
この書簡集は、1535年から1552年にかけてザビエルがアジアの宣教地からローマのイグナチオ・デ・ロヨラなどに宛てた手紙137通(いずれも長い。この中には日本宣教時代<1549-52>の19通が含まれる)を訳出したものです。
以下に、ザビエルの燃える信仰が伝わってくる数か所をご紹介します。〔 〕内は、意味が通るように訳者が補ったものです。
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● ポルトガルのシモン・ロドリゲス神父宛て/1549年1月25日/コーチン発
……私はそんなことで日本へ行くことをやめません。なぜなら、安らぎのないこの世の生活の中で、死に〔直面する〕大きな危険にさらされながら生き、生活のすべてを主なる神の愛と奉仕に捧げ、聖なる信仰を広めることだけ考えて生きていくことほど、大きな霊的慰めは他にありませんから。また、このような苦しみのうちに生きることは、苦しみを味わうことなく生きるよりももっと大きな心の安らぎが得られますから。(371頁)
● ヨーロッパのイエズス会員宛て/1549年6月22日/マラッカ発

● ゴアのガスパル・バルゼオ神父宛て/1552年10月25日/サンチャン発
私があなたにも、すべての会員にも願っておりますことは、〔神が〕あなたがたを通じて行われることよりも、神があなた方を通じて行いたいと思われても〔あなたがたが従わないために〕やめてしまわれることについて、もっと真剣に考えてほしいのです。(730頁)
いずれも宣教の情熱がほとばしる文面です。クリスチャンなら一度は読むべき本(書簡集)かと思います。訳者は異なりますが、岩波文庫からもザビエル書簡抄訳が二分冊で出ています。
JELA事務局長
森川 博己
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