2018/03/23

【ブラジル・音楽ミニストリー報告】新学期の子どもたち(2)

JELAが支援しているブラジル・サンパウロ教会の音楽ミニストリーが2月下旬から新学期を迎えました。現在このミニストリーを指導する徳弘浩隆宣教師夫妻より、新学期から参加している子どもたちのご報告をいただきましたので、3回に分けてご紹介しています。

2回目の今回はKelvinとVeatrizという二人の子どもの話です。

1回目はこちらから

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午後のクラスの頑張り屋さんたち
徳弘浩隆・由美子

午後クラスの新しい子の中で頑張っているのはKelvinVeatrizです。Kelvinは午前クラスからの移行組です。おとなしい午前クラスと違って、やんちゃな年上の子たちもいる午後クラスで少しおっかなびっくり。仕事中にケガをして治療中の父親が、休みをもらっているからと一緒に来ています。教会が音楽を教えてくれて本人がやる気があるというので、お父さんはKelvinに高いキーボードを無理して買ってあげたそうです。

息子がパソコン教室にも参加できることをお父さんは感謝してくれています。まずは、キーボードを見なくてもタイピングができるようになる「タッチタイピング」を練習させていると説明すると、驚いて喜んでくださり、練習中のKelvinを教室のドア越しにずっと見守っています。「覚えが速いですよ」「今日もだいぶ進みましたよ」と説明するとお父さんはとても満足そう。「私の父はとても厳しい人でした。『勉強しろ。そうじゃなきゃ働きに行け』といつも怒られてました。私は働きに行きましたが、うちの子にはしっかり勉強させたいです」と話してくれました。Kelvinはタイピング練習ソフトも、みるみる目標をクリアして進んでいます。
パソコンソフトをこなすKelvin
Veatrizにはパン屋さんで出会いました。教会そばの学校の近所にパン屋さんがあり、子どもたちのおやつの材料のパンを私たちはよく買いに行くのです。実は、下校中の子どもたちに何げなく会えるように、1220分をめどに、時々わざと学校そばのパン屋さんを訪れます。午前の部が終わってぞろぞろ出てくる子どもたちの中から、教会に来ている子が手を振ってくれたり、駆け寄ってきて飛びついてくれたりします。「今日もおいでよ」とハグをしたり握手をしたり、そして一緒にいる友達にも声をかけることができるのです。

Veatrizは、いつもそこに来ているMicaeleのお友達で、二人が一緒にいる時に知り合いになりました。私たちは小さなフランスパンを40個買って、「持てないから教会まで運ぶの手伝ってよ」と頼むと、二人とも嬉しそうに助けてくれました。「今度教会においでよ」と別れましたが、その翌週、Veatrizはお母さんと一緒に申し込みに来てくれました。お母さんは、一人で子どもを育てながら看護学校に通っている若い方です。それから毎週Veatrizは喜んで来てくれて、音楽とパソコンのタイピング練習をしています。

Veatrizは元気でかわいい子ですが、Kelvinと比べるとちょっと忍耐力が足りません。「あー、こんなのできない」「まだこんなにあるのー?」と言いながら、なんとかズルをして早く終わらせようと、練習ソフトをいじっています。まあ、これも探求心と問題解決能力の一つだろうと、笑いながら大目に見ています。

先輩がやっているパソコンの宿題に早く進みたいとVeatrizがせがむので、やらせてみました。MS WordBazar(バザー)のパンフレットを作って展示し、投票結果で優勝した人にはプレゼントがあるというものです。ただのパンフレットじゃなくて、「写真を入れる、イラストを入れる、3種類のフォントを使い分ける、テキストボックスを使って表現力を上げる」というWordの難しい機能を使う4つの決まりをつけました。「Sensei, Sensei」と何度も腕を引っ張られて、みんな聞いてきますが、Veatrizも一生懸命。そして見事にクリアして仕上げました。さて、人気投票の結果が楽しみです。
完成したバザーのパンフレットを嬉しそうにかかげるVeatriz

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