本文はご寄稿いただいたオリジナルのまま掲載しています。
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リラ・プレカリアに関わって思うこと
ヴォイス講師 渡辺直美
なはからいをされるのだろうと偶然ではない何か不思議な糸で手繰り寄せていただいたようなそんな気持ちになりました。
左から2人目が筆者 |
私の祖父はもう長いこと耳が悪く、会話をするときは筆談を求めるくらいでした。なので祖父と最後に会ったとき聴こえないかもしれないけれど、と思いながらも耳元でたくさん歌いました。その時の祖父の表情は今でもはっきりと覚えています。目にいっぱい涙をためて、時に流しながら一緒に口ずさんでいるかのように唇を動かしてくれていました。人は呼吸を通して寄り添いに触れたとき、耳の良し悪しや様々な症状に関係なく、祈りの音、声はきちんと届いているのだと強く実感した瞬間でした。それは門が開かれ神様の元へ帰る準備がなされている愛の証なのかもしれません。『私たちの国籍は天にあります。』と聖書にあるように。「安心してこちらへいらっしゃい。」と両手を広げ待っていてくださっているのでしょう。リラ・プレカリアは痛みや苦しみ、深い孤独から解放され、神様へと繋がる光の道のように思っています。ただただありのままの姿を抱きしめてくれる祈りの音楽。この音楽がいつまでもどこかで誰かのために奏で続けられることを、沁々と今は願うばかりです。
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※リラ・プレカリア(祈りのたて琴)とは、ハープと歌で祈りを届ける活動です。
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