本文はご寄稿いただいたオリジナルのまま掲載しています。
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ロウソクの灯火を消さないように
5期修了生 中川愛弓
わたしは、リラ・プレカリアの存在をリーフレットから知った。
正確にはリーフレットを読むことはせず、その表紙の写真だけを見て知ったのだ。
その後、義母の部屋を整理していたとき郵送されていたJELAニュースに偶然、募集のインフォメーションを見た。「あ、これだ...!」と。しかし、私には自分のこと以外に優先しなければならないことが多くあり、受講などができるはずもないので、さらっと目を通しただけでリラ・プレカリアの働きについての予備知識もいれなかった。
JELAニュースで知った講座説明会の日時が記憶に残っていたその当日の朝、教会の用事をすませ説明会に間に合うなら行ってみようかな...とふっと、思った。いつも長引く用事が時間内に終わり、ぎりぎり間に合うことが出来た。
正直なところ、その説明会での印象は、私の中には「あまり、よくわからないもの」であった。しかし、この説明会から「あまり、よくわからないもの」がいつも気持ちの真ん中にあり、とうとう、願書締め切り間近までこの気持ちを持ち続けて、時間の経過とともに「これは、私にとって、チャレンジするべきことなのかもしれない?」という気持ちが強まっていた。
そして、リラ・プレカリア5期生となった。
開講式をむかえる日も私の中の「あまり、よくわからないもの」はそのままであった。
JELAミッションセンター2Fの控室にいた私達に声がかかり、1Fへ降りていくと通路でしばらく待たされ、ホールのドアが開くと、2台のハープが静かに、ゆっくりと奏でられ始めた。部屋の中心に花鉢と灯されたロウソクが置かれ、それを囲むように置かれた椅子。そこを7人の新人はゆっくりと歩き進み着席する。
ハープの音色が身体に沁みこむようだった。
この時、わたしははっきりと感じた。
私の何かが「大切にされる」という愛情を感じ、涙が込み上げてきたのだった。
これまで目的をもって歩き生きているようであっても、深いところの心にある思いは後悔や悲しさの傷。頑なさからうまれる痛み…等々でいっぱいだった。それが、あたたかさに包まれ凝り固まっていたものが溶けだした瞬間だったのかもしれない。
ハープから伝わる波動音がいままで消化できていなかったわたしのDis- Orientationに触れ、愛に包まれたのを感知したのではないだろうか。
リラ・プレカリアの学びは、自分自身で自分の心の奥深くを切開する厳しい学びとなった。わたし自身の魂の痛みをなぞる必要があった。特にキャロル先生の授業からは心や感覚を刺激されるものの体感であったためか、心の痛みとともに気持ちの中に留まり、私の気づきを思考に移すには気持ちが整理されないこともあったが、そういう気持ちを携えていることも恵みだと先生や仲間が気づかせて下さった。
リラ・プレカリアの学びの2年間はキャロル先生とリラ・プレカリア教師から、たいせつに育てられ本当に親切に愛されたと感じている。
学び始めてすぐのわたしたちは皆、どうなるのか不安があったし、様々なプライベートに起きた困難もあった。授業と宿題もハードだったが、同期メンバーや修了生の「信頼できる」人たちがいつも愛を向けてくれていたから落ち込まずに頑張れた。JELA事務局の方々にも励まされたことも思い出だ。
授業ではいつも、キャロル先生の熱い心が込められた「神の愛」が語られた。
わたしたちはすばらしい宣教に出会ったのだと思っている。
授業の準備でもわたしたちにとっての思いやりがいっぱい詰まったものであった。
いろいろなアイディアを用いて、全身全霊でわたしたちへの神の愛を伝えて下さった。
それは、わたしたちへの人生の応援であったし、わたしたちが将来に出会う人々への“生のはじめからおわりまでへの愛”でもあったのだな、と思えるのだ。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い、わたしはあなたを愛している」イザヤ書43-3が、心に沁みてくる。
心の底から、目の前のことに一生懸命になっていたら「あまり、よくわからないもの」だったものが、「大切なたいせつな宝物」となった。
リラ・プレカリアを知りなさい。と神に呼ばれ、“もしかしたら自分に必要な事?と(”疑心暗鬼でも)神の呼びかけに応えたことから始まった学び。授業と宿題に不可欠となっていった「常に神と対話する」ことであったが、今現在もこれからも、そのことで自分を見出し回復していく。
いつもキャロル先生が用意してくれていたのは、私達への祝福だった。
どんな場所でもあの、ロウソクの灯火を消さないようにしていたい。
「感謝の歌をうたって主の門に進み、讃美の歌をうたって主の庭には入れ、
感謝をささげ、御名をたたえよ。」(詩編100編)」
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※リラ・プレカリア(祈りのたて琴)とは、ハープと歌で祈りを届ける活動です。
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