溜まり、感染病や害虫のもととなっています。
スラムに建つ学校 |
CRHPは、スラムからの支援要請を待たずに、この学校への支援を行っています。具体的には、政府の供給だけでは足りない部分の水をCRHPが供給しているのです。ここ数年は干ばつのため、CRHPはムンバイなどから水を購入して搬送する必要があります。また、CRHP施設の幼稚園でも、毎朝スラムの子どもたちを集めて、一日2回の給食を与えながら衛生教育を行っています。CRHPの病院でトレーニングを受けている幼稚園の先生は、保育とともに、子どもたちの健康状態を把握して、必要に応じて病院での治療を促しています。
このように地域住民の人権を守り、教育を与えて自立を促すCRHPは、それぞれの人が何を必要としているかを見極めながら、キリストの愛で接しています。
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